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身延山久遠寺から徒歩5分の歴史スポット。本地堂とゼイムスの墓

 皆さまこんにちは。身延在住のゆる身延です。今回は久遠寺境内からすぐの場所にありながら見過ごされがちな、本地堂と甲比丹(カピタン)ゼイムスの墓についてご紹介します。

 久遠寺をお参りの方の中で、上ノ山(身延山山頂まで至る途中の山)をご存じの方はどれだけいらっしゃるでしょうか。今はロープウェイで奥之院のある山頂まで登ることが出来ますが、かつてはこの山道を登っていました。この上ノ山にこそ、身延山の「山中の寺院」たる魅力がたくさん詰まっています。

 久遠寺本堂のすぐ裏手にまわるとロープウェイ乗り場に続く整備された「南天の道」があり、その脇にある上り坂が上ノ山への入り口です。

■上ノ山への入り口
身延山上ノ山への入り口

 坂の入り口を見ると思わず怯みそうになってしまいますが、ご安心下さい。今回ご紹介する本地堂と甲比丹ゼイムスの墓は登り口から徒歩5分程の場所にあります。坂を上りはじめ、つづら折れのカーブを一つ曲がると眼前にすぐ美しい本地堂の姿が見えてきます。

 そして本地堂の前から見える山々の景色や久遠寺諸堂は、なんとも言えません。境内からわずか5分でこの美しい建物と景色を見られるのであれば、是非見逃さずにお参りしていただきたい場所です。

■本地堂から見える景色
身延山本地堂から見える景色

 本地堂は国の登録有形文化財に指定されており、二階建てのように見える珍しい楼造の構造です。久遠寺境内に建ち並ぶような大きなお堂ではありませんが、その屋根組みの美しさには思わず見とれる程です。

 本地堂は建造物としての素晴らしさの他にも、身延山全体として重要な役割を持ちます。本地堂は別名「上行堂」とも呼ばれ、お釈迦様が法華経の流布を託した四菩薩の内のひとり、上行菩薩を祀っており、日蓮聖人はこの上行菩薩としての宗教的自覚を持って布教されたと言われています。

■本地堂と甲比丹(カピタン)ゼイムスの墓
身延山本地堂と甲比丹(カピタン)ゼイムスの墓

 上ノ山をさらに登ると、一丈六尺のお釈迦様像を祀る丈六堂というお堂があります。この丈六堂と、本地堂、久遠寺境内の祖師堂は一直線に並ぶ配置になっています。上から順番にお釈迦様 → 上行菩薩 → 日蓮聖人という構図になっているわけです。

■甲比丹(カピタン)ゼイムスの墓
身延山甲比丹(カピタン)ゼイムスの墓

 本地堂のすぐ隣にあるのが甲比丹ゼイムスの墓です。ともすると見逃してしまいそうな簡素なお墓ですが、日本海軍発展に大きな功績を残したといわれる熱心なイギリス人日蓮宗信者ジョン・M・ゼームスがこの場所に眠ります。

 慶應2年(1866)28歳で来日したゼイムスは、明治5年(1872)には政府に請われて海軍省に入省し、操船や測量などの技術指導にあたりました。生前身延山にも三度参詣し、「死後は身延に墓を」という遺言を残した為、現在の場所に葬られることになりました。

 現在も東京の南品川(大井町)には「ゼームス坂」という坂があります。この付近に邸宅を設けていたゼイムスが、あまりの急坂に苦労する人々を見て、私費を投じ緩やかな坂に改修したという逸話があります。「浅間坂」という名前だった坂は、それ以来「ゼームス坂」と呼ばれるようになり、敵性語が禁止されていた戦時中ですらその名の変更がされなかった程、ゼイムスは地域住民に愛されていたといいます。

 1800年代、激動の日本の海軍の礎を作ることに携わったイギリス人甲比丹ゼイムスが、身延山に眠っていることを知る人はどれだけいることでしょうか。坂本龍馬とも交流があったというゼイムス。歴史に想いを馳せて、是非お参りにいらして下さい。

 なお、ここからさらに登ると上ノ山にはたくさんのお堂、史跡があります。上ノ山は身延山の歴史が感じられる密度の濃い空間です。山頂まではゆっくり歩いて3時間ほど、1153mの山です。上まで歩かれる方は、準備、装備を調えてから山に入って下さい。もちろん、車や自転車では入山禁止なので(住民や仕事の方以外)、車両では入らないよう、お願い致します。

 ともあれ、本地堂、甲比丹ゼイムスの墓までは気軽にお参りすることの出来る距離です。本地堂の美しさ、久遠寺境内を裏側から見下ろす眺めは坂道を上った人にしか見られないものです。 久遠寺境内から往復しても20分たらず。是非足を伸ばしてみて下さい。


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ゆる身延

ゆる身延

Facebookページ「ゆる身延」主宰。横浜出身、身延町在住。身内の供養の為に2000年頃より久遠寺に通い始め、不思議な仏縁を得て身延の僧侶と結婚。趣味で行なっていた史跡探訪等の知識を活かし、身延山の情報発信やコラムの執筆などを行なっている。

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