高野山の宿坊です。写経や阿字観の体験（有料）ができます。食事は精進料理です。坊内には売店や喫茶バーなどもあります。1名からでも宿泊が出来るようです。

　遍照尊院さんで、宿泊はしていませんがお昼に精進料理を頂きました。事前に電話で予約して、当日お寺に向かうと、玄関から奥の客間に通されました。

　こちらは小さな庭に面した和室で、食事用の机が並んでいます。他のお客さんもいましたが、机が離れてすだれがかかり、ゆっくりと食事を楽しむことができます。

　メニューは胡麻豆腐、精進天ぷら（ししとう、なす、かぼちゃ、椎茸、れんこん）、煮物（こぶ、紅葉麩、高野豆腐、なす、ベビーコーン）、味噌煮込み鍋（厚揚げ、えのき、しめじ、人参、お麩、白菜、くずきり、お餅）、ごまだれそば（のり、ふき、わらび、わさびが乗ってる）、とろろと枝豆、飛竜頭、黒豆、酢の物（もずく、とろろ、すだち）、アボガドの白合え、柚子大根、豆腐、ご飯、漬け物、柿です。

　精進料理の定番、胡麻豆腐は舌にからみつくくらいにきめ細やかです。高野豆腐はふわふわで、マシュマロみたいな食感でした。

　味噌煮込み鍋やごまだれそばなどは、濃い目ながらもとても上品な味です。そしてその後に柚子大根を口に含むとさっぱりして、同じ料理でもまた味が変わるようでした。

　他にもたくあんは一切れだけで、ご飯がたくさん頬張れるほど、しっかり味がにじみ出てきます。果物は秋らしく柿が出てきましたが、ちょうどとろとろになる手前で甘いのに食感はしっかりある、一番おいしいタイミングでした。

　最後にお茶を頂きながら食事の余韻に浸っていると、どこからから鐘の音が響いてきてとても風流な時間を過ごすことができました。

　８月に高野山の宿坊に１泊しました。遍照尊院は霊宝館の横、伽藍の蓮池の前にあるお寺です。1人でも宿泊できますが、団体も宿泊できる所なので、部屋数がすごい。中も迷路のようでお年寄が迷子になっていました。私が泊まった部屋はあまり広くはありませんでしたが不満はなし。ＨＰで見た部屋を想像していたのですが、団体用だったのかな…？　部屋にはＴＶ、金庫・浴衣、歯ブラシ、ミニタオルが用意されています。写経と阿字観の体験ができますが、いろいろ準備もあるようなので、予約をした方が確実だそうです（私は有料なのでやりませんでした）。

　ここはお風呂が最高です。高野山最大の大浴場といわれる古代檜の風呂と薬草風呂。薬湯の方は２，３人入れるくらいの浴槽ですが、陀羅尼風呂と名付けられ、とても気持ち良かったです。日帰りでも入れるそうです。トイレもきれいです。ただ壁が薄いのが難点。

　食事はもちろん精進料理。始めに若いお坊さんが食事の説明や、般若湯（酒のこと。ビールは麦般若…）の案内をするのですが、四国から来た隣の団体さんが大盛り上がり。大声を出すお坊さんに心でエールを送る。ご飯がとてもおいしかったのでお替わりしました。

　大日如来を御本尊とし、地下には写経室・位牌殿・水子供養殿を設けています。朝のお勤め、住職の説教後にお砂踏みをさせてもらいました。四国八十八ヶ所、西国・坂東・秩父の百観音霊場、合計188ヶ所を一度にお参りできます。参加は無料。団体さんと一緒だったので、護摩祈祷に時間がかかってお腹がすきました。

　精進料理をランチにいただきました。黒いテーブルに、料理が盛られた色んな柄の小鉢が映えて可愛いです。歩き疲れていたので、もずくとすりおろした山芋などの酢の物が体に沁みました。

　高野山の美味しい胡麻豆腐には、きゅうりとわさびが乗っていました。さくさくした天ぷら、黒豆もふっくらして美味しかったです。焼きもちが入った野菜の鍋物も味わいのある味噌味でした。

　普段食べることのない精進料理をゆっくり楽しむには、1時間半くらい時間が必要だなと感じました。