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高尾山薬王院(東京都 高尾山口駅)の写経会・精進料理・滝行・寺修行体験【くちコミ付き】

高尾山薬王院

基本情報

高尾山薬王院(東京都八王子市)

電話  :042-661-1115(精進料理)
     042-667-9982(琵琶滝寺務所)
     042-665-7313(蛇滝寺務所)
ウェブ :高尾山薬王院
住所  :東京都八王子市高尾町2177
アクセス:京王線「高尾山口駅」から徒歩3分。ケーブルカーで「高尾山駅」下車、徒歩20分
駐車場 :あり
【月例写経】

【精進料理】
精進料理2800~3800円
(要予約)

【修験道】
信徒峰中修行会

【滝行】
入瀧指導料 3000円


特記事項

 写経会は山麓の別院不動院にて、1月を除く第4土曜日午後1時より行われています。

 精進料理は旬を大事にして植物そのものの生命、味わいを生かし、自然の恵みを最大限に取り入れた料理です。

 2~12月の毎月17・27日(蛇滝)、18・28日(琵琶滝)、第一土曜日(蛇滝、琵琶滝)の、蛇滝では12時から、琵琶滝では11時から、滝修行の初心者講習会(要予約)が行われます。介添えと指導はベテランの僧侶に行って頂けます。着替えとバスタオルを準備して下さいとのことです。

 春と秋の年二回、信徒峰中(ぶちゅう)修行会も行われています。礼拝行から始まり、山中回峯行・入滝行・写経・柴燈護摩などが行われる一泊二日の体験修行会で、初心者でも参加可能です。

 川崎大師、成田山と並び、関東の三名山とされる名刹です。


地図


ほーりー記

高尾山薬王院の精進料理

 紅葉の季節に精進料理を頂いてきました。

 精進料理は本道へと続く石段を登らずに奥へと入った客殿で頂きます。この日はカルチャーセンターの講師として20人近い団体で行ったので、毛氈の敷かれた和室に案内され、最初にお坊さんからのご挨拶がありました。お寺について簡単な説明の後、お坊さんが食事の前の言葉を唱え、それを全員で唱和します。

 「この食は 仏の恵み 命の糧を 心静かに 頂きます」

 それを唱え終わると、食事です。メニューは十二穀ご飯、きのこ汁、とろろ、胡麻豆腐、大根おろしとお麩が乗った車麩、精進てんぷら、春菊としめじのお浸し、酢の物、味噌の乗った焼き豆腐、栗のデザートなどがありました。

 特に美味しかったのはとろろでしょうか。高尾山のとろろは昔から参拝者の滋養強壮に振舞われた名物ですが、すごく粘り気があり薄味の出汁がかかっています。これは天狗の好物とも言われているそうです。

 また精進料理定番の胡麻豆腐ですが、もちもちというよりはあっさりした感じでしたが、こちらも美味しかったです。

 そして栗のデザートはチョコレートソースの上にケーキの生地のようなものが敷かれ、その上に甘い栗が乗っています。これが本当に美味しく、実はカルチャーセンターの参加者にキャンセル者が出ていたため余りがあり、おかわりまで頂いちゃいました。

 ボリュームもあり、きのこなど季節の味もしっかり楽しめた幸せ気分の精進料理でした。


ほーりー記

高尾山の琵琶滝

 高尾山の琵琶滝で滝行を行ってきました。

 琵琶滝は高尾山のケーブルカー清滝駅(山麗側の駅)から登山道(6号路)を歩いて20分ほどのところにあります。高尾山はハイカーにも大人気の山ですが、自然豊かで歩いていてすごく気持ちが良かったです。6号路は琵琶滝まではそれほど急な上り坂もなく、比較的楽に歩くことができます。

 琵琶滝に着くと、すでに何人かの方が滝行をされていました。熟練した方々のようで特に指導者もなく、気合いの声を上げながら一人一人順番に滝に入っていかれました。私たちは初心者ですので事前に滝行指導をお願いしていましたが、指導者のお坊さんが来られるまで、しばらく滝行を見ながら待っていました(ただし滝に打たれている姿は、岩に隠れて見えないようになっています)。

 指導者のお坊さんが来ると、まずは滝の近くにある更衣室に案内されて、滝行用の行衣に着替えます。これは背中に「南無大聖不動明王」と書かれた白装束で、男女とも同じものです。幾つか並んでいる中から、自分の身体に合ったものを借りることが出来ました。なお自分で用意するものとしては、白い下着があります。また滝に打たれるときには、時計やアクセサリー類は外します。女性で髪の長い方は(滝行中に髪が口や鼻を覆うと息が出来なくなるので)ゴムなどで束ねるようにします。

高尾山薬王院の滝行

 行衣に着替え終わると、滝行についての説明が行われます。まず一番に注意されたことは、体調の悪い方・持病のある方は事前に申し出るようにとのこと。滝行は無理をすると頭痛やめまい、吐き気などを起こしたり、心臓の悪い方は危険なこともあるそうです。

 この場合には滝行を中止したり、その人の体調に合わせて無理のない形での滝行に切り替えるなど柔軟に対応可能なので、遠慮なくおっしゃってほしいとお話されていました。またこれは滝に入ってからも同じで、身体に不調が生じたらすぐに伝えてほしいとのお話もありました。

 次に滝行の作法についてですが、滝行の作法は更衣室で説明されたものと、実際に行場で説明されたものとがありますが、一緒にまとめて記載します。

 まずは不動明王のご宝号について。滝の側には不動明王が祀られたお堂がありますが、こちらの滝のご本尊は不動明王です。この不動明王のご宝号「南無大聖不動明王」は、滝行の間中、様々な場面で唱えます。

 またこの不動明王を表す印相(手の組み方)も習いましたが、両手の親指と中指で作った輪をつなぎ合わせ、人差し指を伸ばして突き出します。これは輪が羂索、人差し指が剣と、不動明王の持物を表すそうです。なお、右手は神仏を表し、左手は衆生を表す手なので、右手の指が上に乗るように注意します。少し複雑な手の組み方ですが、これは滝に打たれるときの基本的な作法なので、覚えて下さいとのことでした。

 ただし滝に入って頭が真っ白になり、どうしても手の組み方を忘れてしまった場合のために、金剛合掌も習いました。これは通常の合掌ではなく、右手と左手の指を互い違いに重ね合わせる合掌で、真言宗でよく用いられます。また他の方が滝に打たれているときは、金剛拳という手の握り方で腰に手を当てて待っているようにとの教えもありました。

 それと滝行に当たっての心構えも話されました。まず、滝行中は話したり笑ったりなどはしないようにとのこと。初心者の体験修行とは言え、白い行衣で滝の前に立てば、誰でも修行者という目で見られます。修行は自分で体感することも大切ですが、それを見ている方の心に影響を与えることも大事です。琵琶滝はハイキングコースの通り道になっていますが、白い行衣を着て滝に打たれている人がへらへらと笑っていて、「なんだ。滝行ってこんなものか」と思われるようではいけないという注意事項がありました。

 更衣室を出て行場に向かうと、まずは行場の隣にあるお堂に入ります。この時、お線香を四本渡されますがそちらに火をつけ、お堂の中に祀られている弘法大師や不動三尊の前にお供えしました。お線香は火がついた先が左側に来るようにして、寝かせます。またお線香をお供えするときには不動明王のご宝号を唱えるようにします。

 そして全員がお線香を供え終わると、祈祷に入ります。祈祷はお坊さんに合わせてご宝号を唱えたり、錫杖経や般若心経、真言などを唱えます。お経については知っている方は一緒に唱え、知らなければ心の中でご宝号を念じ続けます。

 またお坊さんと一緒に唱えるご宝号は不動明王だけではなく、飯縄権現(いずなごんげん)や神変大菩薩(じんべんだいぼさつ=役行者)、弘法大師や薬王院の開山、中興など、高尾山に関係のある神仏・お坊さんの名前が読み上げられました。そして「一心祈願 水行安全」や「一心祈願 諸願成就」など、祈願の言葉を唱えます。この辺りはお坊さんが最初に一回唱えて、それに続いて全員で二回復唱する(全体で三回になる)形式ですので、分からない方も無理なくついてこれます。そして祈願が終わると、祈祷は終了しました。

 祈祷が終わると行場に移動します。行場ではまず最初に、行場を清めることから始まりました。ほうきやデッキブラシで掃除をし、水で落ち葉などを流していきます。これは結構念入りに行われましたが、身体を動かして滝に打たれる準備体操の意味もあるそうです。

 そして行場にある石仏や石碑(ご神霊)などに火を灯したろうそくを供えます。その後は順番に滝に入っていきますが、ここでも作法は少し複雑です。

 まずは塩で右足、左足、右肩、左肩、そして全身と身を清めていきます。その後に順番が来たら塩と同じ順序で水をかぶり、ご神霊の前で「南無大聖不動明王」とご宝号を7回唱えます。

 滝の前には注連縄が張られ、そこから先は結界であることが示されています。この中には4人(+指導されるお坊さん)ずつ入り、順番に滝に打たれていきます。

 滝つぼはそれほど深くはありませんが、夏でも水が冷たくて待っている間に身体が震えてきました。そして滝の前に行くと足元が石でごろごろしているのと、水の流れがあるのとで、よろけそうになります。それを必死でこらえながら滝の側まで行き、滝の前で三回ずつ二拍手してご宝号を唱え、滝の前にある岩に右手をついて座ります。そして不動明王の印を結んでからお坊さんの後に続いて三回ご宝号を唱え、その後もひたすら滝に打たれながらご宝号を唱え続けます。その間、お坊さんはお経を唱えて下さいます。

 滝に打たれている間の注意点は、まずは頭に水が当たらないようにすることです。これは座る位置で調節できますし、位置が悪ければお坊さんが移動を促してくれます。またご宝号を唱えるときは、大きく腹の底から声を出します。仏様の名前を唱え続けることは不動明王に帰依するという意味もありますが、冷たい水の中でじっとしていると身体が縮こまって呼吸が出来なくなってしまうので、しっかりと声を出すことで呼吸を整え、身体の中の悪いものを外に吐き出します。

 そして約一分ほどでお坊さんから合図があり、お坊さんに続いて三回ご宝号を唱えた後、印をほどいて身体をさすり、全身をほぐします。最後に「えいっ!」と気合いの声を発してから立ち上がり、滝に向かって礼をします。

 これで滝行は終了となりますが、最後に結界を出た後には再度ご神霊のもとに向かい、二拍手してご宝号を7回繰り返します。その後、塩で清めた時に地面に落ちた塩を水で洗い流して終了です。終わった方から行衣を脱いで着替えをし、行場の更衣室に脱水機がありますのでそちらで脱水してから行衣を返します。

 高尾山の滝行は文章でも書いたとおり、作法がかなり多くあり、初心者は確実に迷うと思います。ただ分からなくなりそうなところはお坊さんが丁寧に指導して下さいますし、複数人で一緒に行えばそれを見ることもできますので、初めてでも問題なく滝に打たれることができます。

 私が体験したときは夏場でしたが、滝の水がかなり冷たく、滝つぼに足を浸して前の人を待っているときは身体が震えました。しかし実際に滝に打たれていると不思議と身体がぽかぽかしてきて、待っているときより寒さを感じませんでした。これも仏様の力? もしくは大自然の力? が乗り移ったおかげなのかもしれません。滝から出たときにはくたくたになりましたが、その疲れも心地好く、体も心もすっきりとしてものすごく晴れやかな気分になりました。

 滝行に興味のある方はそれなりに大変な修行ではありますが、是非一度挑戦してみてはいかがでしょうか?


編集部レポート

高尾山薬王院別院不動院

 毎月1回(1月を除く)土曜日の13時より行われている、別院不動院での写経会に参加しました。

 初めに受付で名前などを記入し、参加費を払います。二十数名ほど写経が出来る部屋で、半分位席は埋まっていました。

 私は登山した後に写経会に向かい、ぎりぎり間に合ったのですが、説明はすでにされていたのか初めてで分からなかった為、他の参加者の方に教えてもらいました。

 お水は席の一番前に用意されていて、硯に三分の一位の量のお水を入れて墨をすります。僧侶の方がいらっしゃり、お話、読経の後に写経が始まります。

高尾山薬王院別院不動院の写経用紙

 写経用紙は2枚あるので、1枚を見本の下に敷き、般若心経の見本をなぞっていきます。が、すった墨を細筆で書くのって難しいものですね。墨をするとき、どの位すれば良いのか分からないのと、細筆に墨を付けすぎなのだと思いますが、最初から最後まで所々すごく滲んでしまいました。

 15時の読経が始まる15分程前に、ようやく1枚目を書き終わり、残りの1枚と見本、写経作法次第(写経の作法・お経が書かれてあり、こちらを見ながら読経しました)は、持ち帰って良いとのことでしたので持ち帰りました。

 下山した時はぽかぽか暑いくらいだったのですが、日が暮れるのが早い11月は、写経している途中から手が冷たくなり、書き終えた後は奥にあるストーブで手を温め、隣室に用意されている温かいお茶をいただきました。硯に残った墨は、一番前に置いてある紙で吸い上げ片づけます。

 今回、ご先祖様の供養をしたいと思い、写経会に参加しました。お寺に奉納しお経をあげてもらうと、ご先祖様の供養になるそうです。高尾山薬王院に参拝し、写経もでき、清々しい気持ちになりました。ありがとうございました!

 後日、もう一枚を自宅で写経をし、高尾山薬王院の御本堂に上がらせていただき納経させていただきました!


体験者の声

 年2回、1泊2日で行われる「高尾山信徒峰中修行会」に参加しました。初心者も多く、和気藹々とした雰囲気。先達の方々も親切で、安心して参加できました。

 滝行はもちろん、瞑想(月輪観)、千巻経、写経など、修行メニューてんこ盛りです。私も滝行は初体験でしたが、先達がしっかりと指導してくださったので、フラフラになりながらも楽しめました。

 最後の護摩焚きは圧巻。私が参加した時は特別に「火渡り」もあり、これも体験できました。立派な宿坊は清潔で快適。精進料理も大変美味しく、大満足の修行会でした。



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