金光院(京都市左京区)の宿坊・お寺カフェ【くちコミ付き】
金光院
電話 :075-771-7780 ウェブ :金光院 住所 :京都府京都市左京区黒谷町121番地 アクセス:・JR「京都駅」より、市バス(32・93・105・203・204系統)乗車「岡崎神社前停留所」下車、徒歩5分 ・京阪本線「神宮丸太町駅」下車、徒歩20分 駐車場 :コインパーキングあり 時間帯 :チェックイン15時。チェックアウト10時。 収容 :最大5名 |
【宿坊】
素泊まり(腕輪念珠作り体験付き) 朝食(2800円)、夕食(4800円~)は別途予約可能 |

金光院は浄土宗の大本山であり、新選組発祥の地としても知られる金戒光明寺の境内にある塔頭寺院です。
『金光院ほたる庵』は1日1組限定の宿坊で、日本庭園に面した部屋を改装して作られました。また組子づくりの専門家によって製作された組子格子も目を惹きます。
素泊まりでも宿泊できますし、朝食、夕食を別途予約することも可能です。精進料理で有名な「泉仙」や、日本料理、中華、フレンチ、イタリアンなど様々な名店と提携されています。
体験メニューも豊富です。宿泊代金に含まれている腕輪念珠作りの他、別途予約すると、御朱印帳作り(3000円)、写経・塗り絵写経(1000円)、あんこのお花おはぎ作り(3500円)、ベルカップアレンジ(2000円)、ハーバリウムボールペン(2000円)、ヨガ体験(10000円)、ヤムナレッスン(17600円)、ボディケアマッサージ(4000~15000円)などが行えます。
またお寺にはカフェ(不定期営業)が併設されています。こちらは宿泊者以外でも、本堂や庭園でコーヒーやクリームソーダ、こだわりのかき氷などを楽しむことが出来ます。メニューは季節や時期により、変更される場合があります。
ゲンジボタルも有名で、毎年5月下旬~6月中旬頃に「ホタル鑑賞夜間拝観」が実施されています。


金光院住職の戸川克彦と申します。当院は、安土桃山の時代より、四百六十年以上の歴史を紡ぐ浄土宗大本山・金戒光明寺が擁する十八の塔頭寺院の中の一つであります。
浄土宗の宗祖である法然上人が四十三歳の時お念仏の教えを広めるために、比叡山から京都降り立った場所が金戒光明寺であり、浄土宗の始まりの地です。塔頭寺院の中で、最も古くに創建されたのがこの金光院であり、金戒光明寺から貴重な「金」と「光」の文字を頂戴した唯一無二の寺院であります。
しかしながら、現在の当院は、歴史的建造物や宝物もなく、檀信徒も少なく兼職をしないと生活ができないようなお寺です。特にコロナ禍においては、法事やお参りの方が激減し、「460年以上続いてきた金光院の歴史がここで潰えてしまうかもしれない」と感じるほどでした。お寺の収入源は、檀家様のお布施しかなく、特に葬儀のお布施はお寺にとって、とても有難いものであり、人の死を待たないとお寺の経営が成り立たない現状に心の中で物凄い葛藤がありました。
コロナが明けた令和5年の6月初めの夜、コロナ禍以前までは1・2匹程度だった蛍が、お寺に人が来ないことを理由に庭の手入れをしなかったことが功を奏したのか、たくさん蛍が飛び交っていました。急遽Instagramで蛍の特別拝観の案内をしたところ、遠方から多くの方が来られて喜びの声をたくさんいただき、自分でも認識していなかったお寺の魅力に気づかされました。
蛍の特別拝観をきっかけに、お寺の敷居を少しでも低くし、たくさんの方に気軽に足を運んでいただける「開かれたお寺」、ご本尊に見守られながら笑顔が溢れる場所(happyなお寺)にしたいという思いが膨らみ、自分の代でお寺を潰すのではなく、繁栄させたいと思うようになりました。
金光院を通じて人と人とのご縁が生まれ、ご縁が広がっていく場所を目指して、『お寺で気まぐれカフェ』の営業、特別拝観や一般の方へのお寺空間の貸し出し等、様々な事業を展開していく中で、そして、利用していなかった部屋を改装して、宿坊としてお部屋から庭の蛍や紅葉、桜をご覧いただければ皆さま喜ばれるだろうと思い、令和7年3月1日より1日1組限定の宿坊『金光院ほたる庵』を開業しました。
この宿坊は、一つ一つのご縁を大切にしていく中で出会った方々にご協力をいただいた集大成の場所でもあります。これから、宿坊にお泊まりいただいた方々との出会いにわくわくいたします。
当院の宿坊の売りは、あなたが望むお寺(宿坊)体験ができるということです。静かな空間の中で庭を眺め、鳥のさえずりを聴きながらゆっくりとした時の流れに任せて過ごされるのも良し、仏教体験や精進料理を味わう等、お寺ならではの体験をしていただくのも良し、様々な体験プログラムを楽しんでもらうのも良し、夕食は様々な出張シェフの料理を味わっていただき、ちょっと贅沢な旅をしていただくのも良し、あなたが望むお寺体験をお楽しみいただけます。
非日常空間の中で日頃の体や心の疲れを癒していただければと思っております。皆さまのご宿泊を心よりお待ちしております。

金光院は平安神宮の北東側、金戒光明寺の境内にあるお寺です。金戒光明寺は浄土宗の大本山で、新選組発祥の地としても有名です。その入り口に建つ巨大な山門をくぐり、右に曲がってすぐのところに金光院はあります。中に入ってインターフォンを押し、お寺の方に到着したことを伝えると奥の扉から宿坊へと案内されました。
庭園に面した快適な客室
■宿坊の客室
宿坊は一日一組限定で、庭園に面した素敵な建物です。もともとお寺にあった部屋を二つつなげて客室に改装したそうで、8~10畳くらいの広さがあります。薄型テレビや冷蔵庫、エアコン、クローゼット、Wi-Fiなどが備わっており、とても快適でした。
そして金光院の客室で、特にこだわりのポイントが組子格子戸です。富山の職人が丁寧に作った幾何学模様の美しいデザインですが、3枚重ねるとハートマーク(日本古来からある猪目文様)が浮かび上がる特注品です。
■組子格子戸と庭園
この格子戸を通して外から光が差し込んできますが、夜はライトアップした庭園が映り込み、日中は時間帯によって日の光の色合いが変わるので、一日を通して様々な風情を楽しむことができました。
また客室の奥にはトイレ、洗面所、お風呂があります。ドライヤーや洗顔フォーム、ハンドソープ、クレンジング、化粧水、乳液、シェービングジェル、シャンプー、ボディーソープ、コンディショナーなど、通常のホテルよりはかなり充実した備品が備わっています。
他にアメニティ類は歯ブラシ、髭剃り、コットンセット、入浴剤、タオル、バスタオル、ナイトウェアがあります。お寺の方からコーヒーやお茶のパック、お菓子なども頂けました。客室には電子ポットやコップ類も用意されているので、お庭の前にあるバルコニーで優雅にティータイムを過ごすのもおススメです。
好みに合わせて作れるオリジナルの腕輪念珠作り体験
こちらの宿坊には様々な体験メニューがありますが、その中でも基本料金に組み込まれていて最も多くの方が参加されるのが「腕輪念珠作り」です。
■腕輪念珠作り体験
チェックイン後、宿坊の客室と廊下で繋がっている本堂に案内されると、そこにはこの腕輪念珠セットが用意されていました。大きくは3つに分かれており、アクリルビーズ(無料)、ウッドビーズ(2000円)、天然石(4000円)から選びます。そしてその中から好きな玉を自由に並べて自分だけの念珠を作っていきます。
私は以前に別の宿坊で天然石の念珠を作ったことがあったので、今回はウッドビーズにしました。天然石は冬につけると冷たい感触が気になっていましたが、こちらは木でできているので温かみがあります。
まずはウッドビーズの中から、好きな木を選びます。私は和桜、ゼブラウッド、柿を順番に並べるようにしました。他にもたくさん種類があるので、一種類で統一しても全ての木を使っても良いそうです。
そして中心に置く大玉と、左右に配置する小玉は天然石から選びます。天然石にはそれぞれ意味があり、私は大玉にヒスイ(冷静さ 忍耐力 夢や目標の達成)、小玉に紫金石(前向きなパワー、良いチャンス、金運向上)を選びました。
玉を選んだら中心にあいた穴に糸を通し、手首の太さなどを見ながら調節します。糸を結ぶ仕上げの部分は住職の奥さんが行ってくださったので、きれいにできました。
木目の渋みがヒスイの明るい緑色を彩ってくれるようで、とても気に入っています。
ライトアップした庭園を見ながら頂く夕食
金光院では様々な出張シェフや料理店と提携しており、和食(懐石、鮨、精進料理など)、フレンチ、イタリアン、中華、鉄板焼きステーキなどを本堂に隣接した客間で頂くことができます。
ただそれぞれ本格派な分、結構なお値段がします。メニューにもよりますが一人10000円から数万円レベルです。そんなわけでちょっと躊躇していたのですが、住職とはインターネット上でいろいろとやり取りしていたこともあり、今回は一緒にバーベキューをしながら食事をすることになりました。
これは通常の宿泊プランにはないので細かく書きませんが、住職&奥さんと食事をしながら、宿坊を立ち上げた経緯や工夫、そしてお寺についての様々なことなどじっくり語り合ってきました(なお、素泊まりも可なので、他で食事してくることもできます)。
■宿坊でバーベキュー
金光院はもともと檀家さんの多いお寺ではなかったため、将来に向けて何かをしていかなければならないと考えていたそうです。その時にコロナ禍が始まり、人が全くお寺に来なくなったものの、その間は庭の手入れをせずにいたら草が生い茂ってたくさんの蛍が飛ぶようになったとのことでした。
そして蛍の鑑賞会を開いたら好評となり、多くの方とご縁が生まれていきます。さらに宿坊を作るまでは資金面や建築関連、行政への届け出など様々な困難もあったそうですが、それらを乗り越えて宿坊をオープンさせました。
■戸川住職&ほーりー
他にも金光院には御朱印やグッズなど、様々な場所に猫のマークが使われています。これはお寺でたくさんの猫や犬を飼っているためで、ペット好きな方とも話が弾むことが多いそうです。
その中にはお寺の壁の中に落ちて親猫から取り残されてしまい、救出された子もいるそうで、とても愛されていることが伝わってきました。
さらにお寺の未来像からプライベートなことまで、長時間に渡ってお話ししてしまいましたが、住職も奥さんもとても話好きで気さくな方で楽しい時間でした。
朝のお勤め&朝食の精進料理
■朝のお勤め
翌朝、7時30分から本堂で朝のお勤めがありました。住職が読経し、私たちはお借りした経本を読みながら、後ろでお参りしています。途中で案内があり、お焼香もさせて頂きました。その後に法話があり、金光院のご由緒などもをお聞きしました。
お勤め後には朝食です。こちらは京都の精進料理店として有名な、『泉仙(いずせん)』の精進鉄鉢朝食を頂きました。
■精進料理の朝食
メニューは胡麻豆腐、五目煮(こんにゃく、しいたけ、れんこん、にんじん、大豆)、煮物(里芋、さやえんどう、お麩、湯葉刺身)、浸し物(にんじん、きゅうり、こんにゃくの白和え、ほうれん草のごま和え、高野豆腐)、八寸(梅の天ぷら、二段流し羹、粟麩田楽、煮豆)、蒸し物、ご飯、お吸い物(湯葉、水菜、山椒の葉、しいたけ)、漬物(しば漬け、たくあん)です。
なお、こちらはお品書きがなく食事しながらメモした(&ネットで泉仙のメニューを調べて書いた)ものなので、ちょっと正確ではないところがあるかもしれません。
この中で一番印象に残ったのは蒸し物です。枝豆? をすりつぶしてだんご状にしたものにあんがかかっており、食感はもっちりとしていました。中に銀杏や百合根が入っていて、とても上品な味です。
また定番の胡麻豆腐は、醤油をかけて頂きます。こちらも京都らしいあっさり目の味で、わさびがピリッと効いていました。他にも煮豆の甘さや田楽に乗ったゆず味噌など、一口ごとに多様な味が楽しめました。
さらに「鉄鉢」とはもともと、お坊さんが托鉢などに用いた鉄製の鉢から生まれた言葉です。現代では鉄ではありませんが、朱塗りのとても華やかな器です。そしてこの鉄製は修行中のお坊さんが食器をコンパクトにしまえるよう、全て重ねて一つにまとめられるようになっています。こんなところにも精進料理の精神が現れているようで、嬉しい気持ちになりました。
■食後に重ねた鉄鉢
食後は少し庭園を散歩したり、荷物を片付けなどして10時にチェックアウトです。周辺には金戒光明寺や真如堂、うさぎで有名な岡崎神社などもあり、こちらを拠点に京都観光に出かけるのもおススメですよ。

■庭園を見ながらコーヒータイム
金戒光明寺の一角にある金光院さんに新しく出来た宿坊に宿泊しました。金光院さんでは5月下旬から6月中旬にお庭で蛍が鑑賞できるそうです。宿泊したのは、蛍が鑑賞できる少し前だったのですが、お天気に恵まれ、お庭の新緑がとても綺麗で爽やかな風が心地よい日になりました。宿坊は本堂の横にあり、静かで時々うぐいすや鳥の鳴き声が聞こえ、宿坊に泊まるならではで心が落ち着きます。
お部屋はシンプルな和室で整えられていて、バストイレもあります。まだ木の香りのする組子(日本の伝統的な工芸技法だそうです)格子は、3枚を重ね合わせると猪目文様が浮かび上がり、とても素敵でした。
事前に申し込みをする体験プログラムには、お写経や御朱印帳作り、あんこのお花おはぎ作りなど色々とあり、その中のひとつ腕輪念珠作りを体験しました。念珠の素材は、プラスチック、木(色々な木の種類がありました)、天然石から選べます。ご住職や奥様が説明をしてくださり、歓談しながら腕輪作りを体験できます。
翌朝は本堂でお勤めに参加し、朝食は京都の精進料理店として有名な「泉仙」さんの精進鉄鉢朝食をいただきました。身体に優しく美味しく完食し、鉄鉢をしまうとすっきりと片付きます。
1日1組限定の宿坊では様々な体験プログラムや、朝食や夕食を仕出割烹やお寿司、フレンチ、中華、イタリアン等の出張シェフと提携されており、宿泊する方の望みに沿うようにされています。宿坊作りに至ったお話しなどをご住職からお聞きし、たくさんの方が蛍を観に宿坊に泊りにきてくださると良いなと思いました。
あなたの寺社体験談を大募集!
「人生を変える寺社巡り」を推進する宿坊研究会では、少しでも多くの方にお寺や神社に足を運んで頂くため、宿坊や座禅・写経・精進料理などの体験レポートを募集しています。お知らせ頂いた内容は、宿坊研究会にて紹介させて頂きますので、よろしければメールフォームよりご投稿ください。京都府近郊の寺社体験一覧

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