比叡山延暦寺天台宗のお寺です。

　授与品に『角大師護符』があります。角大師とは元三大師良源のことで、比叡山の伽藍の復興、天台教学の興隆、山内の規律の維持など、さまざまな功績から比叡山「中興の祖」と呼ばれています。角大師の護符は黒い影に角を生やした奇異な姿の鬼が描かれた護符ですが、これはこの元三大師の姿を写し取ったものとされています。

　疫病が流行していた永観2年（984）、襲いかかってきた疫病神を退散させた大師が病気の恐ろしさを知り、人々を一刻も早く病魔から救わなければならないと鏡に自らを鬼の姿として写し、それを残るところなく弟子に写し取らせました。そしてこの姿を版木に彫り、刷り上げたのが角大師の護符(お札)です。このお札を頂いた家は一人も流行病に罹らず、病気に罹っていた人々もほどなく全快して流行病もたちまち消えうせてしまったとのことです。

　それ以来、角大師の護符は疫病はもとより全ての厄災を除き、盗賊などの邪悪な心を持つ者が出入りできなくなるとして、毎年新しいものを戸口に貼る厄除けの護符として扱われるようになりました。