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竹寺(埼玉県飯能市)の精進料理【くちコミ付き】

竹寺

基本情報

電話  :042-977-0108
ウェブ :竹寺
住所  :埼玉県飯能市南704
アクセス:西武池袋線「飯能駅」北口から国際興業バス中沢行き終点下車、徒歩40分
駐車場 :あり
精進料理3000~6000円
(要予約)

特記事項

 たけのこと薬草を中心とした精進料理です。竹林に囲まれた境内で住職の法話を聞きながら、竹の器に盛られた料理を頂くことが出来ます。シーズンは3~6月と9月中旬~12月中旬です。

 明治維新の神仏分離令をのがれ、神仏習合の姿を今に残す東日本唯一のお寺です。また奥武蔵俳句寺としても有名で、武蔵野三十三観音の三十三番結願所でもあります。参道には竹製の鳥居もあり、まさに名前の通りお寺の中は竹づくしです。


地図


ほーりー記

 飯能駅からバスで揺られて30分強。中沢バス停からはお寺のお坊さんに車で迎えに来て頂き、竹寺に到着しました。車に乗っている途中、竹寺の歴史や平成十一年に本殿が燃えてしまった時と再建した時の話。走っている道の途中では「ここからは私道なんですよ」といったことまで、いろいろとお話して下さいました。

 私が行った時は4月でしたが、境内に入るとつつじ、枝垂桜、白木蓮、みつまた、関東タンポポなど、色とりどりの花が咲いていて、ちょっと夢のようなすごさでした(本当はもっとたくさんあったのですが、植物に詳しくなくて伝えきれないのが残念)。最初に本殿にお参りして境内の花を見ながら散策していると、いよいよ精進料理の時間がやってきます。

 精進料理はお寺の方に、まずは本坊にある控え室へと迎えて頂きました。そこでお茶を飲んでいると、お料理の準備が出来たところでまた別の部屋へと案内されます。食事を頂く机には竹が通され、うわさどおりの竹で出来た器、箸、そして添えられた花が並べられていました。席に着くと住職さんが料理の説明をして下さいます。

 最初に出てきた精進料理は、桜、よもぎ、タンポポ、もみじ、柿の葉のてんぷら。野蒜とホトケノザには味噌をつけます。ふきのとうの佃煮に、わらびのきゃらぶき。そしてかりんの実。

 かりんには山桜の花と、「見渡せば 春日の野辺に 霞立ち 咲きにほへるは 桜花かも」という歌が添えられていました。これは万葉集に納められた和歌で、まさにこのお寺にふさわしい、花の情景を詠んだ歌です。

 またホトケノザには「せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずな すずしろ これぞ七草」が添えられていました。(歌詞を書いた短冊には、最後の「これぞ七草」は省略されていましたが)。

 これらを竹で作られた割り箸で頂いていきます。ちょっと食べにくいところも楽しんでくださいとは住職のお言葉。その住職からは竹の筒に入れられたお酒をこれまた竹のお猪口にお酌してくださり、くいっと一杯。味がさわやかな飲みやすいお酒で、出された山菜と一緒に頂くとちょっと桃源郷の気分です。

 続いて出されたのは竹の籠に入れられた沢芹とつくしの和え物。こちらには山椿と共に「巨勢山(こせやま)の つらつら椿 つらつらに 見つつ思(しの)はな 巨勢の春野を」という歌が添えられます。万葉集にある坂門人足(さかとのひとたり)の詠んだ歌で、奈良の巨勢山を称え、そこに咲く椿のご加護を受けるために呼びかけた歌と云われています。

 また葉わさびには淡いピンク色をしたひめこぶしの花と、「いにしへの 七の賢しき 人共も 欲りせしものは 酒にあるらし」という歌がありました。万葉集にある大伴旅人が詠んだ歌で、精進料理を頂いているお部屋には竹林の七賢人(中国の故事にある竹林で酒宴を開く賢者達)の絵もかけられています。そろそろお酒も進んできて、葉わさびの辛さがやばいくらいにぴったり。この組み合わせは危険すぎました。

 そしてお酒にぴったりと言えば、にんじん、こんにゃく、やつがしらの茎などの和え物。花筏と共に添えられた歌は上林白草居(高浜虚子の弟子で、大正から昭和にかけて活躍)で、崩された書体のため歌の文字がちょっと読めなかったのですが(泣)、うぐいすの声を歌った歌でした。部屋の外からはうぐいすの声も時折聞こえていましたが、こんな心配りも嬉しいものです。

 甘草は根元の白いところが柔らかくて甘いとのことで、酢味噌をつけて頂きます。こちらにはみつまたの黄色い花に「萱草(わすれぐさ)、我が紐につく、香具山(かぐやま)の、旧(ふ)りにし里を 忘れむがため」という大伴旅人の歌が登場。和歌で詠まれる萱草は甘草のことのようです。この歌には大宰府に赴任する旅人が、香具山のある明日香を離れる辛さを忘れられるようにとの想いが込められています。

 そろそろ料理も終盤。この時間が終わってしまうのが寂しい。そんな時間の表現とは考えすぎでしょうか?

 またこの料理にはもう一首、歌が添えられていました。それが「いざ寝よと 手を携(たづさ)はり 父母も 側は勿下(なさか)り 三枝(ささくさ)の 中に寝むと 愛(うつく)しく」です。こちらはみつまたが出てくる山上憶良の長歌の一部で、両親の間に入って眠る子供の愛しさを詠っています。

 みつまたは小さな花がたくさん集まる可愛らしい木ですが、丈夫な和紙を作る素材としても重宝され、日本のお札にも使用されています。境内にも咲いていましたが、そんな楽しい花のミニ知識が増えるのも、この竹寺ならではです。一緒に行った人の中には草花がとても好きな方がいて、いろいろと教わってしまいました。

 そして最後は竹笹そばとよもぎご飯。ご飯にはごぼう、かぼちゃ、漬物がついています。こちらも最後の締めで美味しく頂きました。

 気がつけばあっという間の時間でしたが、見て楽しめ、味で楽しめ、歌で楽しめ、会話で楽しめる。季節ごとに何度も何度も行ってみたくなるとても素敵な花と歌のお寺でした。


体験者の声

飯能駅からタクシーと不便な山寺でしたが、それ故に大変、趣のあるお寺です。

 まずタクシーを降りると、今時分は山茶花が満開で見事です。それだけでも旅気分を味わえるのですが、本坊の茅葺き屋根にもまた一層、その気分を盛り上げられます。

 お食事は言わずもがな、普段はなかなか食べられないような素材を使ったお料理の連続で、口を動かしながら、これは何だろう、と謎解きをしながら食べ続けておりました。又、全てのお皿は、この時期、山に咲く花や実に彩られ竹の器に盛られ、目に大変美しく、準備される方の心遣いが伝わってきて、心も温まるものでした。

 お食事後は境内を少し散歩したのですが、お社がある所から見える山々の木々は、いい色に色づきはじめており、改めて自然のなせる大事業に感動致しました。

 御陰さまで、目やお腹、肺や気持ちまでも癒された一日を過ごせました。機会があれば、今度は子の権現まで歩いてみたいと思います。


体験者の声

 大きな竹の器に盛られた料理には一つ一つ花が添えられおり、また、万葉集や短歌等から引用された言葉も短冊に書かれて一つ一つ添えられていました。ご住職の、料理は五感で食べる物とのお気持ちからのようです。

 料理の一品一品は単純な素材を盛り合わせや調理方法等に工夫を凝らし、食感のみならず、見た目にも感心させられる精進料理でした。ただ、一品一品は少なめでもう少し食べて見たいと思う料理もありました。また、ご住職の「問答と解説」が止め処なく行なわれましたので、もう少し落ち着いて食べて見たい感もありました。

 料理のなかでは、二つに割られた焼き栗を曲がった箸で食べるのに大変苦労しました。味わうより食べるのに精一杯でした。

 最後に、ご住職の「添えてあるみょうを食べて、今日の料理を忘れてまた、お越しください」の言葉で精進料理の会は終了しました(昔から「みょうが」は物忘れの素と言われ子供や受験生には食べさせませんでした) 。


体験者の声

 西武池袋線・飯能駅に集合、タクシーにて約30分。竹寺の入り口には山茶花が満開で紅葉も綺麗でした。お庭の池の近くでは成人式の先取りとかで、和服に着飾った娘さんをご家族の方が撮影されていました。

 竹寺は武蔵野33観音巡りの結願所で、何回か訪れたことがありましたが、なかなか精進料理を食べる機会がなくやっと念願が叶いました。食器はすべて竹で作ってあり、割り箸も竹の枝で出来ているため少々曲がっていて、食べ難さがなんとも言えない間を与えてくれました。

 お料理には一つ一つにお花とその花にちなんだ短冊が添えてありました。ご住職から、その都度そのお花と短冊を絡めて料理の説明がありましたが、その前に「これは何と言うお花でしょうか? 出された料理の材料は何でしょうか?」の問いかけに、とても楽しいやら慌しいやらで、あっと言う間の2時間でした。

 お土産に、そのお花と短冊そして少し曲がった竹の箸を頂きました。


体験者の声

 西竹寺は過去に何回か行ったことはありますが、ここで精進料理を食べるのは初めてでした。奈良吉野の雅な精進料理と違って素朴さが感じられ、健康を維持するには一番いい料理と思いました。地元民でありながら、いままでここの精進料理を知らなかったのは、ちと恥ずかしい限りです。



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寺社旅研究家のほーりーが立ち上げた、宿坊研究会の編集部。日本全国300件以上の宿坊を紹介し、宿泊者の体験談も多数掲載! 全国の座禅会・写経会・精進料理などの寺社体験もレポートしています。