すごい真言

　真言とは仏様の言葉です。大日如来であれば「オン バザラダト バン」、聖観音菩薩であれば「オン アロリキャ ソワカ」といったように、仏様ごとにこの真言は決められています。

　聖なる言葉であり、音そのものに神秘的な力が宿っているとされ、お寺をお参りしているとご本尊の前にこの言葉をお唱え下さいと立てかけられているものを見ることもあるでしょう。

　しかし真言とは何なのか。これは深すぎて、私たち一般の人間にはあまり語られることはありません。そうした謎めいたこの言葉を初心者向けに丁寧に解説したのが、この『すごい真言』です。

　著者の小瀧宥瑞さんは高野山真言宗の阿闍梨（密教僧）であり、蓮乗院というお寺の住職です。これまで真言や仏様のことを伝えるイベントを開かれたり、『日本の密教カード』というオラクルカードも作られています。

　そしてこの本では真言を分かりやすくイメージするため、仏様のイラストも多数描かれていますが、その絵を担当されたのは同じく真言宗の尼僧であり漫画家でもある悟東あすかさんです。

　そんなわけで真言宗のお坊さん二人による真言を紹介した珍しい本ですが、今回は小瀧宥瑞さんからメッセージも頂いたので紹介します。

小瀧宥瑞さんからのメッセージ

　この度『すごい真言』を上梓致しました。タイトルの通り「真言」を中心に書いた本になります。

　皆さんがお寺へお参りする時、仏様と向かい合った時に真言をもっと身近なものにしてもらいたいと想って書きました。単純に真言を翻訳するのではなく、僧侶に伝わっている意味を意識しました。

　私なりの一つの想いがあり、真言を解説する本ではありますが、「解説しすぎない解説書」を書かせていただいたわけです。仏様それぞれに真言があるので、たくさんの仏様にふれております。掲載した仏様は有名な仏様から珍しい仏様まで、はじめて知る仏様もおられるはずです。

　イラストは修行同期でもある尼僧の悟東あすかさんに仏様を描いていただきました。共に修行した仲間と出版できた事にとてもうれしく想っています。是非手に取っていただけると幸いです。

　合掌

　牧野山蓮乗院
　小瀧　宥瑞