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困難に負けない力が欲しい時にこそお参りしたい身延山久遠寺

身延山久遠寺

皆さまこんにちは。身延在住のゆる身延です。今回は身延山の中心である久遠寺についてご紹介します。

身延山久遠寺は、日蓮宗の総本山です。身延山は高野山、比叡山と並ぶ霊山と言われながら、今も昔ながらの大寺院の雰囲気を残す貴重な存在です。

■総門
身延山の総門

身延山の総門をくぐると、門の外とは空気を隔て、そこはもう聖域。昭和の風情を残す門前町、身延山を正面に右手に東谷、左手に西谷等、いくつかの谷にわかれ、それぞれに宿坊が軒を連ねます。門前町を道なりに進むと、日本三大門といわれる立派な三門があり、三門の楼上からは釈尊像、十六羅漢像が菩提梯(菩提)へと続く道へ導いてくれます。

■菩提梯
身延山の菩提梯

見るものを圧倒する急な287段の階段『菩提梯』は身延山の名所のひとつであり、菩提を通り浄土(久遠寺境内)へ至るという意味でも大切な場所です。しかし一段一段の段差が高く、あまりに急なため、体調が万全ではない方は、菩提梯の両脇にあります、男坂、女坂からゆっくりと坂道を上られることをお勧めします。

車でお越しの方は西谷に大きな駐車場もあり、そこから無料の斜行エレベーターで楽に境内まで行くことが出来ますので、そちらもご利用ください。

さて、肝心の久遠寺境内には壮大な伽藍が建ち並んでいます。身延山は長い歴史の内、三度の大火に遭っていますので、すべての建物が長い歴史を持つ訳ではありませんが、日蓮宗を信仰する人々の努力により現在の形を保っています。

■大本堂
身延山久遠寺の大本堂

日蓮宗最大級といわれる970坪もの広さを誇る大本堂には、日蓮聖人が書かれた十界勧請の大曼荼羅本尊を仏像で表したものが祀られており、天井には加山又造氏による墨龍図が描かれています。夏でも涼しい風が通り抜ける大本堂で手を合わせると、心が静まり、新たな道への決意が湧いてくるような気がします。

そもそも日蓮宗の開祖、日蓮聖人は、鎌倉時代に熾烈な布教生活を歩まれた方でした。荒廃した生活を送る民衆に、法華経の教えをもって「より良く生きるにはどうしたらいいか」「より良い社会にするにはどうしたらいいか」を伝え、幕府や他宗派にまで訴えかける行動に出たため、幾度も命を失いそうになる困難に遭わされますが、それでも諦めずに行動し続け、その想いが脈々とつながって、今の身延山、日蓮宗があります。

大本堂に続く祖師堂は外側から見た時も朱色が青空に映える非常に美しいお堂ですが、建物の中から外を眺めたときの彫刻の美しさもひとしおです。また、外から屋根を支える形で踏ん張る「力神」(りきじん)の力強くも可愛らしい姿もこのお堂のポイント。私がいつも密かに注目している存在でもあります。(本堂前の手水舎の下で頑張る餓鬼の姿も見逃せません)

■祖師堂の力神
祖師堂の力神

ちなみにこちらの祖師堂は、もとは現在でいうところの東京都豊島区に11代将軍徳川家斉の助力で建てられた感応寺のお堂を移築したものです。この感応寺は江戸城大奥の女性たちの帰依を集めながら、わずか5年で廃寺を命じられたという数奇な運命を辿ったお寺です。廃寺になった際に解体され、鎌倉の日蓮宗寺院に保存してあったお堂の建材を身延山が買い受け、明治の大火で焼けた祖師堂の代わりに建てられて再び日の目を見ることになりました。

祖師堂の隣にあるのが、御朱印の受付や祈願、御開帳の受付をする報恩閣。その横には御真骨堂、御真骨堂拝殿があり、拝殿の奥にある八角形の建物に日蓮聖人のお骨が納められていますが、通常は入ることが出来ません。

さらに仏殿、大客殿、法喜堂と建物が並び、いずれも参拝、観覧することが出来ます。

あまり知られていませんが、特に大客殿では一般参拝者も休憩出来るスペースや、奥に進むと水鳴楼前庭という、5月には菖蒲が美しい庭がありますので、足を運んでみてください。

■水鳴楼前庭
水鳴楼前庭

他、境内には平成21年に往時のままに復元された五重塔や開基堂などがあり、大本堂地下の宝物館では300円でプチ写経もすることが出来ます。

春には樹齢400年といわれる枝垂れ桜の古樹が咲き誇り、この世のものとは思えない美しさを見せる久遠寺。

また、季節問わず、365日、朝のお勤め「朝勤(ちょうごん)」が、4~9月は朝5時半から、10~3月は朝6時から行われています。朝の凜とした空気の中、大勢のお坊さん方が読経される様子、そして自分の知らないところで、毎朝こうして誰かが平和の為の祈りを捧げてくれていたことを知ると、また違った気持ちになることが出来ます。

■身延山久遠寺の朝勤(提供:身延山久遠寺)
身延山久遠寺の朝勤

私はこの朝勤の独特の雰囲気が大好きです。身延山を訪れ、朝勤に参加された方も皆さん、清々しい気持ちになれると感激されます。早起きは少し大変かも知れませんが、是非一度ご参加されてみて下さい。

身延山久遠寺、そこでは、たくさんのお坊さんが毎日祈りを捧げ、幾たびもの困難を乗り越えられた日蓮聖人が広めた教えが今も静かに、そして力強く、脈々と続いています。

目の前の困難に足が止まりそうになったとき、是非足を運ばれてみてはいかがでしょうか。


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ライター紹介 ライター一覧

ゆる身延

ゆる身延

Facebookページ「ゆる身延」主宰。横浜出身、身延町在住。身内の供養の為に2000年頃より久遠寺に通い始め、不思議な仏縁を得て身延の僧侶と結婚。趣味で行なっていた史跡探訪等の知識を活かし、身延山の情報発信やコラムの執筆などを行なっている。

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