江戸・東京 石仏ウォーキング(日本石仏協会編)
江戸・東京 石仏ウォーキング
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東京は日本でも最大級の石仏の街であると言ったら、あなたは驚くかもしれません。しかし東京には石仏が多いです。そんなもの見たことがないぞと思われるかもしれませんが、それでも石仏は多いのです。
では、どこにあるのか。もともと石仏は江戸時代のものが多く、特に庶民の経済力が増大した江戸中期は造立の最盛期を迎えます。文化や経済の中心であった江戸に石仏が残るのは当然で、東京が石仏の街であるというのは、ここにからくりがあります。
しかしビルが林立し、人と建物で埋め尽くされた街には、石仏は何も工夫がなければ残れません。各地の寺院、神社の境内に移され、そこで大切に保存されています。江戸開府400年を経た東京は、幾たびもの地震や火災、太平洋戦争などを乗り越えた石仏が、今も造立当時の姿を良く留めて残っているのです。
本書を読むと、お地蔵様しかないと思っていた石仏が実に多種多彩で、いろんな表情を見せてくれることに気が付くでしょう。そこには人々の真摯な祈りや、素朴な生活がかいま見えます。私達日本人の精神の営みすら、映し出してくれるのです。
石仏巡り。こんなテーマで街を歩くのも、きっと面白いでしょう。あなたも知らず通り過ぎていた石仏に足を止めて、是非過去との会話を楽しんでみませんか?