お坊さんが貸し切り可能な、おおま宿坊 普賢院(青森県大間町)
おおま宿坊 普賢院
電話 :0175-37-4649(受付時間 平日10時~18時) ウェブ :普賢院 住所 :青森県下北郡大間町大字大間字内山48-137 アクセス:・JRはまなベイライン大湊線「下北駅」下車、有料送迎車で60分 ・大間フェリーターミナルから無料送迎車で10分 駐車場 :あり 時間帯 :チェックイン14時。チェックアウト10時。 |
【完全予約制1日1組】 一泊二食 28000円 /1人 25000円 /2人 (消費税込) |
おおま宿坊 普賢院は本州最北端の地、下北半島先端にある大間にある宿坊です。明治時代より下北半島及び北海道、津軽海峡沿岸の住民に信仰が厚かった禅寺でもあり、静かな趣のある伽藍で写経や座禅で心を落ち着け豊かな禅体験ができます。
朝食には精進料理を、夕食にはマグロでも有名な大間の食材にこだわった海の幸がいただけます。禅寺の静けさと旅行の楽しみを兼ね備えた新しい宿坊です。料金には隣接する「おおま温泉海峡保養センター」の入湯料が含まれ、温泉も楽しめます。
おおま宿坊 普賢院は、2018年に誕生した宿坊です。こちらを作ったのは、普賢院の菊池雄大院代(住職代理)です。
ちなみに左がその菊池さん。右がほーりーのツーショット写真。
菊池さんの言葉では「この宿坊に宿泊すると、一泊二日で私を貸し切ります」とのこと。仏教や坐禅の指導をして頂いたり、人生相談に乗って頂くことも可能です。
宿泊者の中には人生に思い詰めてしまった方もいて、8時間もずっと話を聞き続けたこともあったそうです。なかなか大変な状況ですが、これこそ人と向き合うお寺の在り方だし、苦しんでいる方の駆け込み寺としての機能も、宿坊では果たしていきたいと仰られていました。
なお、この宿坊が生まれた経緯にほーりーのブログも少し関わっています。その秘められたお話は、こちらもご参照ください。
ほーりーのブログが、普賢院宿坊の両親や金融公庫説得に役立った件
ということで、ここからはほーりーの宿泊体験記です。
おおま宿坊 普賢院の宿泊体験記
下北半島にある曹洞宗寺院のお坊さんが集まる研修会で、講師をさせて頂きました。その会場がおおま宿坊普賢院だったため、そのまま宿泊しています。
このため通常とは少し異なる部分もありますが、基本的には宿坊のメニューを全体的に体験させて頂いたので、参考にはなると思います。
まず、地図を見て頂ければ分かるでしょうが、おおま宿坊普賢院があるのは本州の先っぽです。すぐ近くには本州最北端の碑が建つ大間崎もあります。このため普賢院には車で行くか、下北駅からバスで向かうと良いでしょう。
他に青森市内から船で陸奥湾を縦断して佐井港へと渡り、そこからバスで移動する方法もあります。ただ海が時化ると運行中止になるため、当てにし過ぎない方が無難です。ほーりーは帰りにこの船に乗る計画を立てましたが運休したため、バスで下北駅へと戻ってから電車でぐるっと青森市へと向かいました(天気が良ければ、すごく景色は良さそうなので、乗ってみたいですが)。
普賢院の外観と宿坊施設
普賢院は大間の町の集落から少し離れた、林道沿いにあるお寺です。道路の向かいにはゲストハウス・自休庵がありますが、こちらも普賢院のお坊さんが管理されています。
そして普賢院の門をくぐると、右手側に寺務所があります。さらに奥に進むと広大な敷地があります。Googleのストリートビューなどではよく分からなったので、実際に行ってみてびっくりしました。その境内にひっそりと建っているのが、宿坊の佛光庵です。
こちらは一日一組限定で、一棟丸貸し形式です。もともとは恐山のイタコさんが暮らしていた建物をリノベーションされたとのことです。
玄関をくぐると12畳の和室があり、ベッドが2つ並んでいます。そしてトイレと洗面所があり、冷蔵庫には水、オレンジジュース、チューハイ、ビールなどが用意されていました。宿坊の近辺にはコンビニなどもないので、これはありがたい配慮です。
他にアメニティでは浴衣、タオル、バスタオル、歯ブラシ、髭剃り、シャンプー、コンディショナーも用意されていました。
宿坊のレイアウトで特徴的なのは、客室に併設されたサンルームです。側面がガラス張りの部屋で日の光を浴びながら、ソファーで読書(仏教書や東北関連のガイドブック、漫画などが用意されています。ほーりーが書いた『全国宿坊ガイド』もありました!)したり、卵型のちぐらみたいなもので坐禅をすることもできます。
普賢院の近くにある、おおま温泉
宿坊に荷物を下ろすと、車で3分ほど(歩いても行ける距離です)の場所にある温泉に行きました。泉質はナトリウム・カルシウム―塩化物泉で、冷え性、リウマチ、痔の傷み、ストレスによる睡眠障害やうつ状態、疲労回復などに良いそうです。
この温泉は切りつけるような津軽海峡の風に身をさらした漁師さん達のことも、きっと芯から温めているのでしょう。そんなことを考えると、全身がポカポカしてくるようです。
大間と言えば、やっぱりまぐろ!
夕食は大間の名物・まぐろを初めとした海産物がたくさん出てきました。黒いダイヤとも呼ばれる大間の本マグロは、史上最高値で一匹3億3360万円もの値が付いたこともあるほど知れ渡っています。
メニューはマグロの大トロや赤み中トロ、肉厚なタコのお刺身、マグロと帆立のカルパッチョ、アワビ、もずく、タコのイタリアンサラダ、スルメイカのゴロ煮、ナマコ、岩海苔のおにぎり、アワビの土瓶蒸しでした。
これがもう、一口ごとにとろけていきそうな美味しさです。まず漁港がすぐ側にあるだけあってどれもこれも新鮮ですし、高級食材が次から次へと出てきます。ついでに青森県の地酒も頂きましたが、この地元でしか味わえない最高の料理は本州最北端まで頑張ってきた旅の疲れを3回くらい吹き飛ばしてくれました。
普賢院の本堂で行われる朝のお勤めと座禅
気持ちよくお酒に酔って、ふかふかのベッドで眠って、翌朝目が覚めると境内は一面雪に包まれていました。大間は暖流の影響もあり、青森県では雪が少ない地方なのだそうです。それなのに(12月に)これだけ降ったことにお坊さん方も驚かれていましたが、ほーりーが来たので天も歓迎してくれたのかもしれません。
一日目に雪無し、二日目に雪ありの宿坊風景を撮ることができたので、一粒に二度おいしかったですし。
その雪をかき分けながら本堂に上がり、7時から朝のお勤めが始まります。通常は普賢院を管理する菊池さん一人だと思いますが、今回は曹洞宗の研修会でもあったので他に4人のお坊さんが一緒に参加して豪華バージョンになりました。
薄暗い本堂に明かりがともり、まずは本堂の両サイドにある単(坐禅で坐る一段高い場所)に並んだ坐蒲に腰を下ろして、壁に向かって坐禅をします。
参加していたのが本職のお坊さんとほーりーだけでしたので、細かな坐禅作法の説明などは省かれましたが、慣れていない方には丁寧に説明して頂けると思います。
また坐禅が終わると大太鼓を叩いて般若心経などが読み上げられ、気持ち良い朝を過ごすことができました。
朝食は通常は精進料理ですが、今回は人数が多かったので、宿坊向かいのゲストハウスで和食の朝ご飯を頂きました。ご飯や味噌汁、焼き鮭など、こちらもおいしかったです。また卵が付いていましたが、普賢院では烏骨鶏や比内地鶏も飼われています。これは精進料理では頂けない、また産地直送のおいしさかもしれません。
普賢院の貸し切りできるお坊さん
こんな感じで私の宿泊はお坊さんとこれからのお寺にあり方について夜の間、ずっと議論したりと慌ただしいところもありましたが、冒頭に書いたようにお坊さんを貸し切りできる宿坊なので、ひたすら話をしたり、修行体験を試してみたりも良いでしょう。
もちろん環境的にも抜群なので、気軽に来て、本州最北端をぶらっと散策して、大間のマグロに舌鼓を打ちながら、ゆったり過ごすのも良いと思います。そんないろんな時間を過ごせる本州最北端の宿坊です。
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