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青少年文化研修道場(京都府宇治市)の座禅会・普茶料理・寺修行体験【くちコミ付き】

青少年文化研修道場

基本情報

青少年文化研修道場(京都府宇治市)

電話  :0774-32-1365
ウェブ :青少年文化研修道場
住所  :京都府宇治市五ヶ庄三番割35
アクセス:JR奈良線「黄檗駅」、または京阪宇治線「京阪黄檗駅」下車、徒歩10分
駐車場 :あり(利用前に要連絡)付近には黄檗山万福寺の駐車場もあり(有料)
【坐禅】
体験坐禅 1100円

【精進料理】
普茶料理 3240円~
(二名より要予約)

【僧修行体験】
一日修行体験 4320円
一泊修行体験 7560円
(夕・朝食付き)

二泊三日以上の修行体験は、一日ごとに+6480円(三食付き)

オプション 写経:1000円 法話:1席32000円(9名以下は、1人当たり3000円)


特記事項

 素泊まりで宿泊できる宿坊です。食事が必要であれば、事前予約で申し込むこともできます。食事内容は基本的に一汁一菜です。

 予約により体験坐禅も受け付けられています。宿坊宿泊者だけでなく、日帰りでの坐禅も行えます。日程や時間については和尚さまの都合もあるため、予約時に問い合わせください。また一日修業体験や宿泊しての修業体験も受け付けられています。

 普茶料理は黄檗隠元禅師が伝え、植物性油をふんだんに使った中国料理であり、黄檗宗の名物です。この伝統の料理が頂ける普茶弁当は予約により二名から受け付けられています。


地図


ほーりー記

青少年文化研修道場の達磨大師

 万福寺から徒歩5分ほどの好立地にある宿坊です。建物は階段を上がって2Fから入れるようになっており、ロビー風の玄関には禅宗のお寺らしく達磨大師の絵が掲げられています。達磨大師はぎょろっとした目が特徴ですが、こちらのだるまさんは目がつぶらでなんだかかわいい気がしました。また正面には象に乗った普賢菩薩が、その背面には釈迦如来がいてお出迎えしてくれます。

 宿坊の建物は昭和45年建築の鉄筋造りで、設備としては少し古さを感じます。しかしとにかく巨大です。なんと言ってもすごかったのが300畳もある畳敷きの和室。私が泊まった時はたった一人だったのですが、この広い広い空間で住職と二人で朝のお勤めをしました。

青少年文化研修道場の大部屋

 お勤めは朝の5時から30分ほどで、拍子木の音とともにお経が唱えられ、大太鼓が鳴らされます。そして手渡された経本を読み上げながら般若心経や白隠禅師の坐禅和讃を住職と一緒に唱えました。

 また坐禅体験もさせて頂きました。1枚の座布団の上にもう一枚の座布団を半分に折って載せ、その上に座って坐禅します。靴下を脱ぎ半跏趺坐、手は右手を下にして左手を乗せた法界定印を組みます。そして背筋を伸ばしてあごを引くように姿勢を正します。坐禅の指導は丁寧に優しく行って頂けますので、初心者でも安心して参加できます。

青少年文化研修道場の木魚

 そして木魚を三回鳴らすと坐禅開始。呼吸は長くゆっくりで「ひとーーーつ」「ふたーーーつ」と数えながら、10まで来たら1に戻して繰り返す数息観(すそくかん)を指導されました。また警策は合掌すると頂くことができ、右肩を三回、左肩を三回叩いて下さいます。坐禅をしていた時間は三十分を二セットで、ちょっと長めで大変ですが、早朝から坐禅をしていると気持ちが静かに落ち着いていくのを感じます。そのまま坐っていると、引磬(いんきん)の高い音が響いて坐禅は終了。最後に四弘誓願文を唱えて解散しました。

 さらに初日の夜でしたが、こちらの住職とは前からメールで連絡したりとお世話になっていたこともあり、宿坊の中をいろいろと案内して頂きました。が、この宿坊にはものすごく多くの施設がそろっていてびっくりしました。お勤めをした300畳の部屋のほかにも200畳の部屋があり、600人が食事を出来る食堂、16室の客室などがあり、個人・団体を問わず多くの方が泊まることが出来ます。

 また宿坊だけでなく空手教室やクラシックバレエの会など様々な教室も開かれていますが、剣道や空手が出来る武道場(佛十大弟子説法図がかかっている)や、壁に鏡が張られた舞踏室、心字放生庭園が備わったお茶室の青緑庵茶室などもありました。

青少年文化研修道場の屋上庭園

 そしておすすめは、鐘楼天体研究台屋上庭園です。庭園と言っても木々があるわけではありませんが、宿坊の屋上に上がることができます。ここには世界唯一の鋳鋼製梵鐘があり、その下には舷窓(げんそう)が置かれています。また、宇治の街を上から眺めることができ、万福寺の屋根なども見渡せます。8月の宇治の花火大会は最高の花火スポットにもなるそうです。

青少年文化研修道場の客室(洋室)

 客室は大小ともにほとんどが和室ですが、私が泊まったのは洋室でした。ベッドが二つあり、小さな机があります。空調やアメニティの類はありませんが扇風機はありました。またロッカーがあり、ハンガーも用意されています。

 なお、後日和室も泊まりましたが、その時の写真はこちらです。

青少年文化研修道場の客室(和室)

 お風呂やトイレは共同です。お風呂は大中小とあり、その日の宿泊人数に合わせて使われるお風呂が変わります。シャンプーやリンス、ハンドソープなどが備え付けられていました。また門限は21時です。持ち込みも可能で歩いて3分ほどのところにコンビニがありますので、食事にも特に困ることはありません。

 このような場所ですので、京都旅行で安宿を探している方や好奇心が旺盛な方にはものすごくお勧めな宿坊です。宿坊の住職もとても穏やかな優しい方で、「お寺」という風情の建物ではありませんが間違いなく想い出に残る宿坊だと思います。


ほーりー記

 寺社コン企画を一緒に開催させて頂いたため通常とは少し異なりますが、基本的には一泊研修と同じ流れで体験をさせて頂きました。

 まずは15時に入山し、部屋に荷物を置いた後、住職から道場での作法や修業体験の流れ、注意事項などの道場心得を説明して頂きます。

 例えば作務について。一泊研修では掃除をする時間がありますが、これは率先して自ら行うことが禅の精神を養うとのお話がありました。

青少年文化研修道場の作務

 また作法については様々なお話があり、三黙道場(禅堂・食堂・風呂)では入る時と出る時に合掌し、中では話をしないこと。経本の持ち方は合掌の手の形のままで親指と人差し指の間に経本を挟み、目の高さまで上げて息がかからないように持つこと。廊下はスリッパをすらないように静かに歩き、禅堂に入るときはスリッパを真ん中を開けて左右に並べる(「黄檗ぬぎ」と言うそうです)こと。そしてスリッパを履くときは部屋から一番遠くに置かれたスリッパから履くことなど、一つ一つ生活の規則を教えて頂きました。

 道場心得が終わると、次は食堂で薬石(夕食)の時間です。食事の作法も道場心得で習いましたが、ここでは器と箸とふきん、それにこれらを包む布が一人一セットずつ渡されました。

青少年文化研修道場の薬石

 器は大中小と3つあり、それを重ねて一つにまとめ、布で包んで箸を差し込みます。この布での包み方にも作法があります。まずは布を広げて器とふきんを置き、手前側から布を折って器に乗せます。次に向かい側から同じように布を折り、箸袋に入れた箸を乗せます。さらに布の左右を持ち、器の上で結びます。最後に箸袋の上側が右になるように回して置くと完成です。

 そしてこれを持って、全員で食堂へと向かいます。食堂の入り口では全員で二列に並び、合掌をして入ります。長テーブルに4人一組で座り、先ほど布に包んだ器を広げます。この時、大きい器が一番左側になるようにして机の縁の部分にかかるように並べます。また、箸は口をつけるほうを机から少しはみ出すように器の右側に置きます。

 もうこの辺りで、すでに大半の方は混乱しています。ただ一つ一つ順を追いながら説明して頂けますし、間違っても住職が丁寧に教えて下さいますので、ややこしいですがそれほど心配はいりません。

 食事は大きい器にご飯、中くらいの器にお麩の味噌汁、小さい器にこんぶとたくあんをよそいます。食事を頂く前には五観の偈や三匙の偈を唱えます。そしておかずはご飯に乗せたりなどはせず、それぞれの器を一つ一つ持ち変えながら、静かに無言で頂きます。またご飯は残すことは許されず、4人でおかわりをしながらおひつに入ったお米の一粒、おなべに入った味噌汁の一滴まで、空にしていきました(ちゃんと空になったか、住職チェックが入ります)。

 食事中にはたくあんを一切れだけ残しておき、最後にお茶を器にそそいでこのたくあんを使いながら、器を一つ一つ洗っていきます。器を洗ったお茶とたくあんは最後に全部飲みこみます。そしてみんなで洗鉢の偈を唱えて終了です。

 また食事後は6人の班で後片付けと皿洗いなどを行い、他の方は食堂を出たところで二列に並んで部屋へと帰りました。

青少年文化研修道場の坐禅

 食事の後片付けが終わると、今度は坐禅の時間です。坐禅は2枚の座布団を使って上の座布団を2つに折り、その上に腰を乗せて坐ります。坐り方は両足の腿に足を乗せる結跏趺坐、または片足のみを乗せる半跏趺坐で行います。そして両膝を下に付けて身体のバランスを調節し、天井から垂れた糸が頭を引っ張っているような感じで背筋をまっすぐ伸ばします。頭を上げてあごを引き、へそは前に出すようにします。なお、靴下は事前に脱いでおきます。

 そして手は右手を下にして左手を重ね、両親指で卵形を作る法界定印の形にします。1メートル先に視線を落とし、目は半眼にします。鼻から息を吐き出し、呼吸を10まで数える数息観を行います。そして10まで来たらまた1からスタートし、呼吸だけに集中するようにします。

 坐禅開始の合図は木魚を鳴らして行われます。坐禅の時間は30分を2回。途中で5分ほどの休憩があります。また警策は合掌すると叩いて頂くことができ、住職が前に来たら一礼をして頭を下げ、右肩を3回、左肩を3回叩いて頂きました。

 坐禅が終わると開浴(風呂)です。こちらも三黙道場の一つですので無言で入ります。そして通常の一泊研修ですと21時で開枕(就寝)ですが、今回は特別イベントということもあり、お願いして懇親会の時間にさせて頂きました。また翌朝も本来は4時30分に起床ですが、少し遅めで6時に起床とし、朝の坐禅は省略させて頂くことにしました。

 そんなわけで翌朝、起きた後は日点作務からスタート。廊下と階段、洗面所、お風呂、トイレなどに班を分けて掃除を行います。その後に粥座(朝食)。基本的な食事の流れは前日の夕食と同じです。ただ出てきたのはお粥と梅干、たくあん、塩こんぶ。食事の後にたくあんで器を洗っている間は梅干の種を口に含んで実を吸い尽くしたり、最後に粥(しゅく)というお経を唱えたところが異なりました。

 そして食事の後は再度、作務。今度は禅堂と食堂班に分かれて掃除をします。それが終わると萬福寺の拝観。特別料金で拝観させて頂き、しかも住職のガイド付きです。

青少年文化研修道場の萬福寺ガイド

 萬福寺の境内が龍の身体を模して作られていることや、参道の敷石はお坊さんは歩かないこと。ぶたの丸焼き法要という萬福寺には独特の儀式があることなど、面白い話をたくさん聞かせて頂きました。

 たったの一泊二日ですが、特に食事の作法や坐禅など難しい作法が多くて大変な内容でした。ですが食事を黙って頂いたり、ご飯の粒を一粒残さずかき集めたり、常日頃ではなかなか感じ取れない食事への感謝を考えることができる体験だったと思います。

 私のほかに参加されていた方も、「毎日だったら大変だけど、たまにはこんな風に一日を過ごして日々を振り返るのも良いかも」と仰っている方が何人もいて、それがとても印象的でした。

 また学校を卒業してからはほとんど使うことがなかった雑巾やほうき、ちりとりなど、なぜか掃除を通して心が洗われる気がした時間でもありました。学生や社会人の研修などでも利用されていますが、この不自由ながらも充実した時間は多くの方にとっても、とても貴重な経験になるのではないかと思います。


宿泊者の声

 HPでは駅から遠い印象を受けましたが、実際に歩いてみるとJR奈良線「黄檗駅」からは徒歩5分でした。アメニティがないためちょっとハードルが高かったですが、徒歩2分のところにローソンがあり、寝着以外はそこで調達できます。

 ハートフルな宿泊費が語るように建物は古いのですが、とても心のこもったおもてなしを受けよい滞在になりました。例えばフロントの方の対応もマニュアル的なものではなく、細やかな配慮を持って情報を提供してくださいます。さらに和尚様には、座禅体験、朝食の後、黄檗山万福寺に案内していただきました。しかも、団体割引価格で(300円)! 宿泊者特典で1名でもOKでした。

 宿泊者は私だけでしたので、全ての時間和尚様独り占め状態という大変ありがたい一時でした。次回はもう少し時間をとって典座和尚の作る「普茶料理」を堪能したいと思っています。お会いした3人の方皆様がとても熱心で温かく、心が和む滞在となりました。この場をお借りしてお礼申し上げます。


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宿坊研究会編集部

寺社旅研究家のほーりーが立ち上げた、宿坊研究会の編集部。日本全国300件以上の宿坊を紹介し、宿泊者の体験談も多数掲載! 全国の座禅会・写経会・精進料理などの寺社体験もレポートしています。

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