誰も教えてくれなかった日本神話 (出雲井 晶)
誰も教えてくれなかった日本神話
出雲井 晶 著 Amazonで購入 |
神社巡りをしていると、実に多くの神様の名前を目にします。日本神話は世界でもトップクラスに面白い神話なのですが、最大の難点は神様の名前が覚えにくいこと。この名前の難しさで損をしている部分はかなりのものがあります。
例えば伊弉諾(いざなぎ)・伊弉冉(いざなみ)なんて有名な神様も、感じにすれば読むのは厳しいです。しかも古事記と日本書紀によっても漢字表記が違ってきたり。木之花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)や、鵜茅葺不合命(うがやふきあえずのみこと)なんて、読むだけで舌を噛みそうです。
でも、日本神話は面白い! 物語自体は小難しいものではありません。破天荒な神様のエピソードや、恋の話、冒険譚など、読んでいて単純にワクワク出来る世界です。
そして一度神様のことが分かると、神社に行っても親近感が湧きます。ここに祀られている神様はどんな神様かということが分かると、それだけで御利益倍増な気もします。
本書は日本神話について、初心者向けに易しく解説された秀逸な一冊です。なおかつところどころに挿し絵と共に原本の言葉が書き添えられ、日本人が持つ言霊のみずみずしさも肌に伝わります。
神様の名前もよくよく見ると、一文字一文字に意味がある。底抜けに明るい日本人のルーツを知りたければ、本書はとても楽しめる一冊でしょう。