人皇八十代高倉天皇の中宮建礼門院（平相国清盛公の御女）が難産であったため、丹波老の坂の地蔵尊に勅使を立てて参籠祈願したところ、不思議とその夜から中宮の具合が良くなり、玉のような皇子（後の第八十一代安徳天皇）が生まれました。

　これを喜んだ天皇が清盛に命じて同体の地蔵尊六十六体を刻ませ、日本六十六州に一体づつ安置させます。その中でも長楽寺の地蔵菩薩は東海道に名高き関の地蔵菩薩と共に、一刀三礼の至誠を捧げて老の坂の地蔵尊と同体分身とされました。

　このため今も、女人安産の札所として信仰されるお寺です。重要文化財に指定されている木造延命子安地蔵菩薩半跏像を本尊とし、子授け祈願や安産祈願も受け付けられています。祈願料は5000円です。