新京極の商店街を歩いて回る寺社巡りコース(錦天満宮、誓願寺、本能寺など)
京都河原町駅のそばにあり、三条通から四条通までの南北をつなぐ新京極通りは、魅力的なお店が多数集まる京都でも有数の商店街です。こちらはもともと豊臣秀吉が多くの寺院を集めたことに伴い、境内が縁日の舞台として利用されるなどして発展しました。このため様々なお店に並んでお寺や神社も建っており、多様なご利益スポットが集まっています。
そこでここでは買い物&散策が一緒に楽しめる新京極通りの寺社情報を、一気にまとめて紹介します。
新京極の商店街を歩いて回る寺社巡りコース
新京極の商店街にあるおすすめ寺社
ここでは上の地図を元に、南から北に歩いた順番でそれぞれの寺社を紹介します。
安産祈願の『染殿院』
染殿院は大同3年(808)に弘法大師・空海が開いたお寺です。新京極商店街の南端にあり、お店の間を抜けるように入口があります。また林万昌堂という甘栗専門店の店内を抜けてもお寺に入れる、ちょっと変わった立地です。
そしてこちらのお寺は、安産を守るお寺として信仰されています。これは子宝になかなか恵まれずにいた文徳天皇の后が願掛けしたところ、ご懐妊されたことからご利益が伝わるようになりました。
学業成就の『錦天満宮』
天神様と言えば学問の神様・菅原道真公をお祀りしている神社です。こちらはその父親の菅原是善が住んだ菅原院に由来を持つ神社です(当時の場所からは移転しています)。
こちらの境内には撫で牛が鎮座していて、学業成就や合格祈願される方が身体をなでて一生懸命に願いをかけられていますよ。
病気平癒の『蛸薬師堂 永福寺』&『虎薬師 西光寺』
薬師如来と言えば薬の壺を手に持った病気平癒の仏様です。しかしこちらは昔、あるお坊さんが病気の母親から「蛸(たこ)を食べたい」と言われて市場で買ってきたものの、「僧侶が生臭を買ったのか」と人々から問い詰められたところ、蛸が八軸の経巻になって難を逃れた話が伝わっています。
その後、経巻は蛸に戻って光を放ち、母親の病気も治したことから、このお寺は蛸のお薬師様と呼ばれるようになりました。ちなみに3軒隣には、虎薬師と呼ばれる西光寺もあります。
恋愛成就の『誠心院』
平安時代を代表する歌人の一人、和泉式部(いずみしきぶ)が初代住職を務めたお寺です。境内には和泉式部の墓と伝えられる宝篋印塔や歌碑が建てられています。
また入口にある「鈴鳴り輪(すずなりぐるま)」は、願い事をしながら回すと良いそうです。情熱的な恋歌の名手ゆかりのお寺ですし「恋授け」と書かれていたので、恋愛には大きな後押しが頂けるかもしれません。
女人往生の『誓願寺』
清少納言、和泉式部、秀吉の側室・松の丸殿が帰依したことから、女人往生の寺として知られています。こちらは本堂に上がってお参りすることができますが、正面に安置されているご本尊の阿弥陀如来座像は約6.5メートルもある巨大な仏像です。
また本堂の右側奥に安置されている一言観音菩薩は、人々の願いを一言で叶えて頂けると云われています。
身代わり地蔵の『矢田寺』
矢田寺のお地蔵さまはこのお寺を開いた満慶(まんけい)上人が地獄で亡者を救うお地蔵様と出会い、その姿を彫らせたものと伝わっています。高さ約2メートルの立像で炎に包まれた姿をしており、人々の苦しみを代わりに受けてくださる代受苦地蔵と呼ばれています。
地獄の風景が描かれた絵馬や、フェルトでできた手作りの地蔵守りなどもあり、お地蔵様の強さと優しさが伝わってくるようなお寺ですよ。
災難除けの『本能寺』
法華宗本門流の大本山であり、織田信長が最期を遂げた「本能寺の変」で有名なお寺です。境内には信長の自刃後、三男信孝の命によって建てられた信長のお廟があります。
本能寺の「能」という字は、焼き討ちにあったことから火(ヒ)を嫌って右側に「去」と書きます。また境内には本能寺の変後に移植され、天明の大火(1788)で猛火に襲われた時、水が噴き出て人々を救ったと言われる火伏せのイチョウがありますよ。
新京極の商店街
新京極にはここで紹介した以外にも、魅力的な寺社があります。また冒頭にも書きましたが、たくさんの魅力的なお店が並んでいて、買い物や食事で回るのも楽しい場所です。
ぜひ京都に行ったら、ぶらっと歩いてみてはいかがでしょうか?