坂本龍馬とおりょうの縁結びの話が伝わる神社で、二人が描かれた縁結びの『龍馬守り』や『龍馬絵馬』があります。

　おりょうの父は勤王家の医師であったため、武信稲荷神社の南側にあった幕府直轄の六角獄舎に捕えられていました。そのため龍馬とおりょうは、ご神木の榎の木から、父の様子をこっそりと伺っていました。

　しかしその後、龍馬は命を狙われて身を隠すことになります。おりょうは龍馬を探しますが出会う事ができず、ふと武信稲荷の榎に足を運びます。すると幹には『龍』の字が彫ってあるのを見つけ、龍馬の「自分も京都にいて、おりょうを探している」という伝言により、二人は再び出会うことができたそうです。

　また武信稲荷神社には『勝駒』と呼ばれる駒形の守護札もあります。「勝駒」の朱色（あけのいろ）は、稲荷大神のみたまの働きを象徴する生命の色で、豊臣秀吉が朝鮮出兵の際、持参したという話も伝わっています。