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イタリアン精進料理と本堂バーが人気の光澤寺宿坊(鳥取県八頭郡)

光澤寺

基本情報

光澤寺(鳥取県八頭郡)

電話  :0858-84-1650
ウェブ :光澤寺
住所  :鳥取県八頭郡八頭町南398
アクセス:・若桜鉄道「丹比駅」下車、徒歩10分
     ・JR山陰本線「鳥取駅」から若桜方面行きの日交バス「丹比駅前」バス停下車、徒歩10分
駐車場 :あり
時間帯 :チェックイン14時・チェックアウト12時
【宿坊】
 一泊二食 10000円
 9000円(3人以上のグループ)
【お寺体験】
 希望する体験+イタリアン精進料理+コーヒー+和菓子のセット 1500円

特徴・見所

 1592年の開基と伝えられ、甲斐武田家を源流に持ち、寺紋にも甲斐武田家の裏紋である花菱が使われるお寺です。自然に囲まれたお寺で、一日一組限定の宿坊が営まれています。宿坊には庭園や談話スペース、図書室とCafe&Barなど、ゆったりと過ごせる空間が整っており、自然の中で静かに滞在することが出来ます。

 また希望者は仏教に親しむ講座(受講料無料)に参加することも出来ます。

 仏教に親しむ講座には、(1)仏教講座 (2)浄土真宗講座 (3)歎異抄講座 (4)正信偈講座 (5)作法 (6)写経 (7)ウィパサナー瞑想 があります。全てを受講すると仏教と浄土真宗の基礎知識を学んだことになり、 全部受講された方には記念品と修了証が授与されます。なお、これらは全て自由参加で、参加されなくても構いません。

 なお、朝夕にはお勤めがありますが、これは出来ればお参りして下さいとのことです。

 また日帰りでのお寺体験も受け付けられています。写経・瞑想・絵手紙・おつとめ(読経)・法話・仏教講座・悩み相談などがあり、これらの希望される体験と、イタリアン精進料理+お茶とコーヒー+和菓子のセットとなっています。

 なお、光澤寺では『やずブータン村』構想と言うものを掲げられています。これは国民総幸福度が世界一高いブータン王国に習い、お寺を中心にローコスト地域支援システム&定住促進モデルを構築し、過疎化の進む地域を活性化させようという取り組みです。買い物・医療・介護・死後の問題、そして託児所や食事サービスなど、現在の行政では対応が難しいところのスキマをうめながら、子育て世代も高齢者も誰もが安心して暮らせる地域コミュニティ作りを進められています。


地図


お寺から

 何もない田舎の休日。お寺でゆっくりしてみませんか、一日一組だけの宿坊です。目の前には日本のふる里の原風景があります。ただそれだけのお寺です。

 そこには仏教や浄土真宗の講座、写経や瞑想。思い思いの過ごし方があります。お葬式や法事やお墓、仏教やお寺への疑問や聞いてみたいこと。できるかぎりお話し致します。悩みやご相談でも構いません。もちろんご希望があれば、ご法事もおつとめさせていただくことができますよ。

 料理は浄土真宗なので、採れたての食材をそのまま。その「いのち」をいただくことに感謝する。なので魚やお肉も出しますし、お酒は適宜合うものをサービスで。

 食材・日本酒・ワインは地元のもの。手打ち蕎麦や精進料理も、そのときの季節と思いつきと宿泊者の希望によって決めます。

 料理はいまだに坊守と一緒になって勉強中。なにしろ一日一組ですので、お寺で一緒に食事をするイメージですね。という私も、肴をつくることを趣味としております。

 光澤寺はお寺を身近に感じていただく、あなただけのお寺。そんなお寺を目指しています。それが「光澤寺スタイル」なのです。

 住職と坊守の二人で、いつでもお待ちしております。


ほーりー記

 寺社コン企画や地域活性をテーマとした講演を行わせて頂いた関係で、3泊させて頂きました。このため通常の宿泊とは少し違いますが、体験メニューは一通り行わせて頂いたので、それほど大きな違いはないと思います。

田園風景に囲まれた光澤寺の宿泊風景

 宿坊は若桜(わかさ)鉄道の丹比駅から、少し歩いたところにあります。この若桜鉄道は沿線全体が国の登録有形文化財という、鉄道ファンには人気の高い路線です。そして鳥取方面から丹比駅に乗っていると、沿線沿いに柿の木が本当に多いことに驚きます。私が行ったのはちょうど柿の実がなる秋でしたが、オレンジ色の実が鮮やかで、強烈に鳥取の里の風情を感じさせてくれました。

光澤寺の本堂

 丹比駅に着き、お寺に到着。お寺にも西条柿がなっています。どろどろになるほど熟れていて(ご住職はどろどろの柿は苦手と言っていましたが)、ものすごく甘くて美味しかったです。

 また、夕方になると本堂でお勤めがあります。本堂には椅子が並んでいるので、正座が苦手な方でも心配はいりません。唱えたお経は『重誓偈(じゅうせいげ)』でした。これは阿弥陀如来がすべての人々を救うことが出来なければ決して仏にはならないと、重ねて誓っている言葉とのことです。

光澤寺のお勤め

 それほど長いお経ではありませんが、ご住職と一緒に声を出してお経を読むことで、とてもすっきりとした気持ちになりました。

 なお、この夕のお勤めの時にはご焼香もします。この時の作法は左足から動くこと。そしてご本尊の前に来て、揖拝(ゆうはい) します。これは上体を約15度前方に傾ける軽い礼です。その後、着座して1回だけ香をつまみ、拝まずにそのまま香炉にくべます。お焼香が終わったら合掌して礼拝。これは45度の角度で礼をします。そして右足から下がって元の席へ戻ります。

 このような感じで作法は少し複雑ですが、始める前に住職が丁寧に説明して下さいましたし、また慣れていないので間違ったとしても特に怒られるわけでもありません。お寺にはこんな作法があるんだという練習のような気持ちでも、良いかと思います。

 それと説明の中で一つ心に残ったのが、「仏教の作法には“ながら作業”はない」ということでした。一つ一つ、まっすぐに集中する。日々の生活の中でもとても大切なことですが、我が身を振り返って思わず反省させられるお言葉でした。

 お勤めが終わるとお風呂です。光澤寺のお風呂は小さな内風呂ですが、通常は一日一組限定ですので、それほど待つこともなく順番に入れます。ただ寺社コン時は大勢でしたので、特別にみんなで近くにある鍛冶屋温泉に行く事になりました。

 温泉分析書によると、ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉(低張性 弱アルカリ性 冷鉱泉)で、神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え性・病後回復期・疲労回復・健康増進などに良いそうです。町営の温泉施設で特にすごい設備があるわけではありませんが、お風呂は広々としていてとても気持ちよく入浴することができました。

光澤寺の名物・イタリアン精進料理!

 汗を流して身体も心も温まり、温泉から帰ってくるといよいよ夕食。こちらの名物は、なんとイタリアン精進料理! そのメニューは、ぎんなんときのこのリゾット、油揚げと水菜のパスタ、ひじきとペンネ、大根の粒マスタード添え、さつま芋とオレンジ、豆乳ときのこのスープのオリーブオイル添えです。

光澤寺のイタリアン精進料理

 そして食事ですが、まずは食前の言葉をお唱えします。ご住職が「多くのいのちと、みなさまのおかげにより、このごちそうをめぐまれました」と唱え、全員で一緒に「深くご恩を喜び、ありがたくいただきます」と唱和します。また食後の言葉は、「尊いおめぐみをおいしくいただき、ますますご恩報謝につとめます」とのお言葉があった後に、「おかげで、ごちそうさまでした」と続きます。

 これをみんなで唱えてから、夕食開始! 見た目にもすっごくオシャレで、この夕食が出てきたときにはみんなのテンションが上がりましたが、実際に頂くとこれがもう絶品でした♪ 特に私のおすすめは、豆乳ときのこのスープのオリーブオイル添え。きのこがすり潰されているのでしょうか。口に含むと香りがふわっと漂います。

 またさらに、イタリアン精進料理とは別に、鳥取名物の親ガニを用いたカニ汁(!)やほうれん草の胡麻和え、ポテトサラダとブロッコリーなどが出ました。この日は宿泊者全員の懇親会も兼ねていましたので、そのまま鳥のから揚げ、かいわれのちくわ巻き、ポテトに枝前、おやつなどがお酒と共に出て、夜中遅くまで盛り上がってしまいました。

光澤寺のカニ汁

 ただ通常時の夜は、主にご住職や坊守さんと一緒にご飯を頂きます。私も寺社コン前後の宿泊日は食事をご一緒させて頂きましたが、光澤寺で宿泊者を一日一組限定にしているのは、このように一緒の時間を過ごすことを大切にしたいからとのことです。また実際に、仏教について様々なお話をしたり人生相談をしたりなど、いつも一番濃密な時間になるとのことでした。

翌朝は本堂でお勤めからスタート

 朝は7時からお勤め。本堂に移動して、仏説阿弥陀経を読みました。これはSMAPの大ヒットソング『世界に一つだけの花』が生まれる元となったお経でもあります。作詞・作曲をした槙原敬之さんは本曲を作る3年前に逮捕されましたがその時に仏教と出会い、この名曲が生まれたそうです。

 また別の日には、讃仏偈と正信念仏偈を唱えた時もありました。これらは京都の西本願寺の朝のお勤めで唱えられているものとのことで、讃仏偈は阿弥陀堂で、正信念仏偈は御影堂でそれぞれ唱えられるとのことです。また讃仏偈はお経なので「つ」と書かれた部分は「ん」と発音するなど、様々なお経の読み方も教えていただきました。

 朝食はこれも大人数だったこともありますが、お粥を頂きました。お粥と油揚げの味噌汁、梅干、コブ、しらすと大根おろし、玉子焼き、かまぼこ、鳥取名物の豆腐ちくわです。そしてなしや庭で採れた柿なども出して頂きました。

光澤寺の朝食(朝粥)

 少人数だった日の朝食は、パンとハム、玉子焼き、レタス、味噌汁、ヨーグルト、オレンジジュースでした。その日によってもいろいろ違うと思います。ただ鳥取はご飯一つ、野菜一品とっても素材が新鮮で味が深くて、本当に美味しいです。毎回毎回、食事の時間が本当に楽しみでしたが、美味しいものばかりで帰りたくなくなるほどでした。

心がすっと軽くなる瞑想&写経体験

 朝食が終わった後は、瞑想を体験させて頂きました。

 こちらの瞑想は古くから仏教に伝わる「気づきの瞑想(サティ)」という瞑想で、自分を観察してありのままの自分を見ていくようにします。まずは座布団に座った姿勢から、身体を一度前に倒して状態を起こしながら骨盤と背骨が安定する位置を探し、手は膝の上に乗せて手のひらを上に向け、目を軽く閉じて呼吸を整えます。

光澤寺の瞑想体験

 この時「今、私は呼吸をしている」と、実況中継しながら自分自身を観察します。そしてゆっくりゆっくりと立ち上がり、少しずつ歩きながら、同じく一つ一つの動作を心の中で中継します。そしてもしも動作とは関係のないことが浮かんだら、「妄想、妄想」と唱えて心から消します。これは普段の生活の中でも使える、心の負荷を軽くする方法とのことです。

 また、「慈悲の瞑想(サマタ)」と言うものも指導していただきました。これは自分の幸せ、親しい人たちの幸せ、生きとし生けるものすべての幸せ、さらには自分が嫌いな人の幸せまでも願い、それを言葉にしていくものです。

 これらをやって見ると、気づきの瞑想からは普段は意識していない一つ一つの筋肉の動きに気がつき、慈悲の瞑想からは重りを背負っている心が少しときほぐれたような感覚がありました。人によっても違うかもしれませんが、確かに普段の生活の中でふとやってみたら、気持ちがゆっくり落ち着いてくるかもしれません。他の方もみんな、終わった後はさっぱりした表情をしていました。

 続いて、写経。こちらで書写するお経は、重誓偈と般若心経を選べます。ちなみに浄土真宗のお寺なのに般若心経? と感じる方もいるかもしれませんが、宗派にこだわらずに宿坊に泊まる方もいるし、一番知られている般若心経は用意しておいたのだそうです。

光澤寺の写経体験

 こちらでは硯に墨汁を入れ、筆を用いて写経します。お手本の上に写し紙を乗せて書き写す形式ですので、初めての方でも問題なく行うことが出来ます。まずは合掌をして心を落ち着け、それから筆に墨をつけます。そして写経の始まりです。

 ちなみに私は般若心経はあちこちで写経をしているので、今回は重誓偈を選ばせて頂きました。朝のお勤めでも読んだ、阿弥陀様の誓いの言葉です。般若心経より少し短い229文字ですが、丁寧に書き写していくとやはり気持ちが落ち着いてくるのを感じました。

 そして写経が終わったところで、一泊二日の体験は終了しました。ただ今回は瞑想と写経を中心に指導して頂きましたが、光澤寺では様々な仏教体験を用意されていますので、希望に合ったものを選んで行うことが出来ます。

光澤寺の素敵な宿坊客室

 また客室は通常であれば、庫裏の奥に離れのようになっている、洋室で宿泊できます。こちらは6畳くらいの部屋が二間続きで、ベッドが二つあります。タオル、バスタオル、部屋着、歯ブラシあり。お茶のセットやマッサージ機、アロマグッズなども置いてありました。他には一階、二階あわせて4部屋ほど和室があります。

光澤寺の客室

 お風呂はシャンプー、ボディーソープ、ドライヤーがありました。またそのうちにですが、露天風呂も作れないか検討をしているそうです。

 それと談話室には仏教関連の本がたくさんあり、漫画も置いてあります。時間があればこちらでゆっくり読書というのも、良いかもしれません。他にも宿坊には至るところに椅子が置いてあります。もともとご住職が椅子好きとのことですが、素敵なデザインの椅子があちこちに置かれてあり、見ているだけでも楽しめました。お庭やお寺の前に広がる山の風景もきれいですので、気に入ったところに座ってゆっくり過ごすのも良さそうです。

 なお、近くには仏師や陶芸家が住んでいて、都合が合えば体験させて頂けたり、お寺の周りに広がる田園風景を散歩したりすることができます。好みに応じてゆっくりと時間を過ごすことができる、とても穏やかな宿坊でした。


宿泊者の声

 鳥取県の光澤寺に宿泊しました。1泊2食7500円で、仏教講座を聞き、絵手紙を書いて、瞑想しました。平成24年の春から宿坊として始められたという事で、施設としては値段の割りにきれいだと思います。風呂は小さいので多人数では少し大変かもしれません。食事は地元のもので、お酒も大丈夫なので、おなか一杯でした(喫煙箇所も屋内で用意してもらいました)。

 お勧めは何と言っても住職さんとの会話でしょうか。午後2時30分から翌日12時まで宿坊の時間一杯いたのですが、仏教の話とか、世間話とか、住職さんの夢とかを、講座、瞑想体験、食事中を通していろいろ話すことが出来ました。講座や体験はまだまだ手探りと感じましたが、話をしながら柔軟に対応してもらいました(感謝です)。家に帰ってみれば、随分お得な感じを受けてます。

 ただし、安く泊まりたいだけの方には地の利は悪いかもしれません(コンビなどは近くにはありません)。


宿泊者の声

 鳥取県の光澤寺に日帰り体験プランが出来ましたので、体験してきました。

 午前中はお勤めに参加し、露天風呂に入浴しました。露天風呂は今年(2013年)完成したばかりの、大人二人がゆったり入れるものです。青空がきれいに見えて風が心地よかったです。(洗面台やカランが2つ備え付けてありました)

 昼食はイタリアン精進料理で、夏バージョンの料理だそうですが、冷製パスタや冷たいスープなどと、食後に珈琲と和菓子も頂きました。すべて美味くいただき、お腹一杯になりました。

 午後は写経や絵手紙も可能でしたが、お寺に並べてあるイスに座って読書をさせてもらいました。やはり風が心地よく、エアコンが無くても気持ちよかったです。

 最後に住職さんといろいろ話をして、終了しました。ちょっと外に出たいなと思うときに、何回でも行きたいなと思います。近くにコンビニが出来ていて、便利になりました。


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宿坊研究会編集部

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