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京都で様々な動物に守護された神社・お寺25選

 京都の寺社では、神様や仏様のお使いや神話・伝説に由来する様々な動物(像や絵など)を見ることができます。また御朱印やお守り、絵馬などに描かれ、お参りの楽しみを広げてくれる存在です。

 そこでここでは動物の種類ごとに、お勧めの寺社を紹介します。新しい動物を見たら随時増やしますので、よろしければ京都旅行の前にでも、チェックしてみてくださいね。

京都で様々な動物に守護された神社・お寺25選

犬 即成院

即成院の犬

 東福寺駅から泉涌寺に向かう道の途中にある即成院には、境内に犬がいます。一対の阿吽像になっていますが、狛犬ではありません。

 奥には弘法大師・空海の像が立っていますが、これは空海が密教を広める道場を開く場所を探していた時、白と黒の2匹の犬が高野山へと導いてくれたという話に由来します。

 阿像の方はちょっと伏せた姿で、かわいらしいです。吽像はお座りしていて、心なしかきりっとしてますよ。

猫 称念寺

称念寺の動物お守り

 称念寺は猫寺と呼ばれるお寺です。こちらは昔、お寺が荒廃していた時に住職が飼っていた猫が松平家とのご縁を結んで再興してくれたといういわれがあります。これ以降、このお寺では猫の霊を厚く守護するようになりました。

 本堂の前にある松は伏した猫の姿になぞらえて植えられたものと云われています。また猫のお守りもあり、愛猫のために訪れる参拝者などに人気です。

猿 八坂庚申堂

八坂庚申堂の三猿

 八坂庚申堂はいつも観光客で賑わう、東山にあるお寺です。こちらの本堂には「見ざる聞かざる言わざる」で有名な三猿がいます。

 庚申とは人間の体内にいる三尸の虫が、寝ている間に天帝に悪行を告げに行く日のことで、悪いことをした人間はそれによって寿命が縮まると云われています。このため猿はそれを「見るな、聞くな、言うな」とそれを封じる意味があります。

 八坂庚申堂の三猿の中では、私は特にくりっとした聞かざるの目が好きです。またこのお寺には境内のあちこちに『くくり猿』というカラフルなお守りがたくさんぶら下がっていて、それらを見ているだけでも楽しくなりますよ。

牛 北野天満宮

北野天満宮の牛

 北野天満宮のご祭神・菅原道真公(天神様)は丑年生まれです。そして亡くなった時に牛車でご遺骸をお運びし、牛が座り込んで動かなくなった場所に埋葬されました。このため牛は天神様のお使いであり、北野天満宮には多くの臥牛の像を見ることができます。

 またこれらの牛は頭をなでれば学問成就、身体の悪い所をなでれば病気平癒といったご利益があると云われています。特に境内の北西にお祀りされている北野天満宮でも最も古い臥牛は、江戸時代から「一願成就のお牛さま」として親しまれています。

馬 藤森神社

藤森神社の神馬像

 伏見区にある藤森神社は、毎年5月5日に行われる藤森祭で駈馬(かけうま)神事が行われることから、馬の神様として信仰されています。境内には疾走感あふれる神馬の像があり、馬のお守りや絵馬も種類豊富です。

 競馬が好きな方が必勝祈願に訪れたり、馬主や騎手もお参りに来られたりしていますよ。

鹿 法音院

法音院の寿老人と鹿

 泉涌寺の近くにある法音院は、泉山七福神の寿老人が祀られているお寺です。この神様は道教に由来していますが、鹿は神聖な動物とされており、傍らに鹿を連れています。

 泉山七福神は毎年1月の第2月曜日(成人の日)に開催されており、泉涌寺山内の塔頭を回って開運を祈る行事です。ただ寿老人はこの日以外もお参りすることが可能です。境内には鹿の像もありましたよ。

狸 狸谷山不動院

狸谷山不動院の狸

 狸谷山不動院は洛北の一乗寺村にある狸谷と呼ばれた地に建てられたお寺です。ここに刻まれた不動明王は平安京の城郭東北隅に鬼門守護として祭祀されたタヌキ(咤怒鬼)不動明王と同一視され、多くの方に信仰されました。

 境内には参拝者が奉納した狸の置物が至るところにあり、その数は約300体ほどとのことです。また狸のお守りやおみくじなどもありますよ。

狐 伏見稲荷大社

伏見稲荷大社の狐

 言わずと知れたお稲荷さんですが、狐はご祭神のお使いです。伏見稲荷大社には境内に数えきれないほど多くの狐を見ることができます。

 そのポーズや持っているもの(くわえているもの)も様々で、それらを見ながら境内をあちこちお参りするのも楽しいですよ。

うさぎ 岡崎神社

岡崎神社の兎

 岡崎神社は平安京が生まれた時に、都の東側(卯の方角)に建てられた神社です。また当時は一体が野兎の生息地でした。このため岡崎神社では、うさぎは神様の使いとされています。

 うさぎは多産な動物でもあり、安産のご利益があると云われています。また境内には様々なうさぎ像がありますが、空を見上げて月の力を受けているうさぎや、恋愛成就・金運のうさぎなどもいます。

ねずみ 大豊神社

大豊神社の狛ねずみ

 哲学の道の途中にある神社です。境内にある大国社には社殿の前に珍しい狛ねずみが鎮座しています。これはお祀りされている大国主命(おおくにぬしのみこと)が日本神話の中で鼠に助けられた話に由来しています。

 向かって左のねずみは水玉(水器)を抱えていて、縁結び・子授け・安産・繁栄のご利益があります。また右のねずみは巻物を手に持っていて、縁結びと学業成就のご利益がありますよ。

虎 建仁寺両足院

建仁寺両足院の毘沙門天堂

 建仁寺の塔頭・両足院の境内には、毘沙門天をお祀りするお堂があります。毘沙門天は寅の年・寅の日・寅の刻に、聖徳太子の前に現れたと云われており、虎は毘沙門天の眷属となりました。

 両足院の毘沙門天堂にも正面の左右に虎が並んでいます。

猪 建仁寺禅居庵

建仁寺禅居庵の猪

 建仁寺の塔頭・禅居庵に祀られている摩利支天は、古くから七頭の猪に乗った姿で描かれてきました。猪は古代インドや西アジアで素早さが智慧の迅速さや勇敢さを表すものとされています。

 禅居庵の境内ではたくさんの猪を見ることができ、おみくじが入っているかわいいイノシシはあちこちにずらっと並べて奉納されています。

鳩 首途(かどで)八幡宮

首途八幡宮の鳩

 西陣の街中にある神社です。八幡神のお使いは鳩とされており、この首途八幡宮にも境内の手水舎や屋根瓦などに見ることができます。

 こちらは源義経が奥州平泉に赴く際に道中の安全を祈願したと伝わりますが、鳩は導いてくれる鳥とも云われていますので、こちらにお願いすれば人生も良い方向に進ませて頂けるかもしれません。

鶴 豊国神社

豊国神社の目無しの鶴

 豊臣秀吉公を祀る豊国神社の総本社です。本殿の正面に建つ唐門(国宝)には、目無しの鶴と呼ばれる彫刻があります。これは名工・左甚五郎が彫ったもので、あまりに出来が良かったので目を入れると魂が宿って飛び去ってしまうのではと、あえて目を入れなかったという伝説があります。

 正面上部の欄間にありますので、お参りした時にはぜひ見上げてみてください。

雀(すずめ) 東本願寺

東本願寺の雀

 京都駅のすぐ近くにある、真宗大谷派の本山です。境内の奥にある大寝殿(だいしんでん)には、竹内栖鳳(たけうちせいほう)の障壁画があり、愛らしい雀がたくさん描かれています。

 普段は非公開ですが、特別公開期間や行事などで入れる時があります。もしも拝観できるときがあれば、ぜひ雀にも注目してくださいね。

鳶(とび) 大豊神社

大豊神社の鳶

 大豊神社は哲学の道沿いにある神社ですが、境内にある愛宕社には狛鳶が建っています。鳶(とび)はタカ科の鳥で、「ピーヒョロロ」と鳴きながら輪を描くように飛ぶ姿は、地域によっては馴染みある方も多いでしょう。

 そして愛宕神社の総本宮は京都の愛宕山にありますが、この愛宕社の鳶は山を空からお守りする鳥として鎮座しています。

亀 東寺(教王護国寺)

東寺(教王護国寺)『亀絵馬』

 日本一高い五重塔や立体曼荼羅で知られる東寺(教王護国寺)ですが、こちらの七不思議のひとつに、亀の背中に名前を書いて放すと健康・長寿になるというものがあります。

 今はさすがに名前を書いて放すことはできませんが、代わりに亀の絵が描かれた絵馬がありました。こちらに名前を書いて奉納すると、病気にならず健康に過ごせるご利益が頂けるかもしれません。

蛙 建仁寺

建仁寺の蛙の大硯

 臨済宗建仁寺派大本山です。こちらの境内には建仁寺の襖絵を描いた画家の田村月樵(たむらげっしょう)が愛用した大硯があります。

 蛙がはらばって前進してゆく様子を月樵自身が刻み付けたというもので、この大きな硯を使って襖絵などが描かれました。

ムカデ 勝林寺

勝林寺のムカデ

 東福寺の塔頭・勝林寺には平安時代の毘沙門天像が安置されています。毘沙門天はムカデを眷属にしていますが、ムカデは前にしか進まないことから勝ち運や、足(おあし=銭)がたくさんあることから金運のご利益があると云われています。

 勝林寺はこのムカデを描いたマークがあり、看板やのぼりなどあちこちに描かれています。ムカデらしからぬにこにこした顔(に、見えるのは私だけ?)がチャームポイントです。

蝉 知恩院

知恩院の蝉

 浄土宗の総本山で、国宝の御影堂(みえいどう)には大扉に蝉をかたどった落とし金の意匠があります。

 気が付かずに通り過ぎてしまいがちなので、お参りした時は注意して探してみましょう。そんなに難しくはないので、きっと見つかりますよ。

魚 萬福寺

萬福寺の開梛(魚梆)

 宇治の山麓にたたずむ黄檗宗の大本山です。こちらの回廊には魚の形をした開梛(かいぱん)が吊るされています。これは修行中のお坊さんに時間を知らせるため、叩いて音を鳴らす仏具です。

 魚はまばたきをしないため、修行中に眠ることを防いだり、一生懸命働く象徴にもなっています。また口から出ている玉は煩悩の塊で、体内から吐き出そうとしている様を表しています。

 魚梆(ぎょほう)、魚鼓(ぎょく)とも呼ばれ、木魚の原型でもあります。

鯛 乃木神社

乃木神社の幸せになり鯛

 乃木神社の境内にある山城ゑびす神社には、『幸せになり鯛』が鎮座しています。すがすがしいほどのダジャレですが、恵比須様は鯛を抱えた姿であることが多いので、鯛が奉納されています。

 その隣には商売繁盛の鯛もいますが、恵比須様は商売の神様でもあるのでお仕事がうまくいって幸せに導いて頂けそうですね。

鯉 御香宮神社

御香宮神社の琴高仙人と鯉

 拝殿の正面軒唐破風には色鮮やかで精緻な彫刻が多数彫られていますが、その中でも目を惹くのが鯉に乗った仙人です。こちらは琴高(きんこう)仙人という名前で、龍を捕えるために鯉に乗って水中から現れたという物語が伝わっています。

 またその隣には鯉が滝を登ると龍になるという伝説を描いた場面も彫られていますよ。こちらも美しいので、お参りした時はぜひご覧になってみてください。

うなぎ 瀧尾神社

瀧尾神社の鰻絵馬

 瀧尾神社の境内にある三嶋神社は、鰻(うなぎ)が神様のお使いというちょっと珍しい神社です。こちらには二匹の神鰻が描かれた子授祈願絵馬と、三匹の神鰻が描かれた安産祈願絵馬があります。

 また毎年10月26日には鰻放生大祭(うなぎ祭)が行われ、全国のウナギ業者が参加してウナギが神池に放たれます。

なまず 妙心寺退蔵院

妙心寺退蔵院『屋根瓦』

 妙心寺の塔頭で、国宝の「瓢鮎図」が有名なお寺です。この瓢鮎図とは、ひょうたんでなまずを捕まえるにはどうしたらよいか? という禅の公案をテーマに描かれた水墨画で、境内にはなまずの屋根瓦がありました。

 ちょっと焦点が定まってなさそうなまん丸な目が、どこか楽し気な気分にさせてくれます。



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寺社旅研究家のほーりーが立ち上げた、宿坊研究会の編集部。日本全国300件以上の宿坊を紹介し、宿泊者の体験談も多数掲載! 全国の座禅会・写経会・精進料理などの寺社体験もレポートしています。

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