江戸東京の古寺を歩く(巻頭 童門冬二)
江戸東京の古寺を歩く
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徳川家康が江戸に入ったのは、天正十八年(1590)。しかし家康が江戸に入った当初、関東一帯の住民は愛民精神の強かった北条氏に親しみを持っており、家康への反感は強かったそうです。
そのため家康は江戸を治めるためには愛される領主とならなければならないと考え、古くからの寺社を保護する政策を取りました。それが今の東京の原型であり、現在でも東京には多くの寺社が残っています。
例えば浅草寺。境内へと続く仲見世は今でも多くの人で賑わう観光地ですが、創建は推古天皇36年(628)。都内でも最も古い歴史を誇っています。また家康から三代に渡り将軍のブレーンとなった天海建立の寛永寺、徳川家の菩提寺であり、6人の将軍が埋葬されている増上寺など、徳川家と繋がりの深いお寺も多いです。
本書はそんな東京のお寺について、歴史や見所を丁寧にまとめた紹介が魅力です。掲載寺院も上記3ヶ寺や柴又帝釈天、泉岳寺、巣鴨のとげ抜き地蔵尊、高尾山薬王院など、多くの人が訪れる有名どころから、普段はあまり知られず、ひっそりとした隠れた名所まで、全部で52寺。それぞれが1~6ページ程度の分量で、ガイドブックよりも一歩突っ込んだ内容が、実際に散策をする際には非常に役に立ちます。巻末のイベントカレンダー、御利益ガイドも小憎く充実です。
東京のお寺を巡ってみたい方、一つのお寺にじっくりと時間を掛けて散策したいあなたには、是非おすすめの一冊です。
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