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身延山の安産祈願スポット5選。健やかな赤ちゃんが生まれますように

 皆さまこんにちは。身延在住のゆる身延です。本日は御祈願特集第二弾として、意外と知られていない身延山の安産祈願スポットをご紹介します。

 身延山で安産祈願? と思われる方も多いかと思いますが、山内には5カ所も安産祈願が出来る場所があります。中には御札をいただいたり、ご祈祷を受けられるお寺もありますので、もし周囲にお子さんを授かられた方、授かりたい方がいらっしゃいましたら、是非お参りください。

「幽霊子育て飴伝説」の日審上人を祀る定林坊(じょうりんぼう)

身延山の定林坊

 山内の安産祈願としてまず一番知られているのは、西谷の定林坊(じょうりんぼう)さんです。三門脇から西谷を上りはじめてすぐの場所にあり、安産祈願の看板も出ているので、わかりやすいです。

 定林坊さんの安産祈願にはあの「幽霊子育て飴」の伝説、幽霊となった母親から与えられた飴で生きながらえ、後に僧侶になったといわれる日審上人が祀られています。

 幽霊子育て飴の伝説はこのようなものです。

 ある飴屋に、毎夜飴を買いに来る若い女性がいました。その女性が持ってくる一文銭は樒(しきみ)の葉に姿を変えた為、不審に思った飴屋の主人が後をつけると女性は墓地で姿を消しました。

 翌日になり、飴屋の主人が寺の住職と墓地を見回ると、新しい盛り土のあたりから赤ん坊の泣き声が聞こえ、墓を掘り起こすと身重で亡くなった女性の傍らで飴をしゃぶっている赤ちゃんが発見されました。

 助けられたその子は仏門に入り、成長してやがて「説法すること一万余座、授与した曼荼羅十万余幅、、受法の者九万余人」と言われる日蓮宗の代表的な説法者の一人として知られる日審上人となったと言われています。

 このエピソードから、日審上人の書かれた曼荼羅本尊や御像が祀られているお寺は、安産の御利益があるといわれるようになりました。

 ちなみに日審上人が第二十世の住職を務めたのが、身延山の宿坊清水房さんの開基であり日蓮聖人から京都布教の命を受けた日像上人が開基である京都の名刹、立本寺さんです。立本寺さんには今も日審上人が祀られ、幽霊子育飴も販売しているそうです。(近隣にも幽霊子育て飴を販売されているお店が二店舗ほどあるようです)。

 定林坊さんと日審上人の関わりは残念ながら記録が残されていませんが、安産の御札等を頒布されていて、予めお願いしておくとご祈祷を受けることも出来ます。また、春になると、定林坊さん付近の桜が身延山の中では一番早く咲くので、何やらおめでたい感じもします。

「安産守護」の木札が出迎えてくれる窪之坊

身延山窪之坊の安産祈願札

 身延山内でも安産守護の隠れスポットとされるのが、定林坊さんからもほど近い東谷の窪之坊さんです。窪之坊さんの境内に入ってすぐ左手の石碑に「安産守護」と刻まれた木札が立っています。

 何故安産に御利益があるかは詳しくは伝えられていないようですが、資料によると、窪之坊さんの歴代住職の一人である本源院一了日解上人というお坊さんが、あらゆる難行苦行の修行の過程で、多くの「心身の重傷者」を救ったとされているので、その中で、お産で苦しむ女性を救ったことから安産守護と後世にいわれるようになったのではないかと察します。

 よく見ると窪之坊さんの本堂は女性が好むようなやんわりとした色彩が施されており、お賽銭箱の下にも可愛らしい邪鬼がいます。しかも、窪之坊さんは腰痛守護としての方が有名なので、腰痛に悩まされることも多い妊婦さんには安産と腰痛の守護を両方お祈り出来てうってつけかと思います。

安産のご祈祷が受けられる上ノ山の鬼子母神

身延山の鬼子母神堂

 安産子育て守護をお祈りするなら、久遠寺本堂裏から身延山山頂に向かう参道、上ノ山域にある鬼子母神さんにお参りをしていただけたらと思います。

 参道入り口からは上り道を歩くこと20~30分ほどはかかりますので、妊婦さん本人のお参りはお勧め出来ません。ただ、ご主人やご家族の方がお参りをしてくれるなら、鬼子母神さんは安産祈願にも心強い味方といえるでしょう。

 鬼子母神はその昔、千人ともいわれる自分の子供に食べさせるために、多くの人間の幼児をさらっていました。その様子を見ていたお釈迦様は鬼子母神の子供の内、一番かわいがっていた末の子を隠しました。鬼子母神は必死になってその子供を探しましたが、みつかりません。その時、お釈迦様が現われて「千人の内の一子を失ってもこれほど悲しいのだから、たった一人の子供を食べられた、その父母の嘆きはいかばかりか」と戒め、鬼子母神は子を失う親の悲しみを知り、安産や子育てを守護する存在になることを誓ったといわれています。

 鬼子母神堂は身延山の中でも最古級の歴史を誇る建物で、上ノ山域でも閑静な佇まいで登詣の人々の心を癒やしてくれる十如坊さんの境内にあります。絵馬も奉納出来ますし、事前の連絡でご祈祷もお願い出来るようなので、安産、育児のご守護をいただきたい方には少し足を伸ばしていただけたらと思います。

腹ごもりの清正公様が祀られた逕泉坊(きょうせんぼう)

身延山の塔頭逕泉坊

 久遠寺から車で5分ほど、県道805号線(通称杉山)を甲府方面へ抜ける途中、東谷の最端の坊であり、身延山の鬼門封じでもある逕泉坊(きょうせんぼう)さんにも安産守護の御利益があります。

 こちらには法華経を守護し、戦勝、必勝の神様といわれる加藤清正公の大きな像が祀られています。その中にはもう一体の清正公が安置されていることから「腹ごもりの清正公様」として知られ、安産守護の御利益があるといわれるようになりました。

 御札も頒布されていますので、幸せながらも厳しい妊婦生活に打ち勝って、赤ちゃんを出産したい方は是非お受けしていただきたいと思います。小さな祠ではありますが、魔を切る力があるという第六天魔王も祀られているので、お参りすれば色々な事から赤ちゃんを守ってくれそうですね。

穴の開いた柄杓を奉納する産宮神(さんごじさん)

身延山の産宮神(さんごじさん)

 県道805号線を道なりにずっと下っていくと、そろそろ国道52号線が近くなってきたという付近、山の斜面に小さな祠と底の抜けた柄杓がたくさん奉納されている場所が見えてきます。こちらは以前にもご紹介しました安産の神様、産宮神(通称さんごじさん)があります。

 その昔、この祠近くに若夫婦が住んでおり、難産で大変苦しんでいたといいます。そこを通りかかった旅の僧侶に安産を祈り、僧侶は主人に柄杓を用意させ呪文(お経)を唱えて柄杓の底を抜き、水を通すと、元気な男の子が無事誕生したといわれています。

 以来、産宮神さんは何百年という長きに渡り、この土地で安産を願う人々を見守ってきました。祠の周りにはたくさんの穴を開けた柄杓が奉納されており、今も若い夫婦がお参りをしている姿を目にします。春になり、久遠寺の桜が少し盛りを過ぎた頃には、目の前に満開の桃の花々が咲き乱れ、とても美しい光景を見せてくれます。

他にもある身延山の安産祈願スポット

 身延山の中心である久遠寺本堂でも、もちろん安産祈願が受けられます。また境内の札所では安産の御守りも領布されています。また身延山三門斜め向かいの恵善坊さん本堂脇にも、子育て観音さんがあります。よろしければこちらもお参り下さい。

 さて、今回、意外にも身延山が安産祈願スポットであることを知っていただけたかと思います。安産祈願、子育て守護をお願いすることも一生の内で回数的にはあまり多くないとは思いますが、赤ちゃんが無事生まれること、育っていくこと。赤ちゃんを産むお母さんが健康であることはとても大切なことでしょう。

 私も常日頃、身延山内をお参りしながら歩き回っているおかげか、長く入院して、自己貯血を何本も採ってから臨まなければならなかったお産も、貯血が何本か余るほど安産に終わりました。お産が無事に終わったら、赤ちゃんが成長してから、手をつないで是非また御礼参りに身延山に来ていただきたいと思います。


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ライター紹介 ライター一覧

ゆる身延

ゆる身延

Facebookページ「ゆる身延」主宰。横浜出身、身延町在住。身内の供養の為に2000年頃より久遠寺に通い始め、不思議な仏縁を得て身延の僧侶と結婚。趣味で行なっていた史跡探訪等の知識を活かし、身延山の情報発信やコラムの執筆などを行なっている。

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