三十三間堂(京都市 七条駅)の見どころ
三十三間堂
電話 :075-561-0467 ウェブ :三十三間堂 住所 :京都府京都市東山区三十三間堂廻り町657 アクセス:・JR「京都駅」より、市バス100、206、208系統乗車、「博物館三十三間堂前」下車すぐ ・京阪本線「七条駅」2番出口より徒歩約7分 駐車場 :約50台駐車可能 |
正式な寺名は蓮華王院(れんげおういん)ですが、三十三間堂の名前で知られるお寺です。名前の由来でもある本堂は南北約120メートルもある横長のお堂で、平安時代の長寛2年(1164)に後白河上皇が御所に造営し、80年後に焼失しましたが鎌倉時代の文永3年(1266)に再建されて今に至っています。
こちらに安置されている千体千手観音立像や風神雷神像、二十八部衆像なども国宝に指定されており、ずらりと並んだ仏像の姿は圧巻です。
またこのお堂の端から端へと矢を射る通し矢は、桃山時代には行われていたと言われています。現在は毎年1月に全国から集まった弓道家が弓を射る大的大会として受け継がれ、京都の風物詩にもなっています。
本堂は外観も内部も強烈なインパクト!
日本一の木造建築と言えば奈良の東大寺大仏殿や京都の東本願寺御影堂がよく挙がりますが、三十三間堂の本堂(国宝)は正面から見た横幅だけなら(圧倒的に)日本一です。このお堂はそのくらい特殊な形状をしています。
とにかく長い。ひたすら長い。南北に約120メートルあるので、歩いてもなかなか端までたどり着きません(と、言うのはちょっと大げさですが)。そしてこんなに変わったお堂の内部はやはり、他では見ることができない特別空間になっています。
本堂の北側にある拝観入り口から上がると、中は千体もの千手観音像が並ぶ濃密な仏様空間です。
ずらっと並んだ千手観音像は、何度お参りしても言葉が出ないくらいに圧倒されます。人間って同じ姿がたくさん並んでいるだけで心をぎゅぎゅっと掴まれてしまうのは、本能に刻まれているのでしょうか。
それがすべて国宝の仏像であり、さらに風神雷神像や個性豊かな二十八部衆までところどころに立っていると、見どころ過ぎてどこが見どころか逆に分からなくなるくらいに脳がパンクしそうです。
さらに仏様へのお参りが終わった後に本堂の裏手に回ると、お寺の解説や寺宝が並ぶコーナーもあります。こちらもじっくり見ていると、それだけで一日過ごせそうな充実度でした。
本堂以外も見どころがたくさん!
三十三間堂は本堂以外も注目ポイントがあります。まずは本堂の前にある庭園ですが、池の周りに大きな岩が多数配置され、その奥には朱塗りの門が見渡せます。こちらも京都らしい雅やかな風景です。
また境内を出て南側へと回ると、重要文化財の南大門があります。こちらはあまり見に来る方がいませんが、豊臣秀吉が文禄4年(1595)に造立した大仏殿方広寺の南門として築かれたものと伝えられています。三間一戸の重厚な建物で、貴族的な艶やかさがある本堂とは異なり勇壮な力強さがありました。
さらにこの門とつながる形で築かれた塀は、太閤塀と呼ばれています。高さ5.3メートル、長さ92メートルの堂々たる構えで、歴史の重みが感じられます。
1月中旬の大的大会(おおまとたいかい)
三十三間堂は年に2回、境内が無料開放される日があります。ほーりーはそのどちらも行きましたが、まずは1月の『楊枝(やなぎ)のお加持大法会/通し矢』です。
楊枝のお加持はインド伝来の修法で、平安時代からの伝統をもつ三十三間堂で最も大切な法要です。そしてこの日に行われる大的大会には約2000人もの弓道家が参加するとのことで、その見学者も含めて境内はたくさんの人で賑わっていました。
そして実際に弓を引く場面がこちらです。順番に入れ替わりながらどんどん矢が放たれるので、見る方も気持ちが盛り上がりました。寒い日ですが、肩を出していたりとピリッとした空気が伝わってきますね。
なお、帰ってから検索したら、これは肌脱ぎと言って道着の袖に弓が引っ掛かるのを防ぐ意味があるそうです。しかも高段者でなければできないそうな。そうと知ると、ますますかっこよく見えてきますね。
また女性は晴れ着姿でした。こちらも男性とは異なる凛々しさと、そして何より華やかさがあってお正月らしさが満載です。
3月3日の春桃会(もものほうえ)
三十三間堂は「三」が重なるため、3月3日の桃の節句を大切にされています。この日も境内は無料開放され、女性専用の『桃のお守り』が授与されていました。
また天台宗のゆるキャラ・しょうぐうさんが境内に登場したり、本堂では落語が行われていたりと、お祭りムードが盛り上がっていましたよ。私が行ったときには「じゅげむじゅげむ、ごこうのすりきれ~」と最大の見せ場が披露されていました。
さらにこの日は本堂内の千体観音像を高壇に上がって高い位置から遥拝でき、普段と異なる光景を楽しむこともできました。仏像が好きな方はこの日のお参りもおすすめですよ。