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身延山の入り口・発軫閣は、新たなチャレンジの後押しをしてくれる

 皆さまこんにちは。身延在住のゆる身延です。今回は日蓮聖人が身延山に入る時の入り口となった、総門や発軫閣周辺の史跡についてご紹介します。

■身延山の総門
身延山の総門

 まず、身延山に入る方が、一番最初に目にするのが総門です。風格ある佇まいに掲げられた扁額には「開会関(かいえかん)」と記されています。この言葉には、この門をくぐれば一切の人々は法華経によって仏になるという意味が込められています。

 身延山の総門は寛文5年(1665)三河の刈谷城主・三浦志摩守安次の母が寄進したもので、重要文化財に指定されています。文化財ながら、車がそのまま下を通れる珍しい門です(お車の方はくれぐれも慎重にお通り下さい)。

日蓮聖人が身延山へと入山した足跡を記す発軫閣

 その総門をくぐってすぐ左手に、急な階段が続いています。こちらを登ると日蓮聖人が身延山に入られたことを記念して建てられた発軫閣(ほっちんかく、ほっしんかく)があります。階段が細くて急な上、85段もの段数があるので、気になっていながら上ったことがない方も多いようです。

 日蓮聖人が御入山された頃には、現在の総門から門前町へ続く道はなく、この発軫閣がある高さの辺りにあった道を通られたと考えられています。

■発軫閣へと続く石段
身延山発軫閣へと続く石段

 「発軫」という言葉にはもともと「旅立つ」という意味がありますが、そこから「最初」「始まり」という意味で使われるようになりました。法華経の大切さを説いたものの鎌倉幕府から反発を受け、佐渡島への流罪を言い渡された日蓮聖人が帰還したのは文永11年(1274)の時です。53歳になった聖人は身延を治めていた領主・波木井實長(はきいさねなが)公の招きでこの地に向かいます。そしてこの場所で二人は出会い、日蓮聖人は9年に渡る身延山での生活に入りました。

 言うなれば、身延山久遠寺の歴史が始まる、スタート地点でもある場所です。私も初めて発軫閣まで上った時の感動は今も覚えています。境内地からの眺めの清々しさに、自分の進むべき方向について迷っていた悩みも、さぁっと風に運んでいったもらえたような気がしました。

 一見立ち入りにくい発軫閣ですが、階段を上り始めると、至る所にある石塔、苔むした岩々、境内手前にそびえる大きな杉の木など、歴史を経た味わいが感じられます。周囲を見回している間にあっという間に境内に到着しますが、長い階段を上りきったらまず後ろを振り向きたくなるのが心理というものです。

■発軫閣からの眺め
身延山発軫閣からの眺め

 ここからの景色は、総門を上から眺められる特別なものでした。発軫閣以外では、発軫閣を管理する山之坊さんを除いて、このような角度で見ることはできません。自由に上がれて景色も楽しめる境内は、身延山リピーターでも見過ごしがちな穴場のひとつです。特に春は総門周辺に桜が咲いている様子も見られるのでお勧めです。

お堂が美しい、発軫閣

■発軫閣のお堂
身延山発軫閣

 彩色が美しい発軫閣のお堂は、1650年に建てられ、1739年に再建、大正時代に改修が行われたものです。扁額も水戸藩三代藩主・綱條公(光圀の甥で、後に養子となる)の筆によるもので、堂内には徳川吉宗公の武運長久を祈って奉納された毘沙門天が祀られています。

 お堂のすぐ脇の石窟の中には浄行菩薩があり、柄杓とたわしが置かれています。浄行菩薩さんを洗うことで、煩悩をはじめ、病や怪我の苦しみまでも洗い流して下さる御利益があるといわれています。

■発軫閣の浄行菩薩
身延山発軫閣の浄行菩薩

 また境内左手には、下からは想像出来ないような緑が美しい拓けた土地があり、こちらからは総門の外側一帯を眺めることが出来ます。日蓮聖人が身延山に入られた最初の場所付近である発軫閣の境内で、景色を眺めながら新しい事にチャレンジする気持ちを整えるのに良いでしょう。さらに、毘沙門天さんも祀られていますので、心を込めてお参りすれば、新しい一歩への後押しもして頂けるのではないでしょうか。

発軫閣の周辺にも見どころはたくさん!

 この発軫閣の下、道路沿いにあるのが、波木井公が日蓮聖人をお出迎えしたといわれる場所で、逢島の遺跡と呼ばれています。日蓮聖人が腰をかけて休まれたと伝わる腰掛け石が今も玉垣のなかに残されています。

■日蓮聖人の腰掛け石
身延山日蓮聖人の腰掛け石

 そして向かいにある古い建物は「茶堂」と呼ばれ、中には仏像が祀られています。車が普及していなかった大正時代まで、富士川を船で下って波木井の船着き場から身延山まで歩いた人々が休息する茶店として使われていました。

 日蓮聖人の御入山を記念して6月に行われる開闢会(かいびゃくえ)では、この茶堂で法主猊下がお経をあげられてから、御入山行列が出発します。このことはあまり知られておらず、茶堂が開かれている様子をご覧になりたい方は当日の午前9時前に総門付近でお待ちいただいていればご見学いただけます。

 ちなみに発軫閣を管理されている山之坊さんは、総門前の交差点の崖上にあるお寺です。歴史は元亀3年(1572)までさかのぼりますが、移転合併を繰り返し、現在の場所になったのは大正14年(1925)です。発軫閣への階段の中腹ほどから山之坊さんの境内へ入ることが出来ます。

■山之坊
身延山山之坊

 また、すぐ近くに町営の駐車場とお手洗いがあります。発軫閣へは行きたいけれど階段がつらいという方は、お手洗いの裏手あたりから坂道で階段の途中まで行く事が出来ますのでご利用ください。


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ゆる身延

ゆる身延

Facebookページ「ゆる身延」主宰。横浜出身、身延町在住。身内の供養の為に2000年頃より久遠寺に通い始め、不思議な仏縁を得て身延の僧侶と結婚。趣味で行なっていた史跡探訪等の知識を活かし、身延山の情報発信やコラムの執筆などを行なっている。

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