約1300年の歴史を持つ東京でも屈指の古刹ですが、その創建にはドラマチックな恋物語が伝えられています。柏野の郷長の娘に福満（ふくまん）という若者が恋に落ち、やがて二人は恋仲になりました。しかしそのことを怒った郷長は、娘を池の中島に閉じ込めてしまいます。福満は唐の玄奘三蔵（げんじょうさんぞう）が深沙大王（じんじゃだいおう）の助けにより大河を渡った故事を思い出し、娘に逢いたい想いで一心にお祈りします。すると大王の化身である亀が現れ、福満はその背に乗って娘に逢うことが出来ました。

　この奇瑞(きずい)を知った郷長は二人の中を許し、やがて生まれた男の子が後の満功上人（まんくうじょうにん）です。満功上人は深沙大王を報謝し、深沙大王をお祀りする深大寺を開きました。この縁起により深大寺は、縁結びの御利益で知られています。

　茅葺きの山門は小さいながらも美しく、境内には７世紀末の白鳳仏の釈迦如来像（重文）があります。

白鳳仏とはまだ中国の唐の文化が成熟する前の様式を伝えたもので、西方の異国的な雰囲気が醸し出されています。関東では２体しかない珍しい仏像です。

　また門前には有名な深大寺そばの店が多く、土産物屋も並んでいるのでぶらりと歩くのに適した楽しいスポットです。すぐ近くには都立神代植物公園もあり、季節の花が楽しめます。

　縁結びのスポットとしては、満功上人作の深沙大王が祀られている深沙堂があります。両親の恋を助けた神様であり、良縁祈願に訪れる方や絵馬を奉納される方も多く訪れていました。

　また秋の恒例行事『深大寺そば祭り』で振る舞われる「縁結びそば」や、執り行われる「縁結び特別護摩」などもぜひお参りしてみたいところです。

　深大寺にお参りして縁を結んでいただきました。地元に住んでいながら、縁結びにご利益があると知ったのは数年前のことでした。

　当時別れた彼と復縁したくて、わらにもすがる思いで何度も足を運びました。別れて半年後思いがけず復縁し、その１年後に入籍することが出来ました。その間の出来事は、自分でも考えられないほどラッキーなものでした。復縁後は彼の方が一緒に暮らすことに積極的でしたし、両親に会うのもすんなりクリアしました。

　それと、もうひとつ。

　同僚がお付き合いをしている方とうまく行かず悩んでいたときに、一緒に深大寺に何度かお参りしました。はたから見ても、ちょっと結婚までは難しいかな？　と、思いましたが……彼女もこの秋に結婚することになり、２人してこんな偶然はないよね！　深大寺はすごいね！　と。盛り上がりました。