宿坊を選ぶ参考に、様々な修行体験一覧
宿坊ではお寺や神社ならではの、様々な仏教・神道体験が行えます。こうした体験に参加できることは、宿坊の大きな魅力でもあります。ただし宗派や個々の宿坊により、行えることには違いがあります。
そこでここでは宿坊で行える、代表的な修行体験をまとめて紹介します。実際に宿坊でどんなことをしたいか、考える参考にご利用くださいね。
宿坊で行える様々な修行体験
朝のお勤め

多くの寺社では早朝に、お勤めや朝拝が行われています。そして宿坊では宿泊者もこれらに参加することができます。
朝のお勤めは一日の始まりを告げる儀式です。お寺では日々生きることへの感謝や先祖供養、自己の研鑽や平穏無事など、様々な祈りを込めてお経が唱えられます。また神社では神前で身を清め、同じく祈りを込めて祝詞が読み上げられます。それぞれ神様や仏様への、朝の挨拶と言えるかもしれません。
早起きする必要はありますが、早朝の厳粛な空気はいつも以上に身を引き締めてくれます。宿坊に泊まったら、ぜひ朝のお勤めに参加してみてください。
座禅(坐禅)

座禅は主に禅宗(曹洞宗・臨済宗・黄檗宗)や天台宗のお寺で行われている修行です(天台宗では止観とも呼ばれます)。
お坊さんの生活では、何時間も坐って身動きすれば警策で叩かれるような厳しい場面が想像されるかもしれません。しかし宿坊では初心者向けで、気軽に体験することができます。
座禅は姿勢と呼吸を調えることで、心が調うと言われています。そして静かにゆっくり坐っていると、心が穏やかな気持ちになります。身体が固くて足が組めない方は、あぐらや正座、あるいは椅子を使ってなど無理せず行うことも可能です。
阿字観

真言宗では阿字観と呼ばれる瞑想が行われています。こちらは坐り方は座禅と似ていますが、目の前に月の中に梵字が描かれた掛け軸を置くことに特徴があります。
また座禅は心を空っぽにして無になることを目指すとも言われますが、阿字観は逆に心の中をできるだけ良いもので満たすようにイメージします。
こちらも背筋を伸ばしてゆっくり呼吸することで、気持ちがリフレッシュしていきますよ。
写経

印刷技術がなかった時代、経本を増やすには書き写すしか方法がありませんでした。そしてお経を書くことは功徳があるとして、現代でも修行の一つとして行われています。
宗派によって使われるお経は様々ですが、最もよく見るのは般若心経です。人によっても変わりますが、早い人で30分、ゆっくり丁寧に書くと90分ほどかかります。
そして写経は最後にお願い事を書くことが一般的です。ぜひ叶えたいことがある方は、心を込めて写経してみてください。
写仏

写仏は仏様の絵を描く修行です。こちらも写経と同じく、描き写すことで功徳が得られます。
写仏はお手本も様々ですが、多くはそのお寺のご本尊や関連する仏様が用意されています。また細かく描かれたものもあれば、デフォルメして単純化された絵もあり、かかる時間もそれぞれです。
描き方自体はどこから描いてもよいですが、目の部分だけは最後に描くようにと言われることも多いです。
滝行

滝行が体験できるお寺や神社は、日本の中でも少数です。それが宿坊でとなると数はさらに限られますが、それでも挑戦してみる価値があります。
滝行には大きく分けると、禊と修行の二つの意味があります。日本神話には黄泉の国に入った伊弉諾尊が、川で身体を洗い清めた話があります。このため水は古来より、穢れを払う力があるとされました。また修験道では霊山で滝に打たれることで、神仏や自然と一体化する修行が行われています。
自然の滝は夏でも冷たく、身体に負荷がかかります。爽快感もありますが、行う時は指導者の言葉をしっかり守るように心がけましょう。
水行

日蓮宗のお坊さんは、真冬に100日間お堂にこもり、毎日7回水行をする大荒行を行っています。そしてこの水行を初心者でも体験できるお寺や宿坊があります。
お経を唱え、手桶に水を汲んで頭上に持ち上げ、一気に水をかぶります。これをしばらく繰り返すと、冷たさの中にも身体と心が清められていくような気がします。
一回でもハードな修行を100日間続ける大変さを想うと、お坊さんの凄みもより感じやすくなるものです。
精進料理

精進料理は仏教の精神を表した食事です。殺生を戒める教えから肉や魚は用いず、野菜もできるだけ無駄を出さないように、むいた皮まで可能な限り調理します。また修行の妨げになることを防ぐため、ニンニクやニラなど臭いの強い野菜も禁止されています。
さらに精進料理には食事をする方のことを想い、向上心を持って料理に取り組む大切さも説かれています。このため制約が多い中でも工夫が凝らされ、独創的な料理も多数登場します。
しかし精神性の高い食事だからこそ、おいしいだけでなく食への感謝や日々の生活を振り返る機会になります。手を合わせてゆっくりと食事と向き合い、一口一口味わって頂きましょう。
作務

作務とは「務めを作(な)す」という意味で、お寺での労働を表す言葉です。坐禅が静の修行と呼ばれるのに対して、作務は動の修行とも言われています。
修行中のお坊さんは料理をしたり、畑を耕したり、大工仕事など、日常的な修行として様々な作務を行っています。しかしその中でも代表的なものの一つが掃除でしょう。
宿坊ではそれほど多くありませんが、心を見つめる体験として作務がプログラムの一つに用意されていることもあります。
またせっかく寺社に泊まるのであれば、チェックアウト前に少しだけ部屋を片付けるなど意識してみるのも良いのではないでしょうか。
巡礼

宿坊単体ではなく、幾つかの宿坊に泊まりながらお寺を巡る巡礼コースがあります。その中でももっとも有名なものは、四国八十八カ所霊場でしょう。
白装束で笠をかぶり、杖をついて札所を回るお遍路が泊まる宿として、今も複数のお寺で宿坊が開かれています。
その中にはお遍路の基礎知識やお経の読み方を教えて頂けたり、遍路用具を販売されているところもあります。四国で遍路旅を行われるときは、こうした宿坊に泊まるのもおすすめです。
その他
他にも僧・尼僧体験、神道体験、五体投地、修験道体験、断食など、様々な寺社体験が行えます。
是非あなたも、宿坊に泊まってみませんか?

