やさしい「禅」入門(立松和平 南直哉ほか)
やさしい「禅」入門
立松和平 南直哉 著 Amazonで購入 |
坐禅を始めるきっかけは、人それぞれだと思います。
自己啓発を目指して始めた人。仕事や人間関係に迷い、自分探しに取り入れた人。健康法の一つとして、ちょっとした興味から、あるいは知り合いに誘われて。同じ坐るという行為にも、それぞれ多くの想いが詰まっています。
しかし坐禅とはただ坐ることであり、それ以上でも以下でもありません。本書では曹洞宗の大本山永平寺での修行風景や坐禅方法、精進料理や禅に関する思想を通して、禅とは何か? という疑問に易しくかつ本質を突いた回答を試みています。
特に永平寺で19年に渡る修行生活を送り、現在は東京『青松寺』坐禅指導を行っている南直哉さんのインタビューは、南さんの体験に根ざした分かりやすい禅解説と、それを引き出すインタビュアーの深く掘り下げた会話で成り立ち、素人ながらも読み進めて理解できる秀逸な内容となっています。
また永平寺の体験禅をレポートした素人参禅記は親しみやすくてためになり、「禅」とは何かを手探りしている方にはお薦めの一冊です。
坐禅の坐り方やその作法を学びたいと思ったら、豊富な写真と解説がためになります。そして禅について知識ゼロから知りたいと思ったら、本書はあなたに実践的なヒントを紹介してくれる良書です。