平安京の鬼門守護として祭祀され、悪鬼退散の霊験ありと信仰されたお寺です。宮本武蔵が滝に打たれて修業を続けたことも有名で、交通安全とガン封じのご利益で知られています。

　本殿の前にある願掛け柱には、たくさんの『ガン予防絵馬』が掛けられていました。狸谷山不動院はもともと鬼門守護の厄除けのお寺で本尊の不動明王は一切の悪魔、災いを祓う力を持つとされています。

　特に1月28日の初不動にはガン封じの笹酒が振舞われますが、こうしたお不動様の力から、ガンにまつわるお守りがたくさんありました。

　その一つが写真の『腹帯患部守護符』です。梵字が書かれた布の腹帯で、身体の悪い部分に当てておくとお不動様の力が守ってくれます。

　他にもガン封じの『なで御幣』もありました。これは不動明王の真言を唱えながら悪い部分を撫でると良いとされています。

　狸谷山不動院でもう一つ有名なのが交通安全です。こちらも不動明王の厄除けから派生したご利益のようで、まだ車が少なかった昭和二十年代後半から交通安全祈祷のお祓いを受ける方が増え始め、今では境内に自動車用の祈祷殿も建っています。

　そして追突よけステッカーとお札がセットになった『交通安全おふだ』が人気です。ステッカーの形は不動明王を表す梵字からデザインされ、文字の色も不動明王を表す青みがかった黒です。

　また他にも交通安全お守りはキーホルダー型やミニステッカーなど、いろいろと種類がありました。

　しかしそもそもなんで、「狸」谷山不動院なのか？　境内には信楽焼きの狸も奉納されて、たくさん並んでいます。もちろん、『狸のお守り』もありました。

　これはこちらのお不動様が、タヌキ（咤怒鬼）不動明王と呼ばれていたことに起因します。狸谷山不動院は御所の鬼門（北東）にあり、この方角から都に入ってくる妖怪を防ぐ役割がありました。このためお不動様と名前の同じ狸には妖怪を追い返す力があり、お守りにも狸が現れるのです。

　さらにもっと直接にお不動様の力にあやかりたい方には、『不動明王梵字ストラップ』もあります。書かれているのは不動明王を表す梵字のカンマンです。

　ご利益は災難消除とパワーアップとのこと。厄除けをして、大きく羽ばたけそうな力強いお守りです。

　その他、参道の石段途中にあるお迎え大師に、健脚を祈願したたくさんの『草履のお守り』が結わえられていました。

　またこの石段は全部で250段ありますが、狸谷山不動院では『足腰元気宣言！　KENKO250』という企画も催されています。

　参加する方には「健康カード」が配布され、一回登りきるごとにスタンプを押して頂けます。そしてスタンプが10個たまると「健康の証」が授与され、本殿内に名前が掲示されます。

　境内にはいくつか『古いお札の納め所』があり、古くなったお札やお守りを返納することができます。