今宮の戎さんと並び、木津の大黒さんとして親しまれる神社です。主祭神は素盞鳴尊（すさのおのみこと）と大国主命（おおくにぬしのみこと）ですが、神社の名前からも分かるように大国主命一色の神社です。

　大国主命は出雲大社の神様で、日本神話では多くの兄弟の中から意中の女神を射止めたり、毎年10月（神在月）には出雲大社に神々を集めて縁結びの会議を開くなど、縁結びの神様として知られています。

　七福神の大黒様と、大国主命とは、大黒＝大国と同じ読みができることから、昔から同一とされてきました。こちらの神社は大阪七福神の大黒様（日出大国神）を祀っていますが、そうしたことから大黒様も縁結びに大きなご利益があります。

　境内にある日出大国社には、木彫りとしては日本一の神像とも言われる、大きな日出大国が鎮座しています。

　打ち出の小槌を持って俵に乗った、よく描かれる大黒様とは異なりますが、ふっくらとした柔和な微笑みはやはり七福神の一人であり、そして日本神話の大国主命であるなと感じました。

　そして本殿にお参りにいくと、横には大黒様が立っていました。こちらは小槌を持ったおなじみの姿ですが、ちょっと頭身は抑え目にデフォルメされていて、かわいい大黒様です。

　本殿には大国主命がいらっしゃるので縁結びのお願いはこちらでしつつ、隣の大黒様にも手を合わせておきました。

　それにしても本当にこの大国主神社に来ると、大国主命は大黒様と一緒なんだな～と思ってしまいます。 その根拠の一つと言えるのが、こちらのこま鼠。

　鼠と言えば日本神話では大国主命が火に取り囲まれた際、地下に洞穴があることを教えて救った縁の深い動物です。その鼠が大黒様の持物である米俵と小槌を持っているのですから、まさに大国主命と大黒様の習合結果と言えるでしょう。

　また、境内を歩くと実にたくさんの大黒様がいます。大黒様探しをするのも楽しいかもしれません。大黒様の像だけでなく絵もありましたし、バリエーションは豊富でした。