すぐわかるお経の心(大角修)
すぐわかるお経の心
大角修 著 Amazonで購入 |
宿坊旅行をしていると、朝のお勤めでお経を耳にすることが良くあります。また写経をすれば、大抵書き写すのは般若心経です。お葬式や法事などでも、お経は唱えられるでしょう。
しかしお経の意味を理解している方は、果たしてどれほどいるのでしょうか。ほとんど意味不明の難解な言葉、 難しい漢字の並ぶ謎の呪文。多分、多くの方がそんな印象を持たれているのではと思います。
本書はそんなお経をなるべく分かりやすく解説しようと試みた本です。良く読まれるお経について、どのような場面で読まれているか、どんな宗派で良く読まれるか、その意味や要旨、心といったことが解説されています。
特にこの本の優れたところは、お経の一行一行に対して、漢文の読み下しが添えられているところです。これにより、お経のどの部分でどんなことを言っているかが、すぐにわかるようになっています。また難しい言葉には注釈が付けられ(お経は難しい言葉ばかりなので、注釈だらけですが)、読み下しを読みながら意味を追えるのも、理解しやすいポイントです。
お経は完全に理解しようと思えば、きっと途方もなく大変でしょうが、このような本で概略だけでも知っておくと、実際に耳にしたときの感じ方が変わってきます。「あ、この部分は知ってる!」という箇所が少しでも出てくれば、お経も楽しくなるものです。
単なる教えや祈りの言葉だけではなく、時には仏様の途方もない身体の大きさや輝きをうたっていたり、羅刹や毒竜に襲われても負けない力を宣言していたり、さらには仏様の住む宝石で彩られた極楽世界の話だったりと、お経は内容自体も突飛で楽しかったりします。
お経と言うだけで難しそうと敬遠したりせず、一度こんな本も読んでみてはいかがでしょうか。きっとあなたの旅を、豊かにしてくれるものと思いますよ。