祭神は素盞鳴尊(すさのおのみこと)・大年神(おおとしのかみ)・伊奴姫神(いぬひめのかみ）の三柱ですが、社名の由来にもなっている伊奴姫神は大年神の妃で、子授け、安産、夫婦円満、家内安全等ご利益があります。

　伊奴神社の創建には次のようなお話があります。昔、洪水に困っている村人のために山伏が御幣を立ててお祈りをすると、その年は洪水もなく豊作になりました。しかし御幣に興味を持った村人が中身を開けて見ると、一匹の犬の絵と犬の王という文字が書いてあったそうです。御幣を開けてしまったことでご利益がなくなり、次の年から再び洪水に見舞われるようになると、山伏は「御幣を埋め、社を建て祀れ」と云って立ち去ります。云われたとおりにしたところ、以後洪水はなくなり稲がよく穫れるようになったとのことです。それが伊奴神社の始まりで、伊奴は犬のことを指します。

　そして犬は安産（お産が軽い）の象徴ともされる動物です。このことから安産祈願の神社として信仰されています。また本社の前には安産にご利益がある犬の像が建てられています。