毎年初詣ランキングでは明治神宮に次ぐ２位の参拝者が訪れる、人気のお寺です。もともとは平将門の乱平定を祈願して創建されたお寺であり、寺名の新勝寺にも『勝』の文字が使われるとおり、勝運のご利益があります。もちろんお守りにも、『勝御守』があります。

　また、成田山の身代御守（みがわりまもり）には、逸話もあります。こちらは天保2年（1831）に仁王門の再建工事をしていた時、大工の辰五郎が足を踏み外して17メートル下へと落下しました。

　しかし辰五郎はかすり傷一つ負わず、代わりに身に付けていた成田山の手形札が真っ二つに割れていたそうです。このことから成田山新勝寺ではお不動様の身代御守をお授けするようになりました。

　成田山と言えば勝運ですが、ちょうど私が江戸時代の寺社参詣について勉強している時、成田山は歌舞伎で有名になったというお話があったことから、思わず歌舞伎に関係のあるお守りを頂いてしまいました。

　そもそも成田山詣でが江戸時代に流行ったのは、当時成田山を熱烈に信仰していた江戸歌舞伎の代表格、初代市川團十郞（いちかわだんじゅうろう）が成田不動を演じたことによるものです。

　その流れが今も続いており、初詣ランキングで毎年２位となっているのですから、意外と江戸時代って身近なんだなと思ってしまいます。

　私がお参りしたのは折りしも市川海老蔵さんがご結婚報告の参拝に訪れる日の間際だったので、頂いたのが写真の記念授与お守りです。

　開運と書かれていますので主なご利益はそのまま開運ですが、やはり新勝寺ですから勝運や、さらには歌舞伎に関係あるので芸事などにもご利益あるのではないでしょうか？

　また境内の奥にある光明堂（重要文化財）には、縁結びにご利益ありと言われる愛染明王が奉安されています。この仏様は人間の愛欲を司り、六本の腕に密教法具や弓を持ち、全身が燃えるように赤い色をしています。まさに縁結びの仏様に相応しく、恋を一直線に叶えてくれそうな力があります。

　そしてお堂の前には『愛染明王　恋愛成就絵馬』を奉納する、恋愛成就の絵馬掛けがありました。弓に矢をつがえた愛染明王が、あなたの恋の相手を射止めてくれそうな頼もしいデザインです。

　他にも境内端の丘にある出世稲荷には、専用の『出世稲荷絵馬』もありました。出世稲荷は佐倉城主稲葉丹後守から寄進された尊像をご本尊としたお社で、名前の通り出世にご利益があります。

　出世稲荷絵馬には裏に仕事の名刺を貼り付けて奉納すると、出世できるそうです。またお稲荷様はもともと商売繁盛の神様でもありますので、商売繁盛にもご利益があります。