絶世の美女として知られる唐の玄宗皇帝の愛妃楊貴妃が、難を逃れて小舟に乗り日本海に面する長門に漂着したという伝説があり、「楊貴妃の墓」と伝えられる五輪塔があるお寺です。

　楊貴妃の霊魂は長安まで往来して玄宗皇帝の夢に現れ、「日本に漂着して死去した」と告げたため、追善供養の為として唐朝でも秘蔵の霊仏、阿弥陀・釈迦の二尊仏と十三重の大宝塔が日本に届けられます。この時、一度京都のお寺を経由したため、二尊仏は阿弥陀・釈迦の一躰ずつを京都のお寺と分け合って安置することになったそうです。そして朝廷より二尊院という院号を賜ったため、今の寺名となっています。

　このようなお寺であるため、楊貴妃にあやかって二尊院にお参りすると、安産・子宝・縁結びのご利益があり、美人になるともきれいな子どもを授かるとも云われています。

　二尊院は本州の先っぽにあるお寺です。山口宇部空港から車で２時間近くかかりました。

　本堂には「安産・子授け・縁結び」と書かれた木札が掲げられていました。

　また安産や縁結び祈願の旗も境内に立てられており、多くの方がお参りに来ていることが伺えます。

　本堂の前に楊貴妃の像が立っています。

　こちらは楊貴妃が38歳で亡くなったとされていることから、像高3.8Mになっています。頭の上には中国では最も高貴な花として国花に指定されている牡丹の花が乗っており、これは楊貴妃だけにしか許されていないスタイルです。なお、陝西省（せんせいしょう）馬嵬坡（ばかいは）にも同じ像が建てられています。

　また公園を横切ると、海の見える高台に楊貴妃のお墓がありました。

　五輪塔の前には摩尼車があり、般若心経が書かれています。こちらを回すとお経を読んだのと同じ功徳が得られると言われています。

　境内は楊貴妃の里という公園と一体になっていて、ゆったり散歩するのにも良い場所でした。