「お伊勢参らばお多賀へ参れ お伊勢お多賀の子でござる」と歌われる、昔から多くの参拝者が訪れる神社です。

　鎌倉時代に東大寺の復興を任された重源上人が、着工にあたり伊勢神宮にて17日間の参籠を行ったところ、夢の中に天照大神が現れ、「事業を成功させるために寿命を延ばしたいのなら、多賀神に祈願せよ」と告げられました。そして多賀大社で祈願をすると、「莚」の字の形に虫食い跡がある葉が落ちてきて、「莚」は「廿」と「延」に分けられることから「寿命が二十年伸びた」そうです。重源上人はその後、85歳まで長生きし、東大寺復興も無事に成し遂げました。

　また1300年前に病気の天皇の全快を祈願し、シデの杓子をお供えのご飯に添えて献上したところ、病がたちまち回復したり、豊臣秀吉が病気の母親の延命を祈願すると80歳まで長生きしたなど、延命には大きなご利益があります。

　多賀大社で授与されるのが、『お多賀杓子』で、これでご飯をよそうと延命のご利益があります。またしゃくし型の絵馬もあり、境内には願いが書かれた絵馬が多数掛けられています。

　またちょっとかわいかったのが『こいまもり花むすび』。

　多賀大社の祭神は伊邪那岐（いざなぎ）・伊邪那美（いざなみ）で、この二柱は日本で最初に結婚した夫婦の神様です。もちろん縁結びにご利益がありますので、恋愛の祈願に訪れるのも良いかもしれません。