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休憩から庭園観賞まで。身延山久遠寺の一息つける穴場スポット3選

 皆さまこんにちは。身延在住のゆる身延です。本日はいずれも国の登録有形文化財に指定されている大客殿、旧書院、法喜堂についてご紹介したいと思います。

 久遠寺に来られても、本堂や祖師堂だけお参りして帰られる方がほとんどです。しかしその隣にある仏殿にも立ち入ることは出来ますし、これからご紹介する大客殿、旧書院、法喜堂は疲れた時にゆっくりと息をつくことができる隠れた穴場です。全ての建物は、回廊で繋がっていて、気軽に立ち寄ることができます。

大客殿はお参りの休憩に最適

■大客殿休憩所
身延山久遠寺の大客殿休憩所

 久遠寺境内から本堂に向かって、一番右手奥に見えるのが大客殿です。正面にある大玄関は法主猊下や国賓、宗門の要職者のみが使える玄関で普段は閉ざされているため、総受付である報恩閣から入り、回廊伝いに案内板に従って右手に進んで行くか、法喜堂から入ることが出来ます。

 大客殿は明治19年(1886)に建立されました。大広間には日蓮聖人の肖像画として有名な水鏡の御影(みずかがみのみえい)の複写のシルクスクリーンが飾られている上段の間が設えられています。天井、敷居など、全体的に格式の高い造りになっており、欄間にも身延山の紋である牡丹紋が彫られていて随所に工夫が凝らされています。

 しかし、この大客殿の一部が休憩所として利用出来ることは一般の方には殆ど知られていません。

 廊下から見ると、上段の間のある広間の右隣の部屋に「休憩所」と書かれています。団体参拝の方々が使われる事が多く、普段は電気が消されている為、一般参拝者が使える様子には見受けられませんが、実はこちらは利用可能なのです!

 電気は自由につけて良いそうで、お弁当などを持ち込んで食事をするのも自由とのこと。こちらもかなり広さがあるので、何人かのグループで行っても十分にゆとりがあると思います。登録有形文化財の趣ある建物でゆったり休憩とは、贅沢な時間が過ごせそうです。

 ただし、あくまでお寺の中なので、はしゃぎすぎたり、文化財である建物を傷めたりするようなことのないよう、よろしくお願い致します。

美しい庭園を眺めてゆっくりできる旧書院

■旧書院
身延山久遠寺の旧書院

 大客殿に向かって左奥にあるのが明治9年(1876)建立の旧書院で(境内からは見えません)、こちらへも回廊伝いに進めます。

 今回ご紹介する建物の中で、最も格式高いのが旧書院です。普段は閉ざされていますが、こちらにも上段の間が設けられており、身延山久遠寺の住職である法主猊下との対面所ともなっています。美しい襖絵が設えられた上段の間に法主猊下がご来臨される様は想像しただけで、現代社会で暮らす方々には異世界のような光景に感じられるかもしれません。

 その旧書院において特筆すべきは、靖国神社の神鏡の額縁などを手がけている後藤功祐作の欄間です。裏表で全く同じ情景を表わした欄間は珍しいそうですが、流れるような植物や躍動感のある鳥たちの姿は是非ご覧いただきたいもののひとつです。

 そして、旧書院の最大の魅力は、美しいお庭「水鳴楼前庭」(すいめいろうぜんてい)が眺められるということ。

■水鳴楼前庭
身延山久遠寺の水鳴楼前庭

 このお庭は宝永5年(1708)に造られたとされる池を中心とした池泉廻遊式(ちせんかいゆうしき)庭園です。真如海といわれる池は、あるがままである「真理」、お釈迦様の教えを表わしている他、庭の中の岩のひとつを見ても、「青獅岩(せいしがん)」は獅子に乗った文殊菩薩を、「白象岩(びゃくぞうがん)」は普賢菩薩を表わす、といった風にそれぞれに意味があり、庭全体で法華経の世界を表わしているのだそうです。

 暖かい頃になると時折旧書院前の廊下に座って、ずっと庭を見ておられる方もお見受けします。5月になると花菖蒲が咲き乱れ、大変綺麗です。旧書院は食事などができる休憩所としては開放されていませんが、ゆっくりと庭を眺めたい方にはとてもオススメの場所です。

法喜堂は靴を脱がずに休憩できるスペース

■法喜堂の休憩スペース
身延山久遠寺の法喜堂休憩スペース

 久遠寺境内から一段下がった場所にあるのが、報恩閣が出来る前に寺務所だった法喜堂で、外から見ても風格のある立派な建物です。

 元は豊臣秀吉の姉・瑞龍院が実子であり豊臣秀吉の養子となった秀次の菩提を弔う為に建立した由緒がありますが、現在の建物は明治16年(1883)に再建されたものになります。

 法喜堂は外からも出入りすることが出来、入ってすぐ右手には靴を脱がずに休憩できるスペースがあり、給湯器もあります。久遠寺境内で飲食をするのは憚られるけれど、門前町まで下りるのは時間がない、という時などに私もおにぎりなどを持参してちょこっと利用させていただくことがある穴場の休憩所です。

 天井からつり下げられている御駕籠は開闢会の行列の際などに法主猊下が実際に乗られるもので、下から見ると迫力があります。法喜堂には行衣用の印が置かれているのをご存じない方も多いので、行衣をお持ちの方は要チェックです。

 身延山好きの私には、緑萌ゆる頃の身延山の美しさがまたひとしおです。久遠寺にあるお堂を上手に利用して、充実した参拝の時間を過ごしていただければと思います。


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ライター紹介 ライター一覧

ゆる身延

ゆる身延

Facebookページ「ゆる身延」主宰。横浜出身、身延町在住。身内の供養の為に2000年頃より久遠寺に通い始め、不思議な仏縁を得て身延の僧侶と結婚。趣味で行なっていた史跡探訪等の知識を活かし、身延山の情報発信やコラムの執筆などを行なっている。

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