静寂庵(富山県)の宿坊・阿字観【くちコミ付き】
電話 :076-481-1300 アクセス:富山地方鉄道立山線「千垣」駅または「立山」駅下車駅より送迎あり(要事前連絡) 収容 :客室2室。最大8名。 |
宿坊終了しました |
修験道の霊場として発達し、江戸時代には多くの宿坊で栄えた立山に、60年ぶりに宿坊が復活しました。朝のお払いや座禅体験が出来、立山に古くから伝わる「曼荼羅(まんだら)絵解き」を聞くことが出来ます。食事は野菜や豆、豆腐を中心とした養生料理です(手間がかかるものだそうなので、早めに予約をすることをお勧めします)。
凛冬の修行体験会に参加してきました。宿坊のご主人は、かつて多くの宿坊で賑わいながら明治の廃仏毀釈によって伝統の途絶えた立山に、もう一度宿坊を復活させたパワフルな方でした(しかもそれを感じさせない、朗らかな人柄でした)。
座禅は薄暗い部屋の中で月輪観本尊(群青色の中に真円が描かれたもの)と真正面に向かいながら行います。まずは呼吸法から。この時息は出来るだけ遠く、仏様のいる世界まで遠く吐くように教わりました。そして吸うときは身体全体で吸います。そして月輪を見ます。目の前にある平面の円を意識の中で膨らまし、自分の身体に入り込んでくるようにイメージします。身体の内に重なった円を今度は少しずつ大きくしていき、最終的には宇宙の大きさまで拡げます。終わるときには、今度は逆に少しずつ小さくしていき、身体の中に収まったところで目の前の月輪に戻します。このように密教様式の非常に意識的・体感的な座禅法で、基本的には真言宗(高野山)の阿字観瞑想を柱としながら、宿坊のご主人が独自の解釈と工夫を加えた「立山式」とのことでした。
曼陀羅絵解きは実際に江戸時代に立山の衆徒(宿坊の当主)達が諸国に出向き、立山の巡礼の功徳について解説したものを、実演して頂けます。曼陀羅絵には実際の立山の様子から、そこにあると伝えられた地獄の風景、そして対を成す浄土の風景。開山の伝説などが順を追って説明できるように収められています。これらは今でいう観光ポスターとツアー旅行の宣伝とのことで、信仰を中心とした昔の旅行形態とそこで果たされた宿坊の役割が想像できます。ご主人の名調子も面白く、とても楽しい時間を過ごすことができました。
食事は今回は修行体験会のため、名物の養生料理ではなく家庭料理とお粥でしたが、とても温かで美味しかったです。また養生料理については話だけ聞かせて頂きましたが、「先祖から受け継いだ身体を健全に子孫に伝えていくための健康料理」だそうで、多少鶏肉等も使いますが、基本的には精進に近い会席料理とのことでした。
立山博物館、遥望館、まんだら遊苑、立山など。
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