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京都の木造建築大きさランキングトップ10

 京都の寺社には多くの伝統的な木造建築がありますが、その中でどの建物が大きいかを調べてみました。ただ大きいと言っても基準はいろいろあるので、今回は面積(幅×奥行)で算出しています。

 高さも含めて体積にした方が感覚値として近いかもしれませんが、屋根の一部だけ高い場合もありますし、そもそも高さが分からない(測られていない?)建物もあります。またちょっと悩ましいのが清水寺の本堂で、舞台を支える崖下の柱まで計算に入れるとちょっと数値がバグりそうです。

 このため今回は面積でランキングしてみました。あくまで一つの条件下なので、他の条件では順位が変わる可能性があることをご了承ください。ただほーりーはトップ10を全て見ていますが、極端にL字型の建物はなかったので、それなりには公平性のある順位になったと思います。

 そんなわけで前置きが長くなりましたが、京都の木造建築ランキングです。

京都の木造建築大きさランキングトップ10

1位 東本願寺の御影堂

東本願寺の御影堂

 京都で最も大きな木造建築物は、東本願寺の御影堂(ごえいどう)です。幅76m、奥行58m、高さ38mあり、面積では4408㎡となります。蛤御門の変で焼失した後、 明治28年(1895)に再建され、重要文化財に指定されています。

 浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の御真影(ごしんねい)が安置された、東本願寺の中心となる建物です。京都駅から歩いてもすぐ行ける場所にありますし、特別な時でなければ中に入ってお参りすることもできます。また朝のお勤めにも参列も可能なので、京都に行ったらぜひお参りをお勧めしたいお堂ですよ。

2位 西本願寺の御影堂

西本願寺の御影堂

 京都の木造建築ランキング第2位は、西本願寺の御影堂(ごえいどう)です。幅62m、奥行48m、高さ29mあり、面積では2976㎡となります。東本願寺の御影堂と同じく浄土真宗の宗祖・親鸞聖人を称えたお堂で、木像が安置されています。

 大きさ的には東本願寺に1位を譲りますが、こちらは寛永13年(1636)に再建されたもので国宝に指定されています。またこちらも中をお参りしたり、朝のお勤めに参列したりできるので、京都旅行を満喫したい方は早起きしてお参りするのもいいですよ!

3位 蓮華王院(三十三間堂)の本堂

三十三間堂の本堂

 第3位は三十三間堂の本堂です。こちらは千体もの千手観音像が並ぶ圧倒的な光景に目を奪われますが、その仏像が安置されている建物自体も特徴的で、国宝に指定されています。

 何よりすごいのは、ひたすら正面から見た幅が長いことです。幅120m、奥行22m、高さ16mあり、面積では2640㎡となります。この長さを生かして行われるのが通し矢で、昔はこのお堂の軒下で端から端まで矢を放ってその腕を競っていました。

 現在はさすがに軒下では行われませんが、毎年1月に約2000人もの弓道家が参加してお堂のすぐ真横で矢を射る、大的大会が行われています。

4位 東本願寺の阿弥陀堂

東本願寺の阿弥陀堂

 第4位は再び東本願寺のお堂がランクインです。阿弥陀堂は第1位の御影堂と並んで建っていて、幅52m、奥行47m、高さ29mあり、面積では2444㎡となります。こちらも明治28年(1895)に再建され、重要文化財です。

 浄土真宗は南無阿弥陀仏と称えるお念仏を大切にしている宗派ですが、その阿弥陀如来を安置しているのがこちらの阿弥陀堂です。

5位 西本願寺の阿弥陀堂

西本願寺の阿弥陀堂

 第5位は西本願寺の阿弥陀堂です。幅45m、奥行42m、高さ25mあり、面積では1890㎡となります。こちらは宝暦10年(1760)に再建された建物で、国宝に指定されています。

 1~5位のうち東西本願寺の御影堂・阿弥陀堂だけで4つを占めてしまった形になりますが、この2カ寺は形がよく似ています(ただ御影堂・阿弥陀堂の並びは左右が逆です)。大きさの東本願寺と国宝の西本願寺。距離的にも近いので、両方をお参りして見比べてみるのも面白いと思います。

6位 知恩院の御影堂

知恩院の御影堂

 第6位は浄土宗の総本山・知恩院の御影堂(みえいどう)です。幅45m、奥行35m、高さ28mあり、面積では1575㎡となります。寛永16年(1639)に徳川3代将軍家光公によって建てられ、国宝に指定されています。

 こちらも中に入ってお参りしたり、朝のお勤めに参列することが可能です。また軒下に江戸時代初期に活躍した伝説的な名工・左甚五郎が置いたとされる忘れ傘があったり、大扉には蝉や亀をかたどった落とし金の意匠があったり、小ネタも多いお堂ですよ。

 ちなみにとてもややこしいですが、東本願寺と西本願寺の御影堂は「ごえいどう」と読みますが、知恩院では「みえいどう」と読みます。それぞれ何度もお参りしているほーりーでも、どちらの読み方だったか混乱することがあります。

7位 知恩院の三門

知恩院の三門

 第7位は知恩院の三門です。ここまでは全てお堂でしたが、門としては最上位のランクインです。幅50m、奥行23m、高さ24mあり、面積では1150㎡となります。元和7年(1621)、徳川2代将軍秀忠公の命で建立され、国宝に指定されています。

 お寺の正門は通常、「山門」と書かれることが多いです。 しかしこちらは同じ「さんもん」と読みますが、漢字では「三門」と書きます。これは悟りに通ずる三つの解脱の境地を表わす三解脱門(さんげだつもん)を意味しているためです。

 またこの三門自体はいつでも通ることができますが、上層部は通常は非公開です。ただ特別公開される時期があり、内部は宝冠釈迦牟尼仏や十六羅漢像(それぞれ重要文化財)が安置されているので、タイミングを合わせてお参りするのもおすすめですよ。

8位 清水寺の本堂

清水寺の本堂と紅葉

 第8位は清水寺の本堂です。幅36m、奥行30m、高さ18mあり、面積では1080㎡となります。ただ一体となっている舞台は幅18m、奥行き10m、高さ13mあるので、こちらも含めたら順位が2つほど上がります。

 このお堂の特徴はやはり「清水の舞台から飛び降りる」ということわざで知られるように、崖の上に建てられた特殊な造りです。「懸造り(かけづくり)」と呼ばれる伝統的な工法で、寛永10年(1633)に徳川3代将軍・家光公の寄進によって再建されました。日本の建築史的にも貴重な建物で、国宝に指定されています。

 通常は内陣と内々陣には入れませんが、特別な法要や公開時などには奥に入ってお参りできます。また人気観光地なためいつも人が多くいますが、朝の6時から拝観可能なので早朝に出かけるとゆっくりお参りすることができます。

 それとこぼれ話ですが、本堂から貼り出した舞台は4階建てビルの高さに相当します。江戸時代にはここから234人が飛び降り、死亡者は34人で生存率は約85%とのことです。

9位 東福寺の禅堂

東福寺の禅堂

 第9位は臨済宗東福寺派の大本山・東福寺の禅堂です。幅42m、奥行22m、面積では924㎡となります。1347年に再建された日本最古で最大の、中世から遺る唯一の坐禅道場です。重要文化財にも指定されています。

 このお堂の高さデータは見つかりませんでしたが、平屋なのでそれほど高くはありません。ただ往時にはこちらで400人以上が修行したとのことで、その大きさが偲ばれます。

 またこの禅堂のすぐ側にある本堂は幅41m、奥行30m、高さ26mあり、面積では1230㎡となります。禅堂よりも大きいですが、こちらは昭和9年(1934)に建築された比較的新しい建物(それでも100年近く経っていますが)なので、ランキングからは外させて頂きました。

10位 教王護国寺(東寺)の金堂

東寺(教王護国寺)の金堂

 第10位は真言宗総本山・教王護国寺(東寺)の金堂です。幅34m、奥行18m、面積では612㎡となります。慶長8年(1603)に豊臣秀頼によって再建され、国宝に指定されています。

 古色を帯びた瓦が美しく、軒下の組物も技巧が凝らされ、寺院建築の魅力がたっぷり詰まった建物です。

 また東寺と言えば多くの国宝仏像が並んだ立体曼荼羅が有名ですが、そちらは隣の講堂に安置されています。こちらは東寺の本堂であり、ご本尊の薬師如来と脇侍の日光・月光菩薩、そして本尊台座には十二神将が並んでいます。特に薬師如来は高さ2.88mもある巨大な仏像ですよ。

と、いうことで、、、

 今回は京都の木造建築ランキングを紹介しました。いろんな本やウェブサイトを参考にしながら調べましたが、まだまだ抜けはあるかもしれません。実はこちらの方が大きいのではという建物があればこっそり教えて頂けると、こちらのページも更新されていくかもしれません。



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寺社旅研究家のほーりーが立ち上げた、宿坊研究会の編集部。日本全国300件以上の宿坊を紹介し、宿泊者の体験談も多数掲載! 全国の座禅会・写経会・精進料理などの寺社体験もレポートしています。

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