身延山の開闢会・御入山行列(6月)は、身延ビギナーにおススメ!
皆さまこんにちは。身延在住のゆる身延です。今回は身延山にご興味をお持ちの方に、是非ご来山のきっかけにしていただきたい行事、「開闢会(かいびゃくえ)」のご紹介です!
開闢会は毎年6月15~17日にかけて行われます。6月17日に日蓮聖人が御草庵に住まわれ始めたことを記念して行われるもので、数ある法要の中でも大法要に位置づけられます。
開闢会法要は3日のうち2日間、久遠寺本堂で行われます。10時から読誦会、13時から天童音楽大法要があり、特に天童音楽大法要は、祖師堂と本堂の間の回廊で声明が行われた後、お上人方による雅楽の演奏の中厳かに始まります。
基本的にどなたでも自由に参加可能ですし、雅楽の演奏やお稚児さんによる儀式が行われるので、観光が目的の方にも興味深くご覧いただけますよ!
そして残りの1日は御入山行列が、身延の街中で行われます。開闢会最大の見所でもありますが、開催日が毎年15~17日の中で変わるので、実際にお越しになる時は身延山久遠寺(0556-62-1011)に問い合わせるか、久遠寺公式サイトなどで確認されることをお勧めします。
開闢会最大の見所・御入山行列
■御入山行列
御入山行列は、総門から三門までの間を日蓮聖人や身延山に縁ある人物に扮した人々や、お上人方、纏などが練り歩き、身延山の行事の中では御会式と並んで賑やかで人気のある行事です。
団扇太鼓を叩きながらのお題目を唱えての行列は日蓮宗独特のものですし(開闢会では毎年お坊さんになる為に修行中の学生さん方が頑張っています)、馬や輿なども出る時代絵巻のような行列は外国の方々にもとても喜ばれます。
■時代行列
当日は法要では間近に見ることの出来ないお稚児さんたちも、きらきらとした衣装を身にまとい、一生懸命歩きます。
■御稚児さん
中でも注目は、お上人方の「散華」(さんげ)です。散華とは仏さまに供養するため、蓮の花びらをかたどった紙をまき散らすこと、またその花びらをかたどった紙自体をいいます。開闢会では、白い衣に夏物の茶色の袈裟をまとった身延山塔頭寺院のお上人方が、歩きながら空高く散華します。
■三門前での散華
初夏の空に色とりどりの散華が舞い散る様と、お上人方の衣装の美しさが相まって、歓声が上がり、地面に落ちた散華はお守りにする為に、ご参拝の方々に競うように拾われていきます。
散華は総門から三門までの道中の何カ所かと、行列の終着地点である三門で行われますので、是非お見逃しなく。写真を撮る事がお好きな方にはシャッターチャンスのひとつでもあります。
また、山田屋旅館さんからは身延山久遠寺の住職である法主(ほっす)さまが御駕籠に乗られ、行列に加わります。
御入山行列で見逃せない、御草庵法要
三門で法主さまのご挨拶があった後、行事が終わったと思い帰られてしまう方が多いことが毎年残念です。開闢会のメインはこの後の、日蓮聖人住居跡である御草庵法要だからです。
■御草庵法要に向かう途中
御草庵跡は日蓮聖人のお墓のある御廟所域にあり、たとえ法主さまであろうと一年に唯一この時にしか入られることのない特別な場所です。
初夏の緑が萌ゆる御廟所の一番美しい時期、長い石畳を、色とりどりの衣を身にまとったお上人方が歩かれる様はとても美しいです。
■御草庵法要
苔むした御草庵跡での法要は厳かで、参加しているこちらも、心が洗われるような気持ちになります。身延山の中でも特別な時間として、是非一度、皆さまにご覧いただきたい光景です。
御入山行列に出かける時の注意点
御入山行列当日、行列が始まる9時前には門前町は車両通行止めになる為、ご来山は午前中の早めの時間に西谷せいしん駐車場駐車場に停めるか、ゆっくりされたい方はご宿泊をお勧めします。
開闢会法要は梅雨時まっただ中とあって、雨を心配される方も多いと思いますが、たとえ雨が降っても不思議と行列が始まる直前には止むことが殆どです。日蓮聖人のご加護でしょうか…。
知り合いのお上人さんにも聞いたところ「記憶にある限りでは中止になったことは一度しかない」とのこと。今年も雨が降りませんように、と私も祈っております! お誘い合わせの上、開闢会、御入山行列に足をお運び下さいませ!