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笠置寺(京都府相楽郡)の寺修行体験【くちコミ付き】

笠置寺

基本情報

電話  :0743-95-2848
ウェブ :笠置寺
住所  :京都府相楽郡笠置町笠置笠置山29
アクセス:JR関西本線「笠置駅」下車、徒歩45分
駐車場 :あり(有料)
【自分探しの修行体験】
10800円(精進料理、修行衣、天然温泉入浴券を含む)

特記事項

 修験道の聖地として栄えたお寺です。山岳修行の行場で行う『自分探しの修行体験』が、数カ月に一度の間隔で設定されています。内容は発心式・仏教講話・座禅・昼食(精進料理)・入峰修行・写経・閉講式です。修行の後には笠置駅近くにある「笠置いこいの館」で温泉に入ることができます。


地図


ほーりー記

 自分探しの修行体験に参加してきました。

 開始は9時からですが笠置寺は駅から遠いこともあり、徒歩で行く方は時間を計算しておく必要があります。また山の上なので、途中からは結構な上り坂です。行く時から修行が始まりますので、ちょっと注意が必要かもしれません。ただお寺の側に駐車場もあり、車で行くという選択肢もあります。私は本の取材で行ったこともあり、車に乗せていって頂き、ちょっと楽をしてしまいました。

 お寺に着くとまず案内されたのが毘沙門堂で、鎌倉時代の毘沙門天がご本尊として安置されています。堂内では最初に左手に塗香を乗せ、これを両手で揉み合わせてから身体全体を撫でるようにして身を清めます。そして合掌した両手の親指付け根で五鈷杵を挟むように持ち、ご住職からお加持をして頂きました。この最初の儀式が終わった後、南無大師遍照金剛と背中に書かれた行衣を授かります。

 続いて発心式。これはこれから行う修行のための心構えや考え方を教わるもので、住職と一緒にお経を唱えます。その後、私たちの悪い行いは「むさぼり」「いかり」「おろかさ」から生み出されること、人として正しく生きるための十善戒や、仏様を表す真言に込められた祈りなど、唱えたお経の意味が解説されました。

 発心式が終わると仏教講話。お釈迦様がどんな人か、お経はどんな風に生まれたか、そして般若心経が何を説いているかや布施の心などを学びます。配られた資料を読みながら初心者向けのとてもわかりやすい内容でしたので、お勉強と身構えなくても大丈夫です。しかし全てのものは変わっていく諸行無常や、生きることは思い通りにならないということ、有り難うという言葉の意味、人や過去の自分と比べないことなど、深く刺さる言葉がたくさんありました。

 住職の語り口も穏やかですし、質問にも丁寧に答えて下さり、だんだんと緊張もほぐれてきます。もともとお釈迦様も苦行では悟りを開くことはできないとおっしゃっているので、リラックスして修行をして下さいとのことでした。

 そして次は、禅観。これは真言宗の座禅との説明がありましたが、座禅と阿字観を少しずつ試すような内容でした。二つ折りにした座布団の上に腰を下ろし、足は半跏趺坐にして坐ります。手は左手の上に右手を重ねて左右の親指を軽く合わせる法界定印、身体を揺らして姿勢が定まる位置を探して背筋を伸ばし、腹式呼吸の要領で静かに口から息を吐き切り、新しい空気を鼻から吸います。

 姿勢が整ったら最初に行なうのは数息観(すそくかん)。ちょっと特徴的だったのは、順観(じゅんかん)と逆観(ぎゃくかん)があったことです。呼吸をしながら十まで数え、続いて十から一へと数を減らして数えます。これを3度繰り返しましたが、この数息観は真言密教の第一段階とのことです。

 続いて月輪観(がちりんかん)。満月の絵を目の前に置き、それが自分の身体に入り込むように強くイメージしていきます。そして身体に入った満月が身体全体を包むように膨らませていき、お堂の大きさに、お寺の大きさに、町や日本、地球、そして宇宙へと広げていきます。そしてこれができたら今度は逆に大きさを縮めていきますが、はっきり言ってこれはお坊さんでも難しいそうです。私はなんとなくイメージできたような気がしては、集中力が途切れてぐにゃぐにゃになりの繰り返しでした。

 そして最後に出禅定。両手を胸の前で合掌し、口から息を吐きながら両手を上にあげていきます。そして頭上で自分に向かって手を開き、お互いの小指だけをくっつけた状態で下へとゆっくり下ろします。これらを一通り行って禅観は終了です。いろいろ複雑でなかなか思うようにはいかなかったものの、とりあえず深い呼吸を繰り返すので、スッキリとした気持ちにはなりました。

 禅観が終わると、午前の部は終了。待ちに待った精進料理の昼食です。お料理はお寺から少し降りたところにある、料理旅館よしやさんで頂きました。こちらのご主人は四国遍路を40回以上も回っている先達さんで、食事を頂く心構えや作法などを教えて下さいます。

 そしていよいよ昼食ですが、とっても豪華です。豆乳鍋の湯豆腐や胡麻豆腐、刺身こんにゃく、抹茶塩で頂く精進天ぷら、味噌田楽、煮物、酢の物、白和え、ご飯、漬物、フルーツなど、ボリュームもたっぷり! 特に12月の寒い季節だったこともあり、お鍋の温かさが身に沁みます。だしの味もじんわりと優しく、とってもおいしいです。食事に行く前にご住職が舌で味わうのも修行とおっしゃっていましたが、しっかりと頂いてきました。

 続いてまたお寺に戻り、午後は入峰修行から。笠置山は修験道の聖地でしたので、お寺の周りには昔から修験者の行場が残っています。これらを一つ一つ巡って行くのが入峰修行です。

 最初に入り口に立つ修行大師の前で御宝号(南無大師遍照金剛)を唱え、東大寺のお水取りの起源でもある正月堂に向かいます。東大寺は二月堂、三月堂(法華堂)、四月堂(三昧堂)がありますが、一月のお堂はこちらにあったんですね。

 そして、その目の前にあるのが笠置寺ご本尊の弥勒菩薩。三度の火事で残念ながら正確な形は分かりませんが、高さ15.7メートルの岩に刻まれた磨崖仏(崖に彫刻された仏様)です。ここは下から見上げてもかなりの高さがありますが、後ほど過酷な修行の舞台ともなります。

 そこからは笠置山のゴロゴロとした巨岩を乗り越えたり、くぐったり。特に難所だったのは平等岩で、上まで登った後にわずかなくぼみに足をかけながら降りていく、ハードコースが待っています。そしてやっと降りたと思ったら、今度は割れた岩の裂け目を匍匐前進で潜り抜けます。この時はヘルメットを渡されましたが、確かにゴツゴツと頭をうつほど狭い岩穴でした。

 しかしこんなものでは終わらない。今回の修行で一番強烈だったのは、西ののぞきと呼ばれる修行。先ほど下から見た磨崖仏の上にたどり着き、突然命綱をつけるようにと言われました。何が何だか分からないままロープが身体に結ばれると、崖の上から下を覗いて合掌するようにとのこと。身を乗り出すと、自殺志願者でも現れたかと、先ほどの正月堂で休んでいた登山客らしい人達が大勢でこちらを見ます。

 いや、ジェットコースターとか苦手な私は高さだけでも十分背筋が凍りましたが、下から一斉にギョッとした視線が向けられる迫力。なんというか、言葉に言い表せない恐怖で身体が固まりました。

 ともあれ入峰修行も無事に終わり、最後は般若心経の写経です。お経が薄く印刷された用紙を、筆ペンで一文字一文字なぞって行きます。ゆっくりとていねいに。写し終えた後は最後に願文を書き入れ、ご住職にお寺の印を押して頂いて終了です。この写経用紙はお守りに、お持ち帰り下さいとのことでした。

 そして全ての修行が終わった証に、修了証が授与されます。ということで長かった一日修行は無事成満。帰り際に笠置駅近くにある笠置いこいの館の温泉入浴チケットを頂いたので、そちらにも入ってきました。笠置山麓の地下1200メートルから湧き出る天然温泉で、弱アルカリ性の独特なぬめりがある湯が特徴です。美肌の湯とも言われていますが、ゆっくり浸かっていると確かに肌がツルツルしてきたような。いやー、たっぷり修行の後の一風呂を堪能してきましたよ。

 さらについでですが、笠置寺の門前に笠置名物のキジ釜飯が頂けるお店があり、途中で予約して帰り際にお持ち帰りしました。キジのお肉は普通の鳥肉よりちょっと固めの野性味溢れる感じで美味しかったです。ご興味ある方はこちらもオススメですよ。


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寺社旅研究家のほーりーが立ち上げた、宿坊研究会の編集部。日本全国300件以上の宿坊を紹介し、宿泊者の体験談も多数掲載! 全国の座禅会・写経会・精進料理などの寺社体験もレポートしています。