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修行体験と精進料理にこだわる身延山の宿坊・端場坊で参籠する

端場坊の白壁

 身延山の東谷を上がりきると見える、白壁の美しさが際立つ建物が身延山の宿坊、端場坊(はばのぼう)さんです。

 久遠寺まで徒歩5分と近い上、名前の通り、東谷の端に位置することから、一年を通し静かな環境が保たれています。宿坊のコンセプトも「参籠(宿坊で過ごす時間を修行のひとつとすること)らしく過ごしてもらうこと」であり、坊内には凛とした空気が漂います。各部屋はもちろんロビーなどにも無駄なものはなく、テレビもありません。

■端場坊の客室
端場坊の客室

 宿泊者と一緒に本堂で行なう夕勤(ゆうごん)では、日蓮宗の基本的なお経をお唱えした後、法話や対話の時間を設けていただけます。

約800年の歴史を持つ端場坊の歴史

 端場坊さんは鎌倉時代の武士であり、日蓮聖人の熱烈な信徒である四條金吾(しじょうきんご)公によって開基されたお寺です。この四條金吾公は武士として生活する傍ら、薬学の知識を活かし、医師としても活躍するなど多分野に渡って才を発揮されました。弘安3年(1280年)日蓮聖人のお側近くに仕えるため、現在地に庵を結び、主治医としても日蓮聖人をお支えしています。

■端場坊の本堂
端場坊の本堂

 現在の本堂(四條殿)等は平成初期に建て直されたものですが、門は四條公に因み、かつて医師の家で多く用いられたといわれる薬医門となっています。本堂の内部も天井が高く、大変立派な造りです。堂内には日蓮聖人像の他、四條金吾公御夫妻を祀っています。こちらは四條公が医師であったことから、病気平癒の御利益があるといわれています。

 身延山は多くの坊が合併や移転を繰り返していますが、端場坊さんは四條公が庵を構えられた場所から一度も移転記録がなく、歴史の息吹をそのままに感じることが出来ます。建武3年(1336)身延山第四世日善上人が端場坊六世日祥上人に授与した本尊が残されていることも、日蓮聖人が亡くなられてから54年後には造営されていたという古い歴史を物語ります。

 高台にある境内は眺めが良く、正面に鷹取山、身延山、山内宿坊で唯一七面山のガレ、遙拝所を望む事ができます。また本堂に祀られている七面大明神は、七面山本社の御神体と寸分違わぬ座像です。現住職は6年ほど七面山でお勤めされていたこともあり、七面山信仰の方にも喜ばれています。

若くして宿坊を継がれた住職のお人柄

 端場坊さんはご住職が比較的まだお若いことも、ひとつの特徴です(2019年現在42歳)。しかしただお若いだけではなく、先代が早くに亡くなられた為、22歳で住職の任に就かれ、住職歴は既に20年以上となっています。爽やかな雰囲気の穏やかなお人柄のご住職とは、幅広い年齢の方が親しみを持ってお話をすることが出来ると思います。

■端場坊の中庭
端場坊の中庭

 身延山の宿坊の中でもご住職とこうしてじっくりと時間が過ごせる坊は少ないですし、各地からの宿泊の方々が集まって一緒にお勤めや対話の時間を過ごすことで宿泊の方同士で交流が生まれたりと、楽しい時間のきっかけにもなるそうです。

 また、蔵書を増やしている最中との事ですが、日蓮宗に関する本や児童書なども置かれているブックコーナーもありますので、静かに時間を過ごしてみても良いでしょう。

 さらに特筆すべきは、端場坊さんのお食事は「参籠らしく」のこだわりのもと、出汁にも動物性のものは一切使われていません(お子様メニューとして希望があれば特別にオムライスをお出しすることが可能です)。宿坊の食事は精進料理をイメージされる方も多いのですが、身延山では特別に希望しなけれればお刺身などが出ることも多く、端場坊さんのように出汁まで植物性にこだわったお料理は珍しいです。

■端場坊の食事
端場坊の食事

車でのアクセスも良いことは、隠れた魅力のひとつ

 東谷の宿坊にお泊まりの方の利点として、桜の時期や年末年始などの混雑期にも国道52号線から繋がる県道805号線を通れば総門内の交通規制にとらわれることなく宿坊に入れます。参拝中の駐車場を確保出来るという点では、嬉しいメリットです。

 静かで日当たりが良く、夜には満天の星空が望める端場坊さんの境内で、私もボーッと時を過ごしてみたくなりました。日常から離れ参籠らしく過ごしてみたい方、お上人さんと向かい合ってお話をしてみたい方、様々な修行体験をされてみたい方には大変お勧めの宿坊です。

 ただし、ご住職のお勤めの都合などによりご宿泊の方とのお時間が取れない場合もありますので、あらかじめご確認の上、お申し込み下さい。お申し込みいただいていても、葬儀などの急な法要が入り、不在の場合もあります。くれぐれもご了承ください。

宿坊情報

宿坊情報
食事→精進料理
お守り等→各お守御札、祈願札、交通安全守り
修行体験等→夕勤(常時)、唱題行、写経、写仏、作務行、水行(希望者)
朝勤送迎→繁忙時以外は対応可能(あらかじめご相談ください)
外国語対応→英語(日常会話)
宿泊料金→8500円税別
電話番号→0556-62-0777


地図



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ライター紹介 ライター一覧

ゆる身延

ゆる身延

Facebookページ「ゆる身延」主宰。横浜出身、身延町在住。身内の供養の為に2000年頃より久遠寺に通い始め、不思議な仏縁を得て身延の僧侶と結婚。趣味で行なっていた史跡探訪等の知識を活かし、身延山の情報発信やコラムの執筆などを行なっている。

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