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妙心寺東林院(京都市)の宿坊・精進料理【くちコミ付き】

妙心寺東林院

基本情報

妙心寺東林院(京都市)

電話  :075-463-1334
住所  :京都府京都市右京区花園妙心寺町59
アクセス:・JR嵯峨野線「花園駅」下車、徒歩10分
     ・市バス「妙心寺前」下車、徒歩7分
時間帯 :チェックイン15時。チェックアウト10時。
収容  :客室10室。最大40名。
【宿坊】
朝食付き4700円
一泊二食6000円

【精進料理】
精進料理 3000~8000円

【精進料理教室】
精進料理教室 3000円


特徴・見所

 妙心寺の塔頭寺院で、沙羅双樹の庭で有名な宿坊です。普段は公開されていない(限定公開期間あり)この庭を、宿泊者は見ることが出来ます。また、精進料理を予約して頂くこともできます。ここの住職さんは精進料理の本を数多く執筆しており、料理の世界でも有名な方です。夕食は花園駅付近や北門周辺に行けば、いくつかお店があるので心配いりません。門限は9時、消灯10時です。また一人旅だと断られることがあるそうです。

 昼食に沙羅双樹の庭を眺めながら、精進料理を頂くことが出来ます。また沙羅双樹の開花時期(6月中旬~7月上旬)には「沙羅の花を愛でる会」が行われ、精進料理を頂くことが出来ます(5300円 予約不要)。1月中旬~下旬には「小豆粥の会」も行われます(3500円 予約不要)。また毎週火曜日の10時~13時には精進料理教室『寺のおばんざい 禅寺で精進料理を体験する会』が開かれ、住職の軽快なトークに人気があります。料理に関しては食材を無駄にしないなど精進の心の部分も教えて頂けます。


地図


ほーりー記

 東林院の宿坊に宿泊させて頂きました。客室は6畳の和室です。客室には「萬福」「建仁」「天龍」「大徳」「東福」「相国」「南禅」「妙心」と、京都の大きな禅寺の名前が付けられていて、面白かったです。部屋にはお茶とお菓子が用意されていて、エアコンが設置されていました。

妙心寺東林院の客室

 宿坊内を歩き回ると、廊下にはご住職が書かれた精進料理の本がたくさん並んでいました。それらをぱらぱらと見ているだけでも、楽しくてあっという間に時間が過ぎてしまいます。

 また「お勤め道場」があり、こちらでは朝6~7時と夕方4~5時30分に木魚を叩きながら自由にお経を唱えることができます。お経の本は「般若心経」と「白隠禅師坐禅和讃」がありました。

妙心寺東林院のお勤め道場

 そんな風にしながらゆっくりと時間を過ごしていると、楽しみにしていた夕食の時間です。食事の部屋に通されると、五観の偈が壁にかけられていました。こちらは食事を頂く感謝などが説かれた言葉ですが、食事前に唱えることでこれから精進料理を頂くぞという気持ちが高まります。

 メニューはごはん、しめじと三つ葉のお吸い物、春菊の白和え、人参とごぼうの煮物、ふろふき大根、漬物です。

妙心寺東林院の精進料理

 にんじんは一口噛みしめると、青臭い味がじわっと広がります。これぞ人参という存在感に、思わず普段食べている食事との違いを感じました。またふろふき大根には油揚げと昆布が乗っていますが、じんわり優しく味がしみ出してきます。

 今回は取材で泊まらせて頂いたこともあり、境内にある畑も案内して頂いたのですが、食事で出される野菜は、こちらで採れたものも使用しているそうです。通常と異なり丸い形の聖護院大根は冬は寒さに負けて凍らないように糖分を溜めて甘くなり、逆に夏は腐らないように糖分が抜けて辛くなるのだそうです。

妙心寺東林院の畑

 それこそが旬の味だと精進料理の世界では超有名な住職が教えて下さり、命を頂くとはこういうことかと、思わず考えてしまいました。

 また宿坊の内部には、「キャスター付きバッグは手で持って運んでください」「他人様に迷惑をかけないよう、静かに行動して下さい」「電気・水にもたくさんの動植物の命の犠牲があります」といった注意書きが、いたるところに貼ってあります。

 これも「ホテルだったら怒られるかもしれないが、お寺だからこそ伝えることができる」とのことで、日ごろ忘れがちな心を宿坊の中で呼び起こしてほしいという想いが込められているそうです。

 お風呂の浴槽は木でできていて、それだけでも温かみが増します。宿泊者が多い時は時間交代で入るようですが、私の時はそれほどでもなかったため、比較的ゆっくり入ることができました。

 朝食はご飯、ねぎとわかめの味噌汁、味のり、梅干し、たくあん、里芋、さやえんどう、高野豆腐の煮物、菜っ葉の胡麻和え、煮豆でした。こちらも高野豆腐がふっくらと甘く、頂くだけで一日がすがすがしくなりそうな朝食です。

 有名な沙羅双樹の庭は朝日に照らされると緑が映えて、これもまた気持ちを盛り上げてくれます。料理のおいしさと、和風建築の雅さ。そしてお寺で過ごすことで得られる精神的な気づき。宿坊の楽しさがぎゅぎゅっと濃縮して味わえるような場所でした。


ほーりー記

 東林院の小豆粥で初春を祝う会に出かけてきました。毎年1月15日~31日に行なわれている恒例行事ですが、この時期は予約なしでお寺の中を拝観し、精進料理を頂くことができます。

 お寺に入り、受付をしてお金をお支払いすると、まずは有名な沙羅双樹の庭に面したお部屋に通されます。そこで精進料理の前に、福茶と祝菓子でおもてなしされました。

妙心寺東林院の福茶と祝菓子

 福茶は元旦に若水で点てた茶に梅干し、昆布、山椒などを入れて家族全員で頂くと、一年中の邪気を払い、万病を除くと云い伝えられています。また祝菓子は小倉あんと小豆きんとんでできた「松の雪」、和三盆製の干菓子「結び笹」、ヒロメとも呼ばれて広くなる(現代の喜びに通じる)昆布、万物をかき集めるという意味が込められた柿、厄払いの意味と共にマメであることを感謝し、健康に暮らせるという意味のある豆、良い芽が出るように願うくわい、代々(橙)続き栄えるみかん、と縁起物が並んでいました。

 これらを毛氈の引かれた畳の部屋で、庭園を眺めながらゆっくりと味わいます。和菓子の甘さと梅干しの入った福茶の塩気が混じり合って、静かに息をつく時間でした。

 また、部屋の中にはご本尊の観世音菩薩が安置され、その前に大般若札が上げられています。このお札は正月三ヶ日に妙心寺で世界平和、五穀豊穣、諸縁吉祥、福寿延長の祈りが込められた祈祷札で、お守りとして自由にお持ち帰り下さいとのことでした。

妙心寺東林院の精進料理(小豆粥)

 そしてしばらく待っていると、名前を呼ばれて奥の別室へと案内されます。そこでいよいよ、小豆粥の精進料理の登場です。メニューはお餅が入った小豆粥、黒豆の煮物、だいこんと油揚げ、菜の花の白和え、塩昆布、たくあん、昆布のつくだ煮、昆布の干菓子でした。また、他に別注文で、海苔蒸しや生湯葉の炊き合わせ、日本酒、ビール、ウーロン茶なども用意されています。

 こちらで料理を頂く際に印象的だったのは、生飯(さば)があることです。「生飯」とは食事の前にお箸で少しだけお米を取り分け、餓鬼や動物などにほどこす風習で、こちらではお寺の方が生飯器を持って、食事前に一人一人から数粒のお米を受け取っていました。

妙心寺東林院の生飯(さば)

 この生飯で集められたお米は庭に置かれており、鳥などが食べることができるようになっています。目の前にある食事を自分だけが頂くのではなく、少しだけでも他の生物に振り向ける。ここがお寺なのだと実感する瞬間でした。

 そしていよいよ精進料理を頂きましたが、優しく深みのある味で京都らしい雅やかな食事です。薄い小豆粥を塩昆布と一緒に頂くと、シンプルながらも口の中にじわっと味が広がります。また、黒豆の甘さは絶品。京都の禅寺でお正月気分を心一杯に感じ取れる一日になりました。


宿泊者の声

 東林院はとーってもきれいな庭に面していて部屋も清潔で新しく、しかも冷暖房つきでした。精進料理もとてもおいしいです。毎週火曜日に住職が精進料理教室なるものを開いているようです。ここの精進料理は住職お手製とのこと。お世辞抜きで本当においしいので、ぜひ、京都へ行く際は、宿泊をお勧めします。お勤めはありませんでした。


宿泊者の声

 部屋は八畳、エアコン付き。配置は襖で隔てられ四つ部屋が並び、壁を挟んで同じ配置で四つ。少し離れてもう二つといったところです。簡素で質素ですが、掃除は隅まで行き届いています。

 門限は夜九時。お風呂は八時半までにグループ単位で入ります。朝食は七時半。プラスチックの器が少しがっかりでしたが、味はどの品も洗練されています。味海苔も付いていたのは驚きましたが…。

 食べ物を始め、お寺の方々の暮らしが少し垣間見る事の出来た今回の経験は、他では味わえない貴重なものです。日常の暮らしの無駄や贅沢を見直すいい機会になりました。


宿泊者の声

 最初1人で宿泊しようとして電話すると、2人以上出なければ駄目だということで3人で宿泊しました。料理は私はおいしいと感じたのですが、連れは少し塩気が強いと言っておりました。又、宿坊のおばさんはちょっと愛想がなかったかな。でも料金は2食で一泊6000円だったので満足しています。あと、お坊さんが宿泊する施設だったからか風呂のお湯はぬるかったし、洗面所などに水は大切に使えとか電気は必ず消せといった注意書きがありました。


宿泊者の声

 噂に違わず愛想のない女性の方の対応でしたが、このHPで予備知識があったおかげで、あまり気には止めませんでした。しかし、事情を知らない他の宿泊者の方はビックリしていらしたようです。お風呂は洗髪禁止、順番に放送があったら速やかに入る、使わない照明は消す(トイレ照明で注意されました)など、無駄を省くことが徹底していて、改めて日々の生活について考えさせられました。お部屋は綺麗で清潔でした。お料理も質素ですが上品で大変おいしかったです。


宿泊者の声

 先日、以前から泊まってみたかった妙心寺の東林院に宿泊してきました。宿の方はうわさ通り、愛想はありませんでしたが、気にはなりませんでした。部屋や洗面所、トイレなどは掃除が行き届いていて清潔です。庭もじっくり眺められるのはいいですね。食事もシンプルですが、手がこんでいていておいしい。ご飯はお代わり自由です。食べ物の有難みを感じることができました。


体験者の声

 妙心寺東林院の小豆粥で初春を祝う会に行きました。混んで並ぶのかと思いきや、それなりのお客様だけでまだ余がありました。福茶・粥ともに美味しくいただきました。ご馳走様でした。


体験者の声

 (沙羅の花を愛でる会)

 花園大学の学生らしき方々が、着物を着て出迎えてくれました。

 まずはお茶とお菓子をいただき、沙羅双樹のあるお庭の観賞順番を待ちます。苔の敷きつめられたお庭には沙羅双樹の花が散りばめられており、小雨のお陰で苔に色艶がでて、全体を引き立ててくれていました。

 一日花と呼ばれる沙羅双樹の花。

『形あるものは必ずこわれて行く。形美しきもの永遠に保てず』

 沙羅の花は一日だけの生命を悲しんでいるのではなく、与えられた一日だけの生命を精一杯咲きつくしているとのことです。落ちている花々に、美しさと切なさが共存していました。

 僕の一番の目標である精進料理は10人と人数が多かったためか、廊下を通り、水が一滴一滴落ちる音を聴ける一壷天を過ぎた場所にある大きな広間に案内されました。ここは特別なお部屋でお庭の眺めもよく、ラッキーですねっとおっしゃっていました。

 赤い盆には旬のものを使った料理があり、僕は味噌汁が一番美味しかったです。えぇ~~味噌汁ですかぁぁ~(笑) 茄子も湯葉のお汁物ももちろん美味しいですが、 味噌汁には叶いません。やっぱりご飯と味噌汁は日本の心です。


体験者の声

 (沙羅の花を愛でる会)

 日曜でごった返しているお抹茶の席を離れて、奥のお部屋へ通されると、とても静かできれいなお庭の見える部屋でした。

 精進料理は初めて頂きました。おっきいナス ごまどうふ ゆば おひたし わさびで和えたの 山椒?で味付けした昆布とアーモンド?←なぞ 適当ですいません。


体験者の声

 (沙羅の花を愛でる会)

 まずお抹茶を頂き、庭園の沙羅双樹の花を鑑賞。ちょうど見ごろ。その後、奥の部屋に案内されて、北庭を見ながら精進料理をいただく。旬の素材を使用。胡麻豆腐・胡麻和え・賀茂茄子の田楽・炊き合せ(沙羅の花をかたどったもの)・味噌汁など、大変美味しくいただきました。


体験者の声

 (沙羅の花を愛でる会)

 この正月に小豆粥の会で訪れました。いつ来ても良いところです。今回は沙羅双樹を愛でる会。特別精進料理を堪能。

 茄子の田楽、味噌汁が美味しかったです。また、庭に落ちている沙羅、咲いている沙羅を見て、祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす・・・・・を思い出し・・・儚いなあと感じました。


体験者の声

 (沙羅の花を愛でる会)

 まずはお茶をいただき、沙羅双樹を観賞。白いかわいらしい花が、地面に模様の様に一面に落ちていました(まさにポスター通り!)。その後、私のメインイベントの精進料理です。落ち着いたお部屋で、京都らしい豆腐や湯葉や京なすなどが、見た目もきれいに盛り付けられていました。もちろん美味しく残さずいただきました!


体験者の声

 (沙羅の花を愛でる会)

 このイベントの参加を決めたのは、以前からこちらのお寺の沙羅双樹を見に来たく、また東林院さんの精進料理を一度頂いてみたいと思っていたからでした。

 精進料理というのは、最初はお抹茶・お菓子から始まるのが定番なのでしょうか? 一番最初に用意されたのがそうだったので、かなり驚きました(お腹がいっぱいになっちゃう! と心配になりましたが、全く問題なくきっちり最後まで頂けました☆)。

 沙羅双樹をかたどったお野菜の煮物が美しく、美味しく頂きました。


体験者の声

 (沙羅の花を愛でる会)

 まず抹茶と沙羅のお花を模ったお菓子を頂きました。上品な甘さがほどよく、美味しい和菓子でお土産でも売っていました。次はお庭に向かって座して沙羅の花を愛でます。朝咲いて夕方散ってしまうのといわれたり、雨に打たれてすぐに散ってしまうので有難い貴重なひとときです。咲く白い花びらが可憐で、まるで手で並べたかのように等間隔に落ちている花がとても印象的でした。「夏つばき」とも呼ばれると教えていただき、私は別物と思っていたので意外でした。日本では夏ツバキを沙羅の木としているらしいです。本当の沙羅双樹の木は日本で育たないようです。

 そしてまた沙羅の咲く大小二つお庭を眺められる別室に移動しました。途中美しい水琴窟の音色を聞くことも出来ました。禅宗式のお料理はどれも見た目も美しく美味しかったです。「食事五観文」を読みながら、感謝していただきました。次回は是非こちらの精進料理教室に参加したいものです。


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