すぐわかる絵巻の見かた(榊原 悟 監修)
すぐわかる絵巻の見かた
榊原 悟 監修 Amazonで購入 |
お寺や神社、美術館などを回っていると、古い絵巻に出会うことが良くあります。この絵巻、何となくよく分からずに、通り過ぎていることはありませんか?
私はまさにそうでした。視覚的に一目で完結する絵画と違い、絵巻は縦横比に極端な差があるのが特徴です。それは絵の中に時間の流れ(ストーリー性)を生み出しますが、逆に話の内容を理解していないと、意味が分からないと言うことにもなりかねないのです。
そこで便利なのが本書です。「源氏物語絵巻」や「鳥獣人物戯画」、「信貴山縁起」などを始め、美術館でも良く展示される日本の代表的な絵巻三十二点について、そのあらすじや登場人物、見どころを分かりやすくポイントを押さえて解説してくれます。
また絵巻で用いられる技法や分類など実際の鑑賞に役立つ視点や、絵巻年表、所蔵寺社・美術館の一覧、さらには絵巻の舞台を盛り上げるコラムなど、初心者には嬉しい情報も充実しています。
読むだけで絵巻が好きになり、実際に本物に触れてみたくなる。この本にはそうした魅力があります。
小さな絵巻に込められた、壮大な物語とたおやかな美の表現。その素晴らしさを見過ごしていた方におすすめです。あなたも一度、絵巻の世界に足を踏み出してみませんか?