ミシュランの三ツ星にも指定された高尾山にあるお寺です。お寺自体は縁結びのご利益をうたっているわけではありませんが、境内には良縁祈願結び処や、縁結びの仏である愛染明王を祀るお堂などがあります。

　高尾山は縁結びのお寺と言うわけではありませんが、境内にはチョコチョコと縁結びスポットがあります。その一つ目が、大杉原の参道を抜けて四天王門を越えた先にあるお守り授与所や御護摩受付所などが並ぶエリア。ここには剣に二匹の龍が絡みついた良縁祈願結び処があります。

　説明版がなかったので確証はありませんが、剣に龍が絡みついているとなれば、これは倶利伽羅剣（くりからけん）でしょうか？　不動明王が持つ剣で、その智慧と力を象徴するものとして、単独でも信仰されています。ただ龍って二匹だったかな？　この辺はちょっとお寺の方に聞けばよかったです。

　ちなみに高尾山の縁結びのお守りには、お守り本体とは別に赤い糸で結ばれた五円玉がついてきます。この五円玉をこの結び処に結んで祈願します（ちなみに結び処は後述の愛染明王のお堂にもあります）。

　もう一つの縁結びスポットは、本堂の向かって右手にある愛染明王が祀られたお堂です。

　愛染明王は「煩悩即菩提」を表し、愛欲やむさぼりなどがそのまま悟りの道であることを示してくれる縁結びの仏様です。

　お堂の中には真っ赤な姿で眉を寄せてにらみつけてくるような、険しい表情をした愛染明王が安置されていました。この厳しさが人を正しい恋の道に導いてくれるのでしょう。

　また愛染明王のお堂の隣には、歓喜天が祀られたお堂もあります。

　『歓喜天』とは像の頭を持つ夫婦の仏が抱き合った姿をしたもので、男女が抱き合うストレートな表現から、縁結びや夫婦和合、子授けの御利益があると云われています。こちらでは和合歓喜天と名づけられていますから、やはり夫婦和合が特に祈られているのでしょう。

　そして本堂から愛染明王のお堂前を通って本社や奥の院へと向かう道の途中には、道祖神がひっそりと佇んでいました。仲良く肩を寄せ合う姿がほほえましく、思わず足を止めてしまいました。

　また他にも最初の杉並木の参道沿いにある茶屋前に、安産子育てにご利益があるお大師様（弘法大師）の石像もあります。安産を祈られる方は、ここでひっそりと手を合わせていくのもよいでしょう。