朱塗りの西楼門が目を惹く祇園の顔とも言える神社です。日本三大祭の一つの祇園祭は、平安時代に疫病が大流行した時に牛頭天王（ごずてんのう）を奉じて疫病退散の祭りを行ったことが起源となっており、もともとは病気平癒のご利益で信仰されていました。祭神の素戔嗚尊（すさのをのみこと）は、この牛頭天王と同一とされています。しかし祇園という立地からご利益は時代が下るにつれて広がり、厄除けや縁結び、商売繁盛などでも信仰されています。

八坂神社の美人祈願お守りと絵馬

　境内には杵島比売命（いちきしまひめのみこと） 、多岐理比売命（たぎりひめのみこと） 、多岐津比売命（たぎつひめのみこと）の三女神が祀られた美御前社（うつくしごぜんしゃ）があります。

　この神様達は美人で有名で、美御前社は名前の通り美人祈願で信仰されています。社殿前には神水が湧き、肌の健康はもとより、心から美しく磨かれる「美容水」として参拝者に喜ばれています。

　そしてお守りには、美人祈願の『美守』があります。このお守りを常に身に付け、心身の清浄を心がけてくださいとのことです。

　また同じく美人祈願ができる『美御前社絵馬』もたくさん奉納されていました。

八坂神社の縁結びお守り・おみくじ・絵馬

　縁結びのお守りもあります。こちらは御祭神の素戔嗚尊（すさのをのみこと）、櫛稲田姫命（くしいなだひめのみこと）の夫婦神、そしてその間に生まれた八柱の御子神の『縁結び守』です。

　素戔嗚尊と言えば、八岐大蛇（やまたのおろち）を退治して櫛稲田姫と結ばれたエピソードが有名です。まさしく恋を掴み取りたい方にはおすすめのお守りです。

　なお、お守りについている鏡は、八坂神社の本殿が映し出されています。

　『恋みくじ』もありました。しかしこれが、実に侮れない。恋みくじで見事、凶が出てくると、普通にへこみますね。ましてや「いつわりの心有れば恋も結びつくことなし」とか、書いてあるし。心に深く刻み込んで、精進いたします。

　ちなみに幸運の鍵は「鏡」とありました。上述した縁結びお守りには鏡がついていましたので、きっとこのお守りが良い方向に導いてくれる気がしています。

　他にも縁結び関係の充実度は目を見張るものがありますが、上は『縁結び絵馬』です。境内にある大国主社に奉納する絵馬ですが、こちらには良縁願掛所がありました。

　大国主命（おおくにぬしのみこと）と言えば出雲大社の神様で、10月（神在月）に出雲に集まってくる日本中の神様を取りまとめて縁結びの会議を開くと云われる、まさしく縁結びのスペシャリスト神様です。小さな敷地ながら、たくさんの女性が熱心に祈られていましたよ。

八坂神社の開運厄除け・健康祈願のお守り

　八坂神社には開運・厄除けのお守りもあります。オーソドックスな形ですが、京都でも人気の高い神社だけに、全方位でご利益を頂けそうです。

　最後に『蘇民将来のお守り』。こちらは素戔嗚尊（すさのをのみこと）を祭神とする神社には良くあるお守りです。

　蘇民将来（そみんしょうらい）とは素戔嗚尊が旅をしていた時、貧しいながらも一夜の宿を求めた素戔嗚を親切にもてなし、その心に感激した素戔嗚が「蘇民将来子孫也」と記した護符を持つ者は、疫病より免れしめると約束されました。

　この故事にちなみ、お守りには「蘇民将来子孫也」と記されています。写真はストラップ型ですが、何種類かこのお守りがありました。

　境内にある『古札納所』には、古くなったお札やお守りを返納することができます。