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身延山に古くから伝わる、ちょっと不思議な話7選

 皆さまこんにちは。身延在住のゆる身延でございます。長い歴史を持つ身延山には、不思議な話がいくつか伝わっています。今回は山梨県の身延山に伝わる不思議な言い伝えを七つ、私流にまとめてみましたので、よろしければご覧下さい。

身延山に古くから伝わる、ちょっと不思議な話7選

謎多き仁王像(三門の仁王像)

■三門に奉納された草履
身延山の三門に奉納された草履

 三門に祀られている仁王像は、相模国六浦に住んでいた六浦平次郎妙法禅門という信仰篤い人が、一昼夜で身延山まで歩いて運んできたと言われています。

 ある日のこと、妙法禅門の枕元に仁王様が立ち、自らは近くの寺の仁王像であり、身延に行って身延山を守護したいと伝えました。妙法禅門は、そのお寺にあった仁王像を身延山の三門に納めようと、寺の住職と掛け合いましたが、お寺としても大事な仁王像を簡単に渡すわけにはいきません。

 そこで囲碁の腕に自信があった住職は「囲碁の勝負に勝ったなら良い」ともちかけましたが、身延山に仁王像を納めたい一念が通じたのか妙法禅門が勝利しました。ところが納得のいかない住職は今度は「二体の仁王像を一度に運べるのなら良い」と言いだしますが、それならば、と、妙法禅門は仁王像二躰を一人で持ち上げ、一昼夜(三日三晩とも)で一人で身延山に運んでいったと言い伝えられています。事の次第を聞いて身延山の当時の法主猊下はたいそう驚き、妙法禅門に「日荷」という名前を与えました。

 日荷上人はその後、その健脚ぶりから足病平癒や健脚の信仰対象となり、今でも三門にはたくさんの下駄や草履が納められています。また、身延山の三門は建立から二度に渡り火災によって焼失していますが、不思議なことにこの仁王像は今も残り、身延山を護っています。

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 【アクセス】 身延山三門。観光案内所向かい。 

いたずら狐(お小夜橋)

■お小夜橋
身延山のお小夜橋

今は道路のようになっていてわかりづらいのですが、覚林坊さんの崖下、大乗坊さんの入り口の一段下のカーブを曲がってすぐのあたりが小さな橋になっています。

 昔、この橋の辺りで不思議な出来事ばかりが起こり、村人達は困っていました。その原因を調べようと様子を伺っていると、なんと夜な夜な狐がこの場所で通りかかりの村人や身延山の僧侶にいたずらをして、楽しんでいたことがわかりました。いつしか村人たちは狐をお小夜狐と呼び、この橋はお小夜橋と呼ばれるようになったという事です。

 身延山の暗い夜道。東谷のこの橋の辺りで不思議な体験をしたら、それはお小夜狐の仕業かもしれません。

 【アクセス】 東谷途中。久遠寺より徒歩10分ほど。

大蛇のお願い(蛇石)

■蛇石
身延山の蛇石

今から300年ほど前の話です。あるお寺のお上人の夢枕に絶世の美女があらわれ、「私はこの山に住む大蛇です。この山に千年住んだので、今度は海に住みたいと思っています。けれど、二本の桧が邪魔をして出ることが出来ないので、どうかこの木を取り除いて下さい」と懇願しました。

翌日、お上人がこの事を話すと、村人達は大蛇が暴れ出るのではないかと恐れ、桧をどかすどころか、なんと大蛇の通り道に柵をしてしまいました。

その夜、嵐のような風が吹き、大蛇が海を目指そうと姿を現しましたが、突然巨石が転がり、大蛇を下敷きにしてしまいました。以後、この石を蛇石と呼ぶようになり、可哀想な大蛇の為に供養塔が建てられています。今も巨石が残っていますが、この下に今も大蛇が眠るかどうかは知るよしもありません。

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 【アクセス】 身延山から甲府方面県道805号線沿い車で5分足らず。

道案内の狐(常護堂)

■常護堂
身延山の常護堂

 日蓮聖人御在世の折、日蓮聖人がご両親を想われて身延山山頂に登られていた途中、いつからか狐が現れて山道を案内するようになったといいます。日蓮聖人はこの狐を「常御菩薩」として、身延山の守護神としてお祀りするようになりました。

 この狐がどこから来てどうなったのかはわかりませんが、その後、奥之院には常護堂というお堂が建てられ、今もお祀りされています。目には見えずとも、奥之院へ登る人々の傍らに、今も常護菩薩となった狐が寄り添ってくれているのかも知れません。

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 【アクセス】 久遠寺から上ノ山方面身延山山頂まで徒歩で3時間程度。またはロープウェイで奥之院駅下車、徒歩5分程度。奥之院境内にあり。

盗人と大黒さま(大黒堂)

■大黒堂
身延山の大黒堂

その昔、身延山の中腹にある大黒堂の修理に呼ばれた仏具商が、その大黒天像の素晴らしさに惹かれ、夜中にこっそりと盗み出しました。

 仏具商は大黒さまを背負って一目散に山を駆け下り、離れた場所にたどり着いてほっと休憩しました。ところが休憩しているうちにうとうとと夜が明け、辺りをみまわしてみると、なんとそこは大黒堂の目の前だったのです。驚いた仏具商は、これは大黒天さまのお力と畏れおののき、慌てて大黒天像をお返しして帰ったという事です。

 日蓮聖人ご自作と伝わるこの大黒天象は、大黒堂を管理する大光坊さんにあらかじめ連絡すれば御開帳が可能です(0556-62-0578)。是非不思議ないわれのある大黒天さまにお参りしてみては如何でしょうか?

 【アクセス】 久遠寺境内から上ノ山へ徒歩1時間半程度。

絵馬から抜け出した馬(鬼子母神堂の絵馬)

■鬼子母神堂
身延山の鬼子母神堂

 今は昔、秋になるとどこからか馬が現れて、身延山のほど近く、梅平の田圃の稲を荒らしていました。村人はその馬がどこからやってくるのかわからず困っていましたが、ある日、馬の後をつけてみると、身延山にある鬼子母神堂に入っていきました。

 堂内をよく見回すと、鬼子母神堂にある絵馬に描かれている馬の足が泥で汚れています。なんと絵馬の馬が抜け出してきていたのです。村人達は身延山の当時の法主猊下にお願いして、馬を封じ込める祈祷をしてもらったところ、それ以来、稲は荒らされなくなったという事です。

 絵馬は今も大切に保管されています。

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 【アクセス】 身延山から上ノ山へ徒歩20分程度。

柿の葉の書籍

■文殊稲荷
身延山の文殊稲荷

昔々の事、身延山の檀林(お坊さんの学校)で熱心に法華経を学ぶ若い僧侶がいました。あるとき、その僧侶の部屋を指導僧が覗くと大きな狐が寝ているではありませんか。

 狐は法華経を学びたい一心で僧侶に化けていた旨を指導僧に語りましたが、「狐とわかってしまった以上、もう檀林にはいられません。今までのお礼として、お釈迦様が法華経を説く様子を皆さまにご覧に入れます。しかし有難いと拝んでしまうと術が解けてしまうので、拝んではいけません」と言いました。

 その夜、人々が集まり狐の僧が呪文を唱えると、当時のインドの様子とともにお釈迦様が法華経を説く姿、大法塔が宙に浮かんだその時、人々が思わず手を合わせお題目を唱えると、すべてが一瞬のうちに消えてしまいました。

 その後、姿を消した狐の部屋に積まれた書籍はすべて柿の葉となっており、この葉は「柿の葉書籍」といわれ、明治維新まで保存されていたと伝わっています。この狐の僧侶は円台坊の文殊稲荷だったと言われており、今も学業成就の神様として祀られています。

 【アクセス】 三門をくぐり女坂方面へ徒歩5分程度。

ということで、、、

 身延山に伝わる七つの不思議なお話、如何だったでしょうか? 身延山は山梨県の南西部、位置的には富士山の西側にあり、日蓮宗の総本山・久遠寺を中心にした町です。

 今回ご紹介しきれなかったお話も、いくつかあります。歴史が深ければ深いほど、不思議な話も生まれるものです。けれど霊山としての長い歴史とは裏腹に、おどろおどろしい話は(少なくとも私の知る範囲では)聞こえてこない身延山です。

 日蓮聖人の魂が棲まわれるとされるこの地は、見えない力に護られているのかも知れません。


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ゆる身延

ゆる身延

Facebookページ「ゆる身延」主宰。横浜出身、身延町在住。身内の供養の為に2000年頃より久遠寺に通い始め、不思議な仏縁を得て身延の僧侶と結婚。趣味で行なっていた史跡探訪等の知識を活かし、身延山の情報発信やコラムの執筆などを行なっている。

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