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「給仕第一」日朗上人の心が生きる、身延山の宿坊・竹之坊

身延山の宿坊・竹之坊

皆さまこんにちは。身延在住のゆる身延です。今回は身延山の宿坊のひとつである竹之坊さんのご紹介です。

身延山の壮大な三門をくぐり、少し歩を進めると、左手に見えるのが竹之坊さんの山門です。参拝客が行き交う三門の裏手にありながら、竹之坊さんの境内に一歩足を踏み入れると、流れる空気の静けさに思わず背筋を正したくなります。

竹之坊さんは、日蓮聖人が定めた六人の直弟「六老僧」の内のひとり、日朗上人が開基のお寺です。日朗上人は、神仏や師僧に対して掃除や身の回りの世話をすることで自らの修行のひとつとする「給仕」をとても大切にされた方。日蓮宗で「給仕第一」と言えば、まず日朗上人が思い浮かぶ程です。

それを証明するかのように、身延山内には日朗上人が日蓮聖人にお水を給仕したという伝承の残る井戸や湧水がいくつか残っています。

日蓮聖人御入滅後、日朗上人は日蓮聖人の御真骨をお守りするために御廟所近くに坊を構えて生活をされました。

その後、鎌倉の比企谷妙本寺を拠点に布教活動を行い、現在の大田区池上にあたる池上宗仲邸では土地を寄進され、池上本門寺の基礎を構築。妙本寺と池上本門寺の貫首を兼任します。

日朗上人は、日蓮聖人亡き後も、その教えを世に広めようと、布教に邁進したのです。それも日蓮聖人への給仕の形のひとつのように感じます。

「給仕第一」の心が根付いた宿坊・竹之坊の魅力

■宿坊・竹之坊
宿坊・竹之坊

さらに最初に述べましたとおり、竹之坊さんは身延山の宿坊のひとつでもあります。坊内の床は美しく磨き上げられ、窓硝子にも曇りひとつありません。良い意味で年月を重ねた建物の美しさが感じられる建物です。

客室も大変綺麗で、特に個人の参拝客向けによく使われているという三部屋の個室は、宿坊には珍しい洗面台とお手洗いがついたお部屋です。女性やご高齢の方には、とてもありがたい造りになっていました。

■竹之坊の客室
竹之坊の客室

陽が良く当たる縁側は、木々の合間から三門の裏側がよく見える特等席です。私もついつい「ああ、ずっとここに座って三門を眺めながら物思いに耽りたいなあ」と、思ってしまいました。

坊内の至る所には、ご住職が趣味で集められているという美術品が置かれており、建物の端々の凝った造りも含め、目の保養になります。壁にかけられた絵画も季節ごとに変えられているそうですので、美しい物がお好きな方には四季折々の庭の花々とともに、竹之坊さんはとてもお勧めの宿坊です。

また、お食事も出来る限り手作りのものにこだわり、お味噌も何十年も手作りし続けているのだそうです。

坊内を案内していただきながら、鏡のように磨き込まれた床を私などが踏みしめるのが勿体ないような気がして、一瞬足を止めました。「給仕第一」。日朗上人のお心が竹之坊さんには根付いている気がしたからです。

三門のすぐ裏手、菩提梯へと続く参道のすぐ脇という好立地ながら、美しく整えられた環境で静かに物思いに耽りたい方は、是非竹之坊さんにお参り、宿泊されてみては如何でしょうか(坊内は基本的に宿泊の方のみのご案内になります)。

■竹之坊は紅葉の美しさも有名
竹之坊の本堂と紅葉

ちなみに竹之坊さんには、咳止めの秘妙符があります。弘安元年、百日咳が流行し、たくさんの人々が苦しんでいた事を知った日蓮聖人が、日朗上人に秘伝の咳止めの作り方を教えたのが始まりといわれるもので、咳にお困りの方はいただいてはよろしいのではないでしょうか。

宿坊情報

食事→手作りにこだわった和食。七面山などに登る為に特別に精進料理を希望する方には応相談。
お守り等→咳止め秘妙符
修行体験等→現在はなし
朝勤送迎→車の運転が出来るスタッフがいる場合は可能(希望の場合は要問い合わせ)
外国語対応→英語、ラオス語(外国語対応スタッフがいない場合もあるので、要問い合わせ)
宿泊料金→8500円税別
電話番号→0556-62-0013


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ライター紹介 ライター一覧

ゆる身延

ゆる身延

Facebookページ「ゆる身延」主宰。横浜出身、身延町在住。身内の供養の為に2000年頃より久遠寺に通い始め、不思議な仏縁を得て身延の僧侶と結婚。趣味で行なっていた史跡探訪等の知識を活かし、身延山の情報発信やコラムの執筆などを行なっている。

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