寛平年間（889ー898）に創建された千百年以上もの歴史を持つ神社です。ご神木の国指定天然記念物「千本公孫樹」（せんぼんいちょう）は推定樹齢１２００年といわれる巨木で、多くの幹が寄り添って支え合う姿をしていることから縁結びの御神徳があると伝えられています。

　また乳房の形をした公孫樹の瘤（こぶ）を削り、煎じて飲むと、乳の出が良くなるとも言われ、育児守護の信仰もあります。

　ご祭神の一柱（東御前）の息長帯姫命（おきながたらしひめのみこと）は神功皇后（じんぐうこうごう）のことで、男装して海を渡り、新羅を征された後に応神天皇をお生みになったことから安産の神様としても信仰されています。

　戦中にお腹に石を当てて出産を遅らせたという伝説もあり、強いご神徳のある神様です。

■葛飾八幡宮の拝殿

　拝殿の右側に千本公孫樹が立っています。お参りしたのは葉が全て落ちていた冬の時期だったのですが、それでも入り組んで支え合う幹や枝が圧巻の迫力でした。

■千本公孫樹

　この姿は縁結びうんぬんというより、それだけで大きな力を感じてしまうほど、神々しさがあります。葉が色づく秋にまた、訪れてみたいところです。

　それと境内には安産と美容向上にご利益がある、浅間社があります。こちらのご祭神は木花開耶姫命で、美しい女性の神様です。

■浅間社

　この神様は大山祇神（おおやまづみのかみ）の娘で、天孫瓊々杵尊（ににぎのみこと）の皇后となりましたが懐妊の際に貞節を疑われ、「御子が国つ神の御子であるなら産むときに不幸が起きましょう。天つ神の御子であれば幸せがおとずれましょう」と戸の無い産屋に火を放ち、出産にのぞみました。そして３人の皇子が無事に生まれ、その身の潔白を示しています。

　火の放たれた産屋とは富士山（火山）であると言われ、 富士山信仰と共に浅間神社や富士塚が広まりました。