畳風呂が珍しい善光寺の宿坊薬王院(長野県)【くちコミ付き】
薬王院
電話 :026-232-8901 ウェブ :薬王院 予約 : 住所 :長野県長野市元善町657 アクセス:善光寺境内にあります。長野駅からタクシーで薬王院まで (料金は約1200円ほど)。 駐車場 :あり(有料) 時間帯 :チェックイン15時~18時。チェックアウト10時。 収容 :12室 |
【宿坊】(税込) 一泊二食 1名利用時13900円~ 一泊朝食付 1名利用時11700円~ 【精進料理】四名様以上二百名様ほどまで 1100円~ 2500円~(個人) |

善光寺が建立された時に阿弥陀堂として最初に建てられた、伝統の宿坊です。


薬王院は善光寺の境内入り口側にあり、お参りにとても便利な立地です。玄関前に打ち出の小槌を持った大国様が立っていて、目印になりました。
私が宿泊したのは10畳の和室で、テレビ、空調、空気清浄機がありました。また浴衣、タオル、歯ブラシ、お茶菓子、コーヒーも用意されています。Wi-Fiも使うことができました。
ちなみにコーヒーはネスカフェのドルチェグスト(カプセル式電気コーヒー沸器)があり、カプセルから抽出してちょっとリッチな気分です。
そして部屋で一息ついてから、夕食前にお風呂に入りました。こちらのお風呂は部屋ごとに貸し切りで、チェックイン時に時間を予約して入ります。
脱衣所で服を脱ぎ、扉を開けると水に濡れても大丈夫な畳が敷かれており、とてもインパクトがありました。ふかふかとした足触りが快適ですし、いつも以上に身体が温まった気がします。
なお、シャンプー、リンス、ボディーソープ、ドライヤーなど、基本的なものは置かれています。
それと私は使っていませんが、廊下に酸素カプセルが設置されていました。旅をして疲れた方は高気圧の中で充満した酸素を吸うことで、回復が早くなるようです。
鉄鉢(てっぱち)で頂く精進料理
夕食は1階にある食堂(じきどう)で、精進料理を頂きました。メニューは以下の通りです。
●揚げそばのあんかけ(しいたけ、白菜、たまねぎ、にんじん)
●煮物(人参、かぼちゃ、こんにゃく、ふき、高野豆腐)
●天ぷら(かぼちゃ、おくら、しいたけ、なす、さつまいも)
●刺身こんにゃく、酢味噌
●厚揚げ
●キュウリとわかめの酢の物
●胡麻豆腐、甘くつけた梅、栗
●きのこの炊き込みご飯
●けんちん汁(だいこん、にんじん、豆腐、ごぼう、油揚げ)
●香の物
こちらで印象が深かったのは、やはり精進料理の定番・胡麻豆腐です。ちょっと茶色っぽくて、胡麻の香ばしさが強く感じられます。またわさびが乗っていて、味をピリッと引き立てていました。
また精進天ぷらもサクサクです。抹茶塩をつけながら頂きましたが、野菜の味がじわっとにじみ出てくるようでした。
そして食後はデザートに、ソフトクリームが出てきました。そば粉を砕いて振りかけられていて、食べるとカリカリした食感が楽しめます。そばの香りが鼻の奥にふわっと漂う、贅沢なおいしさでした。
なお、ビールや日本酒など、お酒は別途注文できます。
また料理に使われた朱塗りの器は、少しずつ大きさが異なる鉄鉢(てっぱち)です。こちらは重ねるとコンパクトにまとまる工夫がなされたもので、もともとは持ち運びや収納に便利なように修行僧が用いたものです。
こんなところにもお寺らしさが感じられ、お参り気分が盛り上がりました。
早朝の善光寺お朝事参拝
翌朝、6時(季節によって、時間は変わります)に玄関に集合し、善光寺本堂で行われるお朝事に案内して頂きました。このお朝事は善光寺のお坊さんが集まって行われる法要です。
まだ薄暗い時間に外に出ると空気もひんやりしていて、身が引き締まります。参道のお土産屋さんなどもまだ開いておらず、昼の喧騒が嘘みたいに静かな時間でした。
そして公式の案内人に境内の見どころを解説して頂きながら、本堂に入ります。拍子木が鳴り、大きな木魚を叩きながら大勢のお坊さんが一堂に会してお経を唱えられました。ちょっと眠たい気持ちもありますが、すごい迫力ですので早起きしてでも参加をお勧めします。
なお、特別なご祈願・ご供養を希望される場合は、前日に申し込みしておくと、普段は入れない本堂の奥(内内陣)に入って名前などを読み上げて頂くこともできます。お布施(3000円以上)は必要ですがとても特別な時間になりますので、こちらをお願いするのも良いと思います。
終わったころにはすっかり明るくなり、善光寺の住職(大勧進貫主)が赤い傘を差されながら、本堂から戻られているお姿が見られました。
朝食を頂いて、チェックアウト
宿坊に戻ると、7時40分から朝食です。
ご飯、味噌汁、納豆、冷やっこ、切り干し大根、大根おろし、サラダ(ミニトマト、ブロッコリー、きゅうり、レタス)、なすとピーマンの味噌乗せ、梅干し、玉子、のり、オレンジと健康的な朝の食事ですが、夜明け前から歩いてきたのでおいしさもひとしおでした。
その後、荷物をまとめてチェックアウト。宿坊の方もとても親切で、快適に過ごすことができました。

薬王院に18時頃に到着するとお部屋にはすでに布団が引かれ、宿坊の説明を受けてからお風呂~夕食となりました。お部屋はシンプルな一間で鍵付きです。
薬王院さんではまだ新しい畳のお風呂がありました。初めての畳敷きのお風呂、不思議な感じです。
夕食は食堂(じきどう)にて、精進料理が鉄鉢で出されます。お蕎麦を揚げてあんかけにしたあんかけ蕎麦や、デザートには砕いたそばの実(でしょうか)をかけたソフトクリームなど、信州ならではのお料理が並びました。
すべて頂いたあとに鉄鉢を重ねてみると、朱色の器がきれいに収まり、持ってみると案外重たかったです。
明朝は、善光寺のお朝事に参拝しました。朝6時に玄関に集合し、薬王院さん公式案内人さんが参拝の案内をしてくださいました。
善光寺は無宗派ですが、善光寺を護持運営する天台宗と浄土宗の順に2回お朝事が行われます。本堂内陣券を購入すると、本堂の内陣に入っての参拝とお戒壇巡りができます。
前はお戒壇巡りは暗闇だったそうですが、今は足元にほのかな明りのライトが置かれています。大人の腰あたりの位置の壁を右手で触りながら歩いていくと、秘仏のご本尊の真下にある極楽の錠前があり、錠前にさわることでご縁がいただけるそうです。
お朝事のあと、お宿に戻り朝食をいただきました。
11月下旬の善光寺、着込んでお朝事に参拝しましたが本堂はふるえる寒さでした。この季節は是非暖かくしてご参拝ください。
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