対馬西山寺(長崎県対馬市)の宿坊【くちコミ付き】
対馬西山寺
電話 :09205-2-0444(9時~20時) ウェブ :対馬西山寺 住所 :長崎県対馬市厳原町国分1453 アクセス:・JR鹿児島本線「博多駅」からバスで20分、「博多港」から船で対馬行約5時間、「厳原港」下船後、徒歩約15分 ・「対馬やまねこ空港」からバスで約30分、「厳原バス停」下車、徒歩約3分 駐車場 :5台駐車可能(有料) 時間帯 :チェックイン15時。チェックアウト10時。 |
【素泊まり】6000円~ 【一泊朝食付き】7300円~ 子供料金あり |
国境の島・対馬にあるお寺で、聖武天皇が全国66箇所に国分寺を創建した際に、大日如来を本尊として島分寺を建立したのが始まりとされています。対朝鮮外交の専門機関である「以酊庵」が設けられるなど、歴史上も重要な役割を果たしてきました。
宿坊としても50年の歴史があります。宿泊者は、坐禅(無料)や写経(1000円)が体験できます。
対馬西山寺さんには対馬市の宿坊セミナーに講師として参加した時、宿泊させて頂きました。このため通常と異なる部分はあるかもしれませんが、基本的には変わらずと思いますので紹介します。
対馬は博多より韓国の方が距離が近い「国境の島」です。県としては長崎県に属していて、南北に細長い2つの島が連なったような形をしています(本来は一つの島ですが、明治時代に開削したことで上下に分かれたそうです)。
対馬西山寺はその南側にある厳原(いづはら)地区にあります。私は福岡空港から飛行機で対馬やまねこ空港へと向かい、そこからレンタカーで行きました(手配してくださったのは、対馬市の観光部署の方ですが)。
なお、飛行機は小型で客席数が限られているため、人気のある日は予約で埋まってしまうこともあるようです。なので対馬への旅行を考えている方は、余裕を持ったチケット購入をお勧めします。
対馬西山寺に到着
対馬は約9割が山林部という自然豊かな離島です。その中で厳原地区は7世紀から対馬国の国府が置かれて行政や文化の中心地として栄えました。
対馬西山寺はそのメイン通りから、少し路地へと入った先にあります。入口は対馬特有の立派な石垣に囲われていました。
■対馬西山寺の外観
そこから階段を登って玄関をくぐり、まずはチェックイン。このお寺は鶴翼山麓の斜面に沿って建てられていて、客室はくねくねと曲がりながら階段を登った先にありました。私が宿泊した部屋は4階にあるベッドが二つ並んだ洋室で、お風呂とトイレ、クローゼットがついています。
■客室
室内にはテレビ、冷蔵庫、空調が設置されており、電気ポット、コップ、お茶のパック、ドライヤーが置かれていました。浴衣、タオル、バスタオル、歯ブラシ、髭剃り、コットン、綿棒といったアメニティも用意されています。
また窓からは海や岩山が見渡せ、景色を楽しむことができます。部屋の前には小さいですが池のある庭園もありました。
それとお風呂は共用で使える大風呂があります。こちらからも海が見えて、旅情気分を味わえました。
■お風呂
また宿坊の内部を歩くと、仏像や掛け軸、お坊さんの修行道具、歴史的な調度品などがあちこちにあり、お寺らしさが感じられます。
■宿坊内の調度品
廊下にはいすが置かれていて、庭を見ながらくつろげるようにもなっていました。
早朝の坐禅体験
坐禅は前日20時までにお寺の方に申し出ると、体験することができます。お風呂にゆったり浸かって温まり、ふかふかのベッドで眠った翌朝、6時から坐禅が始まりました。
本堂の奥に座布団が並んだ坐禅スペースがあります。正面には修行者を見守る文殊菩薩が安置されていました。
まずは合掌して仏様やご先祖様、ご縁などに感謝します。指導してくださったお坊さんからは、坐禅は特別なものではなく、行っても何かが得られるわけではありません。ただ今、生きていることを実感するようにとのお話しがありました。
そして坐り方を教えて頂きました。坐禅は身・息・心の3つを調えることが大切です。
■坐禅
まずは調身。片足だけももの上に乗せる半跏趺坐で、上げる足はどちらでもよく、また足が組めない方はあぐらでもよいそうです。身体を揺らして重心を定め、45度下を見るように眼を軽く開きます。
続いて調身。腹式呼吸で一息ずつ、呼吸を確かめていきます。空気を深くゆっくり全て吐いてから鼻で吸い、呼吸を1から10まで数えます。
さらに調心ですが、わずらいやイライラは自分で作り出しているものであり、これを吐き出して削ぎ落していくと良いそうです。また無心になることはできないので、何か一つやり遂げたいことを突き止めていくようにというお話しがありました。
説明が終わると、般若心経や白隠禅師坐禅和讃を唱えました。そして20分ほど坐りました。
12月だったこともあり、まだ薄暗い中での坐禅は心が研ぎ澄まされるような気がしました。対馬という私の日常から離れた町のお寺にいることも、こうした気持ちにさせて頂けるのかもしれません。時間も他のお寺の坐禅会よりは少し短めだったので、足がそれほどしびれずにすみ、気持ちよく坐ることができました。
おいしいお寺の朝食
坐禅の後は、食堂で朝食を頂きました。メニューはご飯、味噌汁、冷奴、大根の酢の物、ひじき、厚揚げ、焼き魚、サラダ(ブロッコリー、ミニトマト、春菊)、梅干し、たくあん、味海苔、キウイです。
こちらは精進料理というわけではありませんが、健康的な和朝食でした。一品一品丁寧に作られていて、とてもおいしかったです。
■朝食
なお、ついでに書くと夕食は近くにある居酒屋さんで食べましたが、対馬は海に囲まれているだけあって、ハガツオ、ひらす、ケンサキやアオリイカ、アコヤ貝など魚介の種類が豊富でした。また対馬名物のとんちゃん(味付け焼肉)も箸が進む味でした。
そしてお昼ご飯も近くのお店で名物の穴子カツを食べました。こちらも絶品でした! 対馬はおいしいものが本当にたくさんあるので、宿坊と共にこちらも楽しむことをお勧めします。
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