即成院(京都市 東福寺駅)の見どころ
即成院
電話 :075-561-3443 ウェブ :即成院 住所 :京都府京都市東山区泉涌寺山内町28 アクセス:京阪本線・奈良線「東福寺駅」下車、徒歩約12分 |

泉涌寺の塔頭寺院で、創建は平安時代にまでさかのぼるお寺です。もともとは宇治にある平等院の対岸にありましたが、変遷を経て明治時代に現在地に移転しました。
本堂内陣にはご本尊の阿弥陀如来像と二十五菩薩像(重要文化財)が安置されています。これは臨終を迎えた人を阿弥陀如来が極楽からお迎えに来られるときの姿を表しており、現世極楽浄土と呼ばれています。
また境内には平家物語の名場面、屋島の合戦で活躍した那須与一のお墓もあります。弓の名手にあやかり、即成院は願いが的中するお寺としても信仰されています。


即成院でおすすめなのは、本堂内陣の仏像と弓の名手である那須与一のお墓です。
現世極楽浄土のお寺
平安時代末期は、武士の台頭や疫病などで不安が高まり、末法の世になると怖れられた時代です。そこで死後に極楽へ往生したいと願う人々が阿弥陀如来に救いを求める、浄土信仰が広がりました。
即成院はこの時代に宇治の平等院と宇治川をはさんだ対岸に創建されています。阿弥陀如来が二十五菩薩と共に迎えに来て下さる姿を表そうと、仏像を並べて安置されました。
それが現代まで伝わっており、重要文化財に指定されています。来迎の様子を立体的に表した平安期の作例は即成院でしか見ることができない貴重なもので、どっしりと中央に坐った阿弥陀様と様々な楽器や仏具を持った二十五菩薩は素晴らしいお姿ですよ。
願いが的中するお寺
即成院は病に倒れた那須与一(なすのよいち)が、熱心に祈られたお寺としても知られています。那須与一と言えば、源平合戦で船の上に掲げられた扇を矢で射抜いた人物です。ゲームが好きな方はファイナルファンタジーシリーズに出てくる「与一の弓」に、馴染みある方もいるかもしれません。
そして境内の奥には、この那須与一のお墓があります。高さが約3メートルもある石塔宝塔で、平安時代の終わりに造られたものです。こちらはいつでもお参りすることが可能です。
またこの弓の名手にあやかって、即成院は願いが的に当たるお寺としても知られています。お守りや絵馬なども頒布されていますよ。的の真ん中に矢が刺さったデザインは、いかにも願いが叶いそうですね!
その他の見どころ
即成院の門の屋根上で翼を広げた一羽の鳳凰も、隠れた人気があります。鳳凰が向いている先には、創建の地である宇治があります。
境内には弘法大師空海と一対の犬の像があります。こちらは空海が密教を伝える聖地を探していた時に、白と黒の犬に導かれて高野山へたどり着いたという伝説に基づいたものです。
狛犬はよくありますが、かわいい犬の像は珍しいですね。
本堂の向かって右側には、地球をイメージした祈願之塔があります。こちらはヤマノビューティーメイトグループ・ヤマノホールディングスの美道五原則を通して、美肌祈願がされています。ふれながらお願いすると、美肌のご利益があるそうです。
特別行事
毎年10月第3日曜日に行われるお練り供養は、二十五菩薩のお面をかぶった人々が極楽に見立てた本堂と、現世に見立てた地蔵堂の間に架けられた橋を練り歩く行事です。
こちらは江戸時代から続く法会で、きらびやかな衣装をまとった菩薩達はまさに極楽の再現です。私もまだこの日にお参りしたことはなく、いつか行ってみたい行事です。
お練り供養はこちらの動画で紹介されています。
それとお正月の泉山七福神巡りも、多くの参拝者で賑わう行事です。毎年成人の日に泉涌寺の山内寺院で一斉に行われ、それぞれのお寺に祀られている七福神に加えて、新善光寺の愛染明王、泉涌寺本坊の楊貴妃観音をお参りします。
即成院に祀られているのは福禄寿ですが、足元に鶴が控える珍しいお姿をされていました。
なお、即成院は位置的にスタート地点になるため、境内には福笹授与所が設置されます。こちらで頂いた笹にお寺ごとに頒布される縁起物をつけていき、すべて集まると満願です。