生きるのが苦しいなら 仏像と生きた3285日(SALLiA)
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歌手であり、仏像オタクニストとして活動されるSALLiAさんの自伝本です。幼少期から学生時代に壮絶ないじめや不登校、家族や親族との不和などを経験し、「生きるのが苦しい」と感じ続けながら育った彼女が、二十歳の時に出会ったのが仏像でした。
誕生仏を見たことからお釈迦様の人生を調べるようになり、仏教を開いた人物が自分と同じように人生の苦しみと向き合い続けたことを知ります。
歌手として実績を積み始めた時に失声症をわずらい、京都の広隆寺で弥勒菩薩を前に泣いた話。全てから逃れるように東北へ旅立って出会った、中尊寺の阿弥陀如来。立つこともできないほどに足を痛め、必死に歩いた先でつらい気持ちをぶつけた東寺の大日如来。
人生のどん底ともいえるような状況で、それぞれ仏像に心を支えて頂いた場面が赤裸々につづられていました。
そして最終章では仏像の奥にある仏教から得たものが、苦しみだらけの世の中を見る目を変えていきます。SALLiAさんの人生には人より多くの困難が降りかかっていますが、そこまで行かずともきっと毎日つらい気持ちで生きている方には、共感できることが多いと思います。
単なる仏像紹介本ではありませんが、仏像の見方を広げてくれる書籍です。仏像オタクニストがどのように仏像に救われていったのか、ご覧になってみてはいかがでしょうか?