大山寺の今に残る山内十ヶ院の一つ、中門院谷塔頭の観證院として、三百五十年以上の歴史を今に伝える宿坊です。不動明王を本尊としています。

　料理は大山寺に伝わる秘伝の山菜精進料理です。大山寺は標高八百米以上の高地にあり、気温の低さと土地が痩せている為、田畑が出来ません。このため昔から大山で採れる山の幸・山菜を独自の方法で保存して使う独特の精進料理が生まれました。この特別な精進料理を頂く事ができます。また宿坊宿泊者だけでなく、4月～12月の間は食事のみの利用も可能です。

　またお風呂は人工ミネラル温泉です。宿泊翌日の登山、散策後に入浴することもできます。英語対応も可能です。

　紅葉もまだ少し残る、日中は20度ほどの暖かい11月に宿泊しました。宿坊までは途中から参道を通るので、参拝客や登山客に気を付けながら車をゆっくり走らせます。車は５台ほど駐車されていましたが、広めの駐車場でしたので余裕をもって停められました。

■宿坊の玄関

　宿坊まで石畳の階段を登ります。玄関は広く、和の装飾の落ち着いた感じで素敵でした。歴史のある宿坊なので、施設は古さもありますが綺麗にされていました。窓から見える紅葉や、部屋から見える夕日も綺麗でした。

■宿坊の客室

　お風呂は麦飯石の人口ミネラル温泉で、貸し切り状態でのんびりと入らせていただきました。

きのこづくしの精進料理

　夕食は窓からお庭が見える個室に案内され、精進料理をいただきました。

　秋の季節のきのこを中心とした精進料理で、なめこ・まいたけ・たんばしめじ・ひらたけや、ならたけ・むきたけ・ぶなはりたけなどの珍しいきのこもあり、興味深く、美味しく頂きました。

■精進料理

　まいたけの土瓶蒸し、胡麻豆腐、きのこと山芋と柿の天ぷら、大山おこわ（季節ごとに具材は違うそうです）、赤米のお吸い物、黒米のお餅のあんかけは香ばしくてとても美味しかったです。

　甘い香りの甘味が強く感じる黒文字の食前酒と、食後にはなた豆茶をいただきました。お腹一杯で大満足の精進料理でした。

　なお、朝食も丁寧に調理された和食で、美味しかったです。

■朝食

　他には宿坊オリジナルブレンドコーヒーもありました。

■宿坊コーヒー

写経や写仏が体験できました

　夜遅くなってしまったのですが、21時から写経をさせていただきました。4人程が座れるスペースで、写経の写しを下から明るく照らす装置のようなものの上にお手本等を置き、筆ペンで写経をします。

■写経用紙

　暖房の効いた暖かい部屋で、約1時間ほど般若心経を写しました。書き写した用紙は、持ち帰ってもよいそうですし、お焚き上げもしてくださるそうです。毘沙門天や弁財天の写仏も出来ます。

　写経部屋のお隣には、お強そうなご本尊の不動明王がいらっしゃいました。

■ご本尊の不動明王

　またその隣には、阿字観の出来る部屋がありました。

■阿字観の掛け軸

　大山は大山寺や大神神社があり、登山も出来ます。宿坊から少し下るとお土産物売り場やカフェもありました。山楽荘さんは精進料理も大変美味しく、阿字観や、写経や写仏も肩肘はらずに気楽な感じで体験が出来ると思います。是非、一度宿泊されてみてはいかがでしょうか。

　建築物は歴史を感じました。建物の中にある不動明王さんをお参りして感動しました。とても立派な不動明王です。

　精進料理はとても味わい深い季節の色々なキノコの料理で、食物繊維たっぷりです。体にとってもやさしく、今まで口にしたことがないキノコもあり、堪能してお腹いっぱいになり美味しかったです。

　写経がとっても楽しかったので思い出になりました。気持ちがとても安らぎ落ち着いたお勧めしたい宿坊です。